「アメリ」(ジャンピエ-ル・ジュネ監督、2001年、仏)空想好きの 女の子がそのまま大人になったアメリは、周りの人をちょっぴりシ アワセにするいたずろをすることを思いつく。ある日、他人の証明 写真を集めるのが趣味の変わった青年に恋をして・・・。
アメリ【期間限定スペシャル版】 価格:¥ 2,500(税込) 発売日:2004-12-03 |
コスモスから生き方を教わったことがある。そう、あの、秋風に吹か れてゆらりゆらりと揺れる花だ。群れて咲き、意思も無さげに風の 流れになされるがまま。まるで人間社会の縮図じゃんか、と思った のが小学生のときだ。嫌なガキである。そんなヒネたガキは何事も 一度疑い、必ず物事を裏返してみる。ホントにそうなの?と。そこで、 庭に群れ育ち始めたコスモスから一本を選び、残りは抜いて育て てみた。集中的に水と陽光を与え、葉やつぼみを剪定して、花も一 つだけ咲かせるようにした。すると、やがて茎は直径2㌢近くになり、 手のひらほどもある大輪の花が咲いたのだ。
学んだことは二つ。固定観念を妄信するなかれ。そして、コスモス はか弱く生まれついてはいないということ。花でさえ、ふさわしい 環境に在ればこれほどになれる。ましてや人は、自分の意思と力 でより良い場所へ移動できるのだから・・・。きっと、人は強く生き ていける生き物だ。ヒネているが熱血なガキは、以来この確信を 生きる指針とした。他人が苦手でコミュニケ-ション障害があるそ の子には、世間に対するための勇気が必要だったのだ。成長する につけコスモスの教えは現実味を増し、何かとコトあるごとにあの 姿が思い出された。そしてこのセリフを聞いたとき、まるでコスモス が言ったかのように思えたものだ。「おまえの骨はガラスじゃない。 人生にぶつかっても大丈夫だよ」刺激を与えてこそ、骨は強くなる という。だからせっせと歩かなきゃいけない。ときには楽しく跳んで みるのもいい。重い物を持つ経験も必要だろう。心の骨も、同じは ず。自分なんてダメ、自分は強くないと思い込み、あきらめてはい けない。たぶんあなたは、居場所を間違えているコスモス。大きく 育ててくれる場所は、歩き出せばきっとどこかにある。 (重田サキネ=ライタ-)
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