藤原 伊織 著 「てのひらの闇」を読みました。
飲料会社宣伝部課長・堀江はある日、会長・石崎から人命救助の場面を偶然写したというビデオテープを渡され、これを広告に使えないかと打診される。
しかし、それがCG合成である事を見抜き、指摘する。
その夜、会長は自殺した!!
堀江は20年前に石崎から受けたある恩に報いるため、その死の謎を解明すべく動き出すが…。
藤原作品は『テロリストのパラソル』、『ひまわりの祝祭 』に続いて3作目です。
主人公の堀江は一見くたびれた中年、実は過去の秘密を抱いたまま、余計な言い訳をせずに生きている無頼派の男だった。
ざとなると俄然強くて、かっこいい!
堀江以外の登場人物も一本筋が通った人物ばかり。
事件の核心に迫りながら主人公の意外な過去の話があったり、
バー店員との軽快なやりとりがあったり、
やくざとの駆け引きがあったりとその展開に目が離せない。
さらにテンポのよい会話が読む者を引きつける。
これぞ痛快ハードボイルド小説!!
続編の『名残り火 (てのひらの闇 (2)) 』も早速購入!
今から読むのが楽しみな一冊です。