杉並区の環七沿いにあるバス停前の樹木です。
車道に面した柵をしっかり握って・・・。
まさに、”絶対に放すもんか!!”と云う感じですね。
正面から見ると・・・
目つきの悪いエイのようでした・・・。
朝倉 かすみ 著 「田村はまだか」を読みました。
3月4週の金曜日深夜、札幌ススキノ、小さなスナック・バー「チャオ!」の店内。
小学校のクラス会の3次会。
5人の40才になる男女が大雪で列車が遅れ、クラス会に間に合わなかった「田村」を待つ。
待ちながら各人の脳裏に浮かぶのは、過去に触れ合った印象深き人物たち。
今の自分がこうなったのは、誰の影響なのだろう―。
それにつけても田村はまだか?
小学校の同窓会の3次会のスナックで最後まで残った5人の中年男女とスナックのマスターの花輪春彦も加えた6人が、遅れて到着する予定の「田村」を待ち続けると云う 設定が面白い。
まるで舞台演劇を見ているような感覚で読み始めました。
しかもスナックの外の風景はHさんの故郷の札幌・ススキノの街並み・・・。
そう云えばこんな看板があったよな~、なんて懐かしく思い出しながら読み進めました。
6人それぞれが、過去にあった”痛い出来事”を思い出す。
それらは仕事であったり、不倫であったり、離婚であったり、ほのかな恋心であったりする。
40才という年齢に達した彼らの、彼らなりの心象風景が、あくまでさらりと描かれてゆく。
そして、果たして田村は来るのか・・・。
早く来いよ、田村。
2009年吉川英治文学新人賞受賞作。
東野 圭吾 著 「白銀ジャック 」を読みました。
「我々は、いつ、どこからでも爆破できる」。
年の瀬のスキー場に脅迫状が届いた。
警察に通報できない状況を嘲笑うかのように繰り返される、山中でのトリッキーな身代金奪取。
雪上を乗っ取った犯人の動機は金目当てか、それとも復讐か。
すべての鍵は、一年前に血に染まった禁断のゲレンデにあり。
今、犯人との命を賭けたレースが始まる・・・。
東野作品を読むのは久々です。
スキー場に時限爆弾を仕掛ける設定はなかなか斬新で期待して読み始めましたが・・・。
いつもの東野作品にみられる、一ひねり、二ひねりの味付けが無い・・・。
ただ単にダラッと結末まで通してしまった感じで、いたって平凡なミステリーでした。
藤原 伊織 著 「てのひらの闇」を読みました。
飲料会社宣伝部課長・堀江はある日、会長・石崎から人命救助の場面を偶然写したというビデオテープを渡され、これを広告に使えないかと打診される。
しかし、それがCG合成である事を見抜き、指摘する。
その夜、会長は自殺した!!
堀江は20年前に石崎から受けたある恩に報いるため、その死の謎を解明すべく動き出すが…。
藤原作品は『テロリストのパラソル』、『ひまわりの祝祭 』に続いて3作目です。
主人公の堀江は一見くたびれた中年、実は過去の秘密を抱いたまま、余計な言い訳をせずに生きている無頼派の男だった。
ざとなると俄然強くて、かっこいい!
堀江以外の登場人物も一本筋が通った人物ばかり。
事件の核心に迫りながら主人公の意外な過去の話があったり、
バー店員との軽快なやりとりがあったり、
やくざとの駆け引きがあったりとその展開に目が離せない。
さらにテンポのよい会話が読む者を引きつける。
これぞ痛快ハードボイルド小説!!
続編の『名残り火 (てのひらの闇 (2)) 』も早速購入!
今から読むのが楽しみな一冊です。
海堂 尊 著 「ジーン・ワルツ」を読みました。
桜宮市・東城大学医学部を卒業、東京・帝華大学に入局した32歳の美貌の産婦人科医、曾根崎理恵―
人呼んで冷徹な魔女(クール・ウィッチ)。
顕微鏡下人工授精のエキスパートである彼女のもとに、事情を抱えた五人の妊婦がおとずれる。
一方、先輩の清川医師は理恵が代理母出産に手を染めたとの噂を聞きつけ、真相を追うが…。
現代の産科医療行政と不妊治療の現場
代理出産の法的な問題など考えさせられることが多い問題作。
悲惨な状況に置かれている日本の産科医療の現状が分かりやすく解説されたいます。
ミステリーと云うよりも、社会派小説と云った感じでした。