誉田 哲也 著 「ヒトリシズカ」を読みました。
見えそうで見えない。
手が届きそうで届かない。
時と場所、いずれも違うところで起きる五つの殺人事件。
その背後につらつく女の影。
追う警察の手をすり抜ける女は幻なのか。
交番勤務だったり、元警官の探偵など、異なる警察官が関わる事件にシズカという一人の女性が絡んでいく。
決してシズカ自身の描写は多くないのですが、起こる事件にはいつも彼女の影が・・・。
シズカと云う少女の事を知りたくて、どんどんと物語に引き込まれていく。
一体、この物語の最後はどうなるんだろうと・・・。
その肝心の最後が、残念・・・。
「マイウェイ 12,000キロの真実」
製作:2011年 韓国
出演: オダギリジョー, チャン・ドンゴン, ファン・ビンビン
第2次世界大戦末期、1944年ノルマンディー上陸作戦後、ドイツ軍捕虜の中に1人の東洋人が発見される。
話す言葉もわからない中、連合軍の尋問を受けた彼が語り始めたのは、にわかに信じ難い物語だった。
彼は日本、ロシア、ドイツ3つの軍服を着て激しい戦闘を生き抜いてきた男だった…。
第2次世界大戦中、日本とソ連とドイツの軍服を着て戦った日韓ふたりの男の物語。
オダギリジョーとチャン・ドンゴンが複雑な縁を持つ男同士の関係を見事に演じています。
韓国映画史上最高の25億円の制作費を投入して、「シュリ」、「ブラザーフッド」のカン・ジュウギュ監督が製作した作品は
スケールの大きい、臨場感溢れる映像となっています。
特に戦闘シーンは圧巻です!!
これほど迫力ある映像は、残念ながら日本映画では撮れないですね~。
「真実の物語」としてはちょっと出来過ぎていますが、戦争スペクタクル作品としてはなかなか面白かった!!
この映画のお勧め度:☆☆☆☆
「奔る合戦屋」を読みました。
天文2年(1533年)、若き石堂一徹は、中信濃の豪将・村上義清に仕えていた。
妻子に恵まれ、家中で台頭していく一徹。
一方、甲斐の武田信虎は徐々に中信濃に侵攻しつつあった。
村上家と武田家の争いが熾烈になるなか、義清と一徹の関係は、微妙に変化していく。
一徹はいかにして”合戦屋”になったのか?
孤高の合戦屋・石堂一徹が村上家から出奔するまでのエピソードが描かれています。
愛する人たちがいた。
己を理解してくれる親が、兄がいた。
共に戦場を駆ける部下たちがいた。
ただ一つ、己の才を理解し、信の置ける上司には恵まれなかった・・・。
前作同様に全体を通して痛快感と圧倒感があります。
文章が読み易く各場面が映像のように思い浮かべる事ができます。
第三作目がこの夏に出るそうですので、それも楽しみです。
「ゴーストライター」
製作:2010年
出演: ユアン・マクレガー, ピアース・ブロスナン, キム・キャトラル, オリヴィア・ウィリアムズ, トム・ウィルキンソン
元英国首相アダム・ラングの自叙伝執筆を依頼されたゴーストライター。
ラングが滞在する真冬のアメリカ東海岸の孤島に1ヵ月閉じ込められることと、締め切りまで時間がないことを除けば、おいしい仕事のはずだった。
しかし、前任者のゴーストライターは事故で死んだという-。
とにかく、気乗りがしなかった・・・。
仕事を始めた直後、ラングに、イスラム過激派のテロ容疑者を“不法”に捕らえ、拷問にかけたという戦犯容疑がかかる。
しかし、この政治スキャンダルもまだ序章に過ぎなかった。
はかどらない原稿と格闘していく中で、ゴーストライターはラングの発言と前任者の遺した資料との間に矛盾を見出し、ラング自身の過去に隠されたもっと大きな秘密に気づき始める。
やがて彼は、ラングの妻ルースと専属秘書アメリア・ブライとともに、国際政治を揺るがす恐ろしい影に近づいてゆく・・・。
「戦場のピアニスト」で有名な巨匠ロマン・ポランスキー監督作品。
灰色の空と海、冬の小島の寂しげな風景、フェリーそして海岸に打ち上げられた死体・・・
過ってのヒッチコック作品のような静かでおちついた画面構成がサスペンスでミステリアスな雰囲気を醸し出します。
綿密に練り込まれた手法で、最後まで謎解きと緊張感を持って映画を引っ張っていく。
クラシックな雰囲気のある、良い映画でした。
この映画のお勧め度:☆☆☆☆
秋月 達郎 著 「海の翼ートルコ軍艦エルトゥールル号救難秘録」を読みました。
イラン・イラク戦争開始から五年後の一九八五年(昭和六十)三月七日、
イラク軍は突如、三月十九日以降にイラン領空を飛ぶ航空機の無差別攻撃を宣言。
自国機の乗り入れのなかった日本は、イラン国内に取り残された在留日本人の救出対策に苦慮する。
タイムリミットが迫るなか、日本人の苦境を知って、救援に動いた国があった…。
このトルコ政府の英断の裏には、明治二十三年(一八九〇)九月、
日本訪問から帰国中に紀州沖で台風にまきこまれたトルコ軍艦エルトゥールル号遭難の悲劇があった―。
かぎりなくドキュメンタリーに近い小説です。
日本とトルコの間にこんな秘話があったとは!
現代の日本人にはまったく忘れ去られている事件が、遠く海を隔てたトルコの国民には
何と100年もの間、大人から子供へ、そして孫へと脈々と受け継がれていたんですね~。
そして、100年という長い年月を経て果たされたトルコから日本への恩返し。
いったい、100年前に何があったのか!!
その時に当時の日本人はどう対応したのか!
一世紀前の日本人の精神は本当に素晴らしく美しかった!!
こころ温まる感動の逸話です!!
お勧めです!
Hさんのブログによく登場するヘタレパチンカーのS君は、大のガンダムファンです。
先日も仕事帰りに一人で映画館へ寄り「ガンダムUC エピソード5」を観てきたそうです。
平日の20:35分からの回でも、50代くらいから10代くらいまでという幅広い客層で席は埋め尽くされ、ほぼ満席状態だったとか。
Hさんからしてみると、”本当かいな!?”と云う感じですが・・・。
さらにHさんがGW中に「ダイバーシティ東京」へ行って実物大のガンダム像を見てきた事をブログに載せたら・・・
”そんなのはとっくの昔に観たよ!”的なコメントをされました。
なんと可愛げがない・・・。
しかし! そんなS君の為に心優しきHさんがさらなるガンダム情報を提供してあげましょう!
S君はこんなガンダムがあるのを知っているでしょうか?
女形ガンダム!!
Hさんがnetで見つけた淡いピンクで統一された内股歩きのガンダムです!
これはなかなか笑えるね~!!
「ダイバーシティ東京」にこのガンダム像も並べて建てたら、カップルに大人気スポットになる事間違いなしだと思うけど・・・
この案は無理か!?
「素敵な金縛り」
公開:2011年
出演: 深津絵里, 西田敏行, 阿部寛, 竹内結子, 浅野忠信
弁護士の宝生エミは、裁判を任されても失敗ばかり。
ラストチャンスとして与えられた仕事は、妻殺しの容疑で捕まった矢部五郎の弁護だった。
矢部は「犯行時間は、旅館で落ち武者の幽霊にのしかかられ、金縛りにあっていた」という。
その旅館を訪ねたエミは、更科六兵衛という落ち武者の幽霊に遭遇し、裁判で矢野のアリバイを証言してくれるよう依頼する。
六兵衛は証言台に立つことを承知するが、六兵衛は誰にでも見えるわけではなく…。
三谷幸喜作品最高傑作との呼び声が高い本作を遅まきながらDVDで観ました。
その感想は・・・
ん~、西田敏行さんの演技だけで持ってると云う感じでした。
他のキャストも悪くはないんですが、なにせ西田さんの存在感があまりにも大きい!!
”釣りバカ日誌かよ!”と云う感じ。
肝心のシナリオもひねりがイマイチでした・・・。
前作の「ザ・マジックアワー」の方がひねりが効いていて面白かったな~。
この映画のお勧め度:☆☆☆
有川 浩 著 「三匹のおっさん 」を読みました。
「三匹のおっさん」とは…
定年退職後、近所のゲーセンに再就職した剣道の達人キヨ。
柔道家で居酒屋「酔いどれ鯨」の元亭主シゲ。
機械をいじらせたら無敵の頭脳派、工場経営者ノリ。
孫と娘の高校生コンビも手伝って、詐欺に痴漢に動物虐待…
身近な悪を成敗する。
剣道家と柔道家、そして機械を操る三人のおっさんたちが、街の平和を守るという6話からなる短編集。
単純に60過ぎのおっさんたちの痛快活劇のみに留まらず、
高校生の孫たちや娘夫婦との関係などの内容も織り込んであります。
特に現代の高校生たちの日常生活や微妙な気持ちの揺れ、友達との付き合いなどがラブコメっぽい展開されています。
サクサク読めて心がほっこりする作品でした。
昨日はI川課長とY本課長の3人で常総カントリークラブでゴルフでした。
常総カントリーでラウンドするのは今年になってからで3回目です。
自宅から比較的近場で、プレー料金も安く、コースも河川敷ながら林間コースの趣があり、練習ラウンドには持って来いのコースです。
しかし、練習ラウンドとは云え、今年の初ラウンドは109、そして2回目は114でいずれもHさんの最低目標スコアーである100切りは果たせていません。
果たして今回は・・・
こちらのコースはご覧の手引きカートで回ります。 足腰が鍛えられて健康には最適です!
例によって、クラブハウスの前には何故か犬小屋が・・・。
OUT1番ホールは458ヤードPAR5。 230~250ヤード付近をクリークが横断しています。
前回も前々回もドライバーでこのクーリーク越えを狙うも、力み過ぎて林に打ち込み、大ドラブルで大叩きしたホールです。
今回は同じ轍は踏まない! 1打目は5アイアンで手堅くクリーク手前に落とし、2打目はユーティリティーでグリーン傍へ!
”よし! 3オン2パットでパーだ!!” と取らぬ狸の何たらが頭をよぎり・・・。
アプローチをグリーンオーバー・・・。 結局寄らず入らず、このホール、ダボ・・・。
続く、シュートは2オン1パットで本日初パー!!
その後は、相変わらずのアプローチベタでスコアーがまとまらず、トリ・ダボ・トリ・ダボ・・・。
結局、その後は一度もパーを取れずにホールアウト。
OUTコースは結局53のダボペースでした。
昼食には”Hさんに食わせるタンメンがある!”と云う事で美味しく頂いて、イザ後半戦へ!
INコース10番ホールは335ヤードPAR4。 ここは3オン、1パットでパー!!
お~! なんかパットの調子がいい!!
と思ったのも束の間・・・。
11番ホール468ヤードPAR5で落とし穴が・・・。
まず、ドライバーを右へ大きく曲げてOB・・・。
前進4打も乗らず、アプローチでグリーン上を行ったり来たり・・・。
さらに、パットが入らず、このホール10打!! やっちまったぜ・・・。
その後は、なんとか持ち直し・・・。
パー2回の、ボギー3回、ダボ1回、最終ホールではトリを叩いて万事窮す・・・。
INコースはそれでも49で上がり、トータル102はこれまでで最高のスコアーでした。
11番ホールの10打がなきゃ~100切り達成できたのに・・・。
次回こそは100切りだ!!
三浦しをん 著 「舟を編む」を読みました。
玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。
個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。
言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく。
しかし、問題が山積みの辞書編集部。
果たして『大渡海』は完成するのか──。
「辞書は言葉の海を渡る舟 海を渡るにふさわしい舟を編む。」
「辞書を編集する話」なんて”小難しくて堅苦しい小説なのかな?”なんて思っていましたが・・・
意外や、意外!
結構軽めで、なかなか面白く、すいすいと読み終わりました。
軽いと云っても、登場人物がそれぞれに魅力的で面白いと云う意味で、
テーマの辞書を編集する過程については、一つ一つの言葉の奥深さや作業の大変さ、難しさがしっかり伝わってきました。
へぇ~、一冊の辞書を作るのはこんなにも大変なんだと云う事がよく判りました。
素直に読みやすく楽しめる一冊でした。