30年前の発売当時、このカメラに強い興味を持ったが、手の届かぬ高嶺の花だった。
義父が持っているのを見て、うらやましいと思った。
その CONTAX RTS Ⅲ が義父の遺品として、今、僕の手元にある。
外部を拭きあげてきれいにした。
当時は今のような高性能バッテリーはなかったので、単3電池を6本も使う。
電池を装着した。
もともとずっしりと重いのが、電池を入れるとさらに重くなる。
いくつものダイヤルやボタンやレバーがあり、誤作動防止のため何か所かロックされている。
ネットで探すと、ありがたいことに取扱説明書があった。
AV(絞り優先)やTV(シャッター優先)などのモード切り替えは解除ボタンを押しながらレバーを回して切り替える。
シャッターの一枚撮影、連写の切り替えは、ダイヤルを持ち上げて切り替える。
・・・などが、取扱説明書を読んでわかった。
取扱説明書を見ながら操作しているうち、重大な事実に直面した。
ファインダー内に表示されているはずの液晶表示がまったくない!
絞り優先モードで、カメラを明るい方向に向けてシャッターを切った時の音と、暗い方向に向けてシャッターを切った時の音の違いで、シャッター・スピードが変化しているのがわかる。
露出計を反映してシャッタースピードを変化させているのはわかるが、ファインダー内表示でシャッタースピードの数値が把握できなければ、手持ちで撮れるかどうかの判断ができない。
何度もシャッターを切っているうち、突然、ファインダー内の液晶表示が見え出した。
ファインダー内右側のシャッタースピード表示は問題ないが、ファインダー下部の表示は5項目あるはずなのに、絞り数値と露出モードの2項目しか出ていない。
しかも、青色下地に白色文字のところ、青と白の斑模様のようになっていて、液晶が流出しているのではないかと思われた。
そのうち、やがて再び、液晶表示はまったく見えなくなった。
そして、もう一つの問題が。
電源レバーをOFFにするとシャッターが切れなくなるはずなのに、切れる!
つまり、OFFにしても電源が切れずON状態のままになっている。
これは修理が可能なのか。可能だとして修理代はいくらかかるのか。
ネットで調べると、長野県にコンタックス専門の修理業者がいることがわかった。
そこにカメラ本体を送って、修理代見積もりをしてもらうことにしよう。
そのためには、今は合体しているカメラとレンズを分ける必要がある。
既に満杯の防湿庫になんとか収納するためにも、カメラとレンズを分ける必要がある。
そのためには、ボディキャップとレンズリアキャップが必要となる。
ネットでコンタックス用キャップを探したら、あった。
購入申込をした。
やがて、ネット注文していたボディキャップとレンズリアキャップが届いた。
キャップを入れたビニール袋には Made in China のシールが貼られていた。
キャップを取り出すと、とてもチープな感じで、これが1,567円もするのか、と思った。
ちなみに、Canon純正のEOS用キャップは、ボディキャップ270円、レンズリアキャップ242円だった(ヨドバシ)。
コンタックスという消滅してしまったブランドのキャップなので高くても文句を言うなということか。
とにかく、カメラからレンズを取り外し、それぞれにキャップをつけた。
これで、カメラ本体を修理業者に送れる状態になった。
さっそくカメラを持ってヤマト宅急便へ。
車を降りようとしてマスクを忘れたことに気がついた。
車内に予備としておいてるはずのマスクを探したが、ない。
やむなく自宅に戻り、再びヤマト宅急便へ。
カメラを収納する段ボール箱と梱包材を注文して、その場で梱包。
箱代140円。梱包材は無料だった。
宅配料金は1,160円。
ヤマト宅急便から帰る車の中ではっと気が付いた。
修理依頼票を同封しなければいけなかったのに、完全に忘れていた。
修理依頼票の記載事項はすべて記載済なのに、家に置いたままだった。
もう早くも認知症? ククク・・・
翌日、速達郵便で送った。
今回修理見積を依頼したのはここ。
コンタックス製品の修理業者として京セラから業務継承し、長年の実績があることが謳われている。
あとは結果を待つだけ。
ファンダー内液晶表示の故障は部品交換が必要で、今はもう、その部品在庫はなくなっている、ってことになりそうな気がする。
はたして、CONTAX RTS Ⅲ を使えるようになるのだろうか。