見たいと思う新作映画がどんどんなくなってきている。
たいして面白くもない新作映画に時間を費やすのだったら、わが映画コレクションの旧作を見るほうが充実した時間が過ごせる。
とはいえ、TSUTAYAのDISCASで定額レンタルを利用しているので、何か借りなければ定額料金がもったいない。
見たいと思う新作がなかなかない時は、旧作のなかから、映画サイトで評判が良く未見のものを探して借りている。
そういった映画で、最近見たのがこの2016年公開の「手紙は憶えている」だ。
認知症でよぼよぼの90歳のユダヤ人の老人が、老人ホームを抜け出し、偽名を使って逃亡しているアウシュビッツの責任者を探し出して復讐しようとする旅に出る。
早いテンポで展開しキレのある動きで格闘や銃撃戦のあるサスペンスとは対極的に、動きの鈍い、よぼよぼの老人が主人公というのが面白い。
認知症の症状が出ている時と正常な時が交錯し、記憶が途切れると行動手順を書いた友人の手紙を読んで、逃亡ナチ捜索の旅を続けていく。
主役のクリストファー・プラマーがなかなかいい味を出していて、「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ大佐がこんなにも年老いたのかと感慨深い。
この映画は2回は見れない。
結末を知って見るのは、気の抜けたぬるいビールを飲むようなものになるから。
そして、不作続きの新作のなかで稀有の期待作、やっと待望の「トップガン マーヴェリック」を見た。
36年ぶりの続編は、期待に違わず面白かった。
冒頭の空母からの発艦シーンにあの音楽、懐かしさがこみあげる。
マーヴェリックに反感を抱く、事故死した親友グースの息子、ライバルから親友となったアイスマンが登場。
この映画のメインは、前作同様、戦闘機の飛行シーンの迫力であり、その迫力と音響を楽しむには映画館で見るべきだと思う。
だが、問題はトイレだ。
年をとってトイレが近くなっているのか、始まる前にトイレを済ませ、飲みたいビールもぐっと我慢し、それでも途中で行きたくなってしまう。
一時停止できないので、トイレに行っている間のシーンが欠落してしまう。
ってわけで、この映画も、100インチスクリーンのわがホームシアターで晩酌しながら鑑賞した。