秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

老犬柴犬依存症候群

2009年09月01日 | Weblog

開票速報でテレビがお祭り騒ぎの夜、長女が一晩帰省した。
『祖谷』に帰ると落ち着くと言う。
私への野暮用を兼ねての帰省。部屋が少しだけ、賑やかになる。
普段なら、テレビを消せば、我が家はかなり、無音になる。
祖谷川の流れる音、洗濯機の脱水の、壊れかけのベルトのキシム音。以前に、このベルトの音が、私には何故か、鹿の鳴き声に聞こえて、『ずいぶん鹿も、道路に下りてきたんだなあー』
と夜中にひとりで感心したことがあった。
忘れてならないのは、もう一つの鳴き声!泣き声?
17才になる、愛犬柴犬『ゴン』の夜中の無駄吠え!
街頭インタビューで、「あなたの悩みありますか?」
なーんて聞かれたら、私は迷わずに即答します。
『ゴン』の無駄吠え


最近、調子が悪くなって、彼が入院した。
もう駄目かもしれない…今度こそ、駄目かもしれない。
動物病院の狭いゲージの中で、どんなに不安だろう。ゴンを預けた一週間。涙という物質は、まだまだ枯れてはいなかった。
散歩に連れていく時間になると、一生懸命気を紛らわせて、ひたすら雑用に勤しんだ。
もう、使えないかもしれないけど、神様、お願いします。もう一度、あいつと、いつもの道を、散歩させて下さい!おまじないを込めて、必死になって、犬小屋を掃除した。
食欲不振!嘔吐!脱力感!
あっ、この症状はゴンではありません。飼い主の私なのでした。悪しからず。



憔悴しきった、一週間が終わった。



ゴンは、一週間後、




復活しました。
私も復活できました。


娘と夕方、
いつもの散歩道を、歩いた。
私のゴンへの対応は、更にビップになった。夕方は、ちょうど、仕事帰りの方々と、すれ違う。山の一本道。車が通るたび、ゴンをかばいながら、一時停止する。
今日は数人の『おっちゃん』に遭った。

おっちゃんΑ
エンジンを停止させて話し掛ける。
『おー、この犬は、前に飼いよった、犬か~、なんと、ひどいのお、まだ生きとるんかあ~』

おっちゃんB
軽く会釈して、笑って一言。『犬の散歩で?』
「猫に見えるかー」と心で叫び、私はかわいらしく、『ハーイ』と答える。自分で自分に鳥肌が立つ。


おっちゃんC
車のクラクションをならして、手を振り通り過ぎる。

娘が一言言った。
『町では考えられん、道路で車がとまって、話しかけられるの』
娘よ、これは祖谷の当たり前!

最後に前方から、近所のおっちゃん!
酒を飲んでいてもいなくても、足元がオボツカナイ?

おっちゃんの後ろから、車が一台こちらに向かって走って来るのが見えた。
私と娘は、ゴンのリードをしっかり持って、左端に寄った。
おっちゃんは、ゆっくりとナゼカ道の真ん中に、寄りながら、私に言った。


『〇〇さんよー、おらが通るけんて、そんがによけてくれんでも、エエぞよー』
超ハイテンション!

『おっちゃん、後ろ、車きよるよ!避けな、危ないよー』

おっちゃんは、慌てて、後ろを振り向きながら、道の端っこによけた。
『車か車か~、そうかそうかぁー』

ほふく前進にも見える?ゴンの歩き方。
ヘルペス、心臓病。耳も眼も悪くなって、めちゃくちゃ男前でなくなったけど、
一日でも長く、この道、散歩しょう。
あなたがいなくなったら、私は洗濯機のベルトの音だけが、共友者になるんだ。
最後に一句
『祖谷山にうおーと響くゴンの復活』

復活バンザイ!


コメント (2)
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