秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ (深夜の臨時コテージ管理人)!

2009年09月27日 | Weblog
水曜日、19時30分、コテージの管理人〈男子〉から、電話がかかった。
嫌ーな胸騒ぎがした…

「あ~、モシモシ、菜菜子さん、今大丈夫ぅ?」

「はい?大丈夫です?」
優しく答えた、私。

「あのねぇ~、今さっき、コテージに泊まりたいって言って、外人さんから電話が入ったんですよぉ~」

「……」

「それで~、ワタシねぇ、今徳島の市内に出てきちゃってて、あー、今日は、定休日だしねぇ~」

「ヘェ~?」

「大丈夫ですかねぇ、開けて頂けますかぁ?今から、20分位したら、付くみたいなんだけど~」



『水曜日の定休日でも、祝日だろう!シルバーウィークの最終だろ!貴重な観光ラッシュ!儲けないかん、天下の祝日じゃあ!なんちゅ?市内?はあ~?娘んくへ行ってるばあいか!観光を嘗めたらアカンゼヨ!』


と心の中で叫びながら、
『大丈夫よ!任せて下さい!』
と優しく返事をした私


暫くして、考えた…
管理人は、以前のガラクタ集めを最近、少し控えて、やたらと、はまっていることがある。

『エコ……な生活!』
『節約……節電!』

『ケチな?……生活!』

つまり、早い話が、
誰~も、泊まっていないコテージの、回りは、家もなく、ひたすら山に囲まれた、まーーーーーー暗な闇!また闇!真っ暗!
百メートル先のバーベキュー棟に、飾りのように点いている、小さな電灯がひとつ。


そこで、思いだした。
今朝、1番で長女から電話が入っていた事を!

『母ちゃん、あのなあ、歯が抜ける夢みたけん、気をつけなよ!』

24才にもなって、母ちゃんと呼ぶ、長女の事はさておいて、
もしや、この電話の内容の行き着く先が…、夢のお告げ?

明日の新聞の見出しに
『深夜の悲劇!
美人臨時管理人、
マムシに噛まれて重体!
正義感が、招いた悲劇か!』


なんて事に…

その前に、
普段から、管理棟の壁に飾ってある、
妻が海外で購入した
「一枚の絵」

まさか、深夜にここに一人で来る事は、絶対、絶対にない!!!
と思っていたので、さんざん管理人に言ってきた…

『あの絵、なんかヤバイよ!なんか、怨霊がこもっている感じ…』

『悪い事、言わんけん、あの絵、家に持って帰って、見えない場所に、置いたら?』


言い過ぎて、思い出せない位、管理人に言ってきた。

真っ暗な、真っ暗な
管理棟に、入った。
車のライトを頼りに、カギを開けた。
とりあえず、電気を点けた。

なぜか、管理棟の中に、テントが一つ。
誰か、寝ているような?
そーーーと近付いてみた。

『エッ…?』

『何ッ…?』


『寝、寝ぶくろ~~!』

『なんで、寝袋あるんじゃ~、まぎらわしい~』
独り言を言った。

例の絵をチラッと見ながら、

素早く、二人分のシーツ等の、用意をした。
チラッと 絵を見た。

初めて、歌った事のない ハミングが、口から 出た。
再生も、出来ない。


暫くすると、
二人のカップルが着いた。管理人いわく、日本語大丈夫!通じるから!との事。

通じると、言われても、なぜか外人と話す時は、大きめな声になり、手話になり、口をゆっくり、大きく開けて、話す私…

「コンニチワ」
お~、きれいな日本語!
「オソクナッテ、ゴメンナサイ」
お~、常識あるじゃん♪
『い・い・え・、だい・じょう・ぶです』
爽やかに対応する私。
申込書を渡して、住所を書いて頂いた。

サッパリ、読めない!二歳児の落書きに、似てる 筆跡。

いつもなら、駐車場の説明をする時、
「この上の、公園に適当に停めて下さいね」
だけど、
まわりは真っ暗!
そんな説明、絶対に相手に伝わる訳がない。何よりも、危険過ぎる!
私が、一緒に、先導した。

公園に着く!
私は降りて誘導!
先に行ってて、部屋の電気は、点けてあげていた。少しは、見える!

『もう少し・前に行って』
カップルの車が、
ブーンと三回位、吹かして、前に出た!

前方には、コンクリートの 固まり!
見えて、なかったの?


思わず、
私の 隠しておいた、
高度なイングリッシュが、炸裂した!!!



『ストップ!』
『ストップ!』


車は 無事に停止した。

私のイングリッシュがポロッと 口から出た。

『オッケー!』

カップルは、嬉しそうだった。
私が、英語を話せる事が判って、安心したんだ。

また、必死で、駐車場から降りた。
『あとは、シーラナイ』

外人さんに、管理人が留守なのは、
『定休日なので、町にここの、買い出しに行っているんです、ゴメンナサイね!』
と優しい嘘をついた私!
若き女性よ!
こんな優しい嘘が
平気でツケル、女に成りなさい!

成ったとしても、
フラれる時はフラれるので、
潔く、フラれなさい♪

マムシに噛まれる事もなく、
無事にゴンの待つ、家に帰った菜菜子でした。
サンキュー、バイバイ!