ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

手形の原因関係

2007年11月05日 01時10分14秒 | 商法
手形も奥が深いです。


手形債権が時効消滅した場合、原因関係も行使しうるか?

A→B→Cと手形が譲渡され、Cが手形債権を時効消滅させた場合、BC間の原因債権をCは行使し得るか?


Cが行使し得るなら、Bは手形を返還し得るが、手形債権が消滅しているので、Aに請求できない。

その賠償請求をCに対して取得するから、原因債権と相殺し得るとして、拒絶できるそうです。


私は
利得償還請求権の法的性質を
公平の理念のための特別の権利
と解するため、

Cが利得償還請求権を取得するには、
手形上の権利だけではなく民商法上の救済手段を喪失した場合にのみ取得する

と解するので、むしろCは原因債権を有している以上、Bに原因債権を行使し得るから、利得償還請求をすることはできない。
という流れになってしまいます。

まったく逆の結論です。


前者の結論は学者間では争いないそうで、利得償還請求をAに行使し得るから、BC間の原因債権は消滅して、Bは拒めるというのもあるようです。


これはまさに手形の無因性から反対ですが、相殺の理論も利得償還請求権の話から、不自然な気がします。


あれぇええ???
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

遡及効と将来効

2007年11月05日 00時57分14秒 | 商法
会社法であそぼ。に、ちょうど似た内容がありました。
http://blog.livedoor.jp/masami_hadama/archives/50930319.html

もっと掘り下げて、形成訴訟にも触れられています。


形成訴訟は、株主総会決議取消の訴えがまさにそうであり、提訴期間制限あり、主張権者が制限されています。

もう少し詳しく書かれていました。
「形成訴訟の対象となると、提訴期間内に提訴しなければならないという制限がかかる分、瑕疵を主張する者にとって不利なわけで、形成訴訟の対象とするためには、その瑕疵の主張を封じても正義に反しない程度の瑕疵であるという制度上の制約がつきます。」


さらに、まとめとして


1 形成訴訟の対象となっていない事由・・・瑕疵が重大なので、提訴期間の制限をしない。
2 形成訴訟の対象となっていて、将来効である事由・・・瑕疵がそれほど重大ではないので、提訴期間の制限をするし、判決が確定しても法律関係の安定を優先して将来効
3 形成訴訟の対象となっていて、将来効でない事由・・・瑕疵がそれほど重大ではないので、提訴期間の制限はするが、判決が確定した場合には、判決の実効性を確保するために遡及的に無効とする。
という分類がされているのです。

とありました。

素晴らしい解説です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする