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映画、最高の人生の見つけ方

 真っ青に晴れ上がった雪山のシーンで映画は始まる。真っ白な稜線にたった一人、しかし、しっかりした足取りで登っていく。

 ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンと言われれば、たとえ「最高の人生の見つけ方」と言うタイトルであったとしても、無条件で見に行かなければなるまい。

 たまたま病室を同じくした初老の二人、エドワードとカーター。余命、数ヶ月と宣告されてしまう。残された時間を病気と闘うのではなく、自分達のやりたいことをしようとリストを作る。スカイダイビングやムスタングGT350を走らせるとか、一つ一つ実現していくのだが、、、、と言う話。

 よくありそうな話で、実際に予想通りの展開になる。しかし、この映画の本質は、リストをどうやって実行するかと言うことでは無い。見ず知らずの二人が残された短い時間のあいだに本当の友情を築き上げていき、その中で幸せをつかんでいくことがテーマ。

 相変わらずジャック・ニコルソンが狂気の目で、傲岸不遜を絵に描いたような富豪、エドワードを演じる。生への執着はまったく見せないが、やりたいことへの執念はだれも邪魔することが出来ない。

 自動車修理工、カーターを演じるモーガン・フリーマンは知性的で紳士の役回りだが、ジャック・ニコルソンとの共演では分が悪い。それでもきちっと背景が描かれているので、看護士の妻のもとを離れ、冒険の旅に出かけてしまう気持ちが良く分かる。

 この映画でもう一人の重要人物がショーン・ヘイズが演じるエドワードの秘書。唯一エドワードが心を許している人間だ。彼の台詞が上手に出来ていて、表情も実にうまい。誠実さの中に、常にかすかなユーモアを発散している。彼はケイティ・ホームズが主演した私の好きな映画「エイプリルの七面鳥」に出ていたのだが、今回のほうがはるかに良い。

 真っ青に晴れ上がった雪山のシーンで映画は終わる。非常に重いテーマなのだが、大笑いできる場面が山のようにある。気の利いた台詞も沢山あって、最後に感じることの多い映画でもある。旅立ちの準備を始めた、お仲間の団塊の世代に是非お勧めしたいと思っている。




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