黄昏れたフクロウ

黄昏が近づくとフクロウは飛び立つ準備を始めます。暗闇で木に激突。最近は夜目、遠目が効かなくなって来ました。

映画、パリ、恋人たちの2日間

2008-05-25 | 映画、舞台
 人間、一度横道に迷い込むと、どんどん深みにはまっていくことがある。最近マイナーな映画を良く見るようになったが、迷走気味である。

 東京の恵比寿ガーデンシネマで「パリ、恋人たちの2日間」が公開されている。初日に見に行ったのだが、さすがに最前列まで満席であった。

 ニューヨークに住む、フランス人フォトグラファーのマリオンと、アメリカ人インテリアデザイナーのジャックという、付き合って2年になるカップルが主人公だ。二人の関係をリフレッシュするためにベネチアに出かけ、ニューヨークへの帰路、マリオンの両親の住むパリで2日間を過ごす。

 英語をまったく話せない両親や、マリオンの元ボーイフレンドが大勢登場し、フランス語を話せないジャックのストレスは高まっていく。

 マリオンを演じるのはジュリー・デルピー、彼女が監督、脚本もこなしている。実際、映画を見ている最中は脚本を書いたのはアメリカ人だろうか、フランス人だろうかなどと考えていた。それほどアメリカ人とフランス人がステレオタイプに描かれている。

 言葉が通じないことが一つの主題になっているので、会話がやたらに多い。多すぎて頭が痛くなってしまうのではないかと思うくらい多い。洒落た会話なのかもしれないが、英語とフランス語だから日本人の観客には不利だ。そんなわけで脚本の出来不出来については判断できない。

 それでもタクシードライバーとの会話を効果的に上手に使っているところにジュリー・デルピーの才能を感じることが出来る。今後も監督を続けていくようだから、もう少し言語によらない、普遍的なテーマの映画を作ったら、また観にいきたいと思う。

 この映画、フランス映画の常に習って最後がどうなったのか良く分からない。二人で観に行ったのだが、ラストの解釈がまったく逆であった。ラストシーンの少し前のブラスバンドのシーンに伏線を入れておき、ラストシーンの解釈を助ける仕掛けがしてあると理解したのだが、、、

 後でジュリー・デルピーのインタビューを読んでみたのだが、彼女の表現したかったこと、ラストの解釈が明確になった。さすがに才能である。但し、このインタビューは映画をまだ見ていない人は見ない方が良いと思う、楽しみが減ってしまう。

 もともとこの二人がカップルであることに無理があると思える映画。この感じが最後まで付きまとった映画であった。デルピーに会うことがあったら聞いてみたい、ジャックを演じたアダム・ゴールドバーグは本当にあなたのタイプなのかと、、、、まさか元彼だったりして、、、


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 ジュリー・デルピーのインタビューのリンクが切れたときを考え、インタービューの一部を以下にコピーしておきます。映画を見ていない人はご覧にならない方が良いでしょう。

デルピー「この一組のカップルが、48時間という短い間に別れてしまうとしたら、どんな別れ方になるかなと思ったのが、そもそもの始まりなの。“別れ”ってものすごく辛いテーマなんだけど、それをコミカルに描きたいと思ったのよ。何年か前に女友達とパリで過ごしたときに、ビックリするくらい運の悪いことばかりが続いたことがあったの。仲良しの友達と一緒だったから、別に何ともなかったんだけど、『これが恋人と一緒だったら、どうなってたんだろう』って思ったわ」