万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

二階元幹事長の‘日本人なら’発言の危うさ

2022年09月19日 09時42分33秒 | 日本政治
二階元幹事長の安部元首相の国葬に関する傲慢発言は、さらにエスカレートしているようです。先の発言は、‘国民の批判など無に等しく、自民党は安泰’と高をくくったことで世論の批判を浴びたのですが、今度は作戦を変えています。無視を決め込むと火に油となることに気がついたのか、敢えて‘日本人なら’と表現することで、同調圧力を作り出そうとしています。両者には‘無視’と‘誘導’という違いはあるものの、政治家(権力者?)としての上から目線で‘国民世論など自らの発言でどうにでもできる’と見下している傲慢な姿勢においては共通しているのです。
 
 かくして、安部元首相の国葬に関連して二度目の炎上が起きてしまったのですが(通算では数え切れない・・・)、二階元幹事長は、‘日本人なら’という言葉の効果については熟知していたように思えます。かねてより、国際ジョークとなるくらい日本人は同調圧力に弱いとされてきました。他人を海に飛び込ませようとする場合、アメリカ人には‘あなたはヒーローになれます’、イギリス人には‘ジェントルマンとはこうするものです’、ドイツ人には‘法律で定められています’、そして、日本人には‘皆がこうしています’と言えばよい、というものです(いささか不正確かもしれません・・・)。おそらくワクチン接種促進においてその絶大なる効果を実感した元幹事長は、‘日本人なら’を魔法の呪文と考えたのかもしれません。

 それでは、‘日本人なら’の呪文は、世論誘導の効果を発揮したのでしょうか。結果はその逆であったと言わざるを得ません。安部元首相の国葬に対して疑問を抱くのは、全員とは言わないまでも、日本人に限らず、人としての当然の心の動き、あるいは、反応です。何故ならば、国葬反対の世論が圧倒的である最大の理由は、安部元首相を筆頭とする自民党と世界平和統一家庭連合との癒着にあるからです。

同教団は、『旧約聖書』を自己に都合よく曲解しつつ、過去の植民地支配による韓国人の‘恨’を晴らすためには日本を韓国に従属させるべき、と説いてきた反日カルトの新教宗教団体です。霊感商法や信者に対する高額の寄付要求も、‘アダムの国である韓国にエバの国である日本は貢ぐべし’、‘韓国人が日本人を搾取しても償いであるから神が許している’という発想に起因しているのでしょう。世界平和統一家庭連合とは、信者を動員して様々なサービスを提供するのと引き換えに、自民党に対して裏から教義に基づく反日政策を実行させようとしてきたのですから、いわば、日本人から見れば、日本支配を目論む‘敵性集団’なのです。

世界平和統一家庭連合が反日組織であることは明白な事実ですので、二階元幹事長が、日本人の特質である‘同調圧力’を以て安部元首相の国葬決定に従うよう恫喝したとしても、国民の多くは反発するのみです。何れの国でも、自国の支配を目的に掲げてきた隣国のカルト教団と自国の政権与党が密接な関係にあれば、国民は憤慨するでしょうし、公安上の外患誘致事件として刑法上の罪に問われるかもしれません。世界平和統一家庭連合が、日本国と同盟関係にあるアメリカのCIA、さらには中国をもコントロールする世界権力と繋がりがある故に、破壊活動防止法等の適用を逃れているのかもしれないのです。

半数をゆうに超える国葬反対の世論は、保守政党を装って長期にわたり日本国を‘支配’してきた自民党並びに公明党に対する国民の深い失望と政界に対する不信感の現れとも言えましょう。否、今般の一連の事件により、漠然として抱いてきた‘売国疑惑’は、ついに確信に変わったのかもしれません。人民解放軍を熱烈歓迎しかねない二階元幹事長ならば、中国に侵略され、日本人が大量に虐殺されたとしても、「終わったら(侵略が完了したら)、反対していた人たちも、必ず良かったと思うはず。日本人なら」と発言しそうなだけに(ここにも悪しき二重思考が・・・)、元幹事長の傲慢発言には、大いに警戒すべきと思うのです。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする