17世紀のオランダ、アムステルダム。チューリップの投機が盛んで、
中でも希少な縞模様の入ったものを“ブレイカー(色割れ)”と呼んだ。
孤児として聖ウルスラ修道院で育った
美しい少女ソフィア(アリシア・ヴィキャンデル)は成人すると、
富豪で有力者である商人コルネリス・サンツフォールト(クリストフ・ヴァルツ)に嫁ぐ。
なかなか子供を授からないソフィアは、ソルフ医師(トム・ホランダー)に相談する。
一方、サンツフォールト家の女中マリア(ホリデイ・グレインジャー)は、
魚売りのウィレム(ジャック・オコンネル)に恋をしていた。
コルネリスは妻との肖像画を描いてもらおうと、絵画商人マテウスから
若手画家ヤン・ファン・ロース(デイン・デハーン)を紹介してもらう。
ヤンはソフィアの姿を観た瞬間、恋に落ち、ソフィアも徐々に彼に惹かれていく。
その頃、ウィレムはマリアとの結婚のため、チューリップの球根の所有権証明書を手に入れる。
ウィレムが証明書への署名をもらうため
所有者であるウルスラ修道院の修道院長(ジュディ・デンチ)を訪ねると、
修道院には白と真紅のブレイカーが1輪咲いていた。
“マリア提督”と名付けられた球根の証明書を入手し、幸せを掴んだはずのウィレムは、
ヤンと逢瀬を重ねるソフィアの姿をマリアと勘違いしてしまう。
傷心のなか酒場で財布を盗まれ、恋人も財産も失ったウィレムは、
そのままアムステルダムから姿を消す。
ウィレムを失ったマリアは、彼との子供を授かっていることをソフィアに告白する。
ソフィアはマリアの子供を自分の子供だと夫に思い込ませることを思いつく。
妊娠により妻と夜を共に過ごせなくなったコルネリスは、
仕事と偽りユトレヒトの女の元へ行き、数週間留守にする。
その間ソフィアとヤンは幸せな日々を送る。
しかし、ヤンはソフィアのために金を工面しようと、
チューリップの球根を盗みにウルスラ修道院へもぐりこみ、捕えられる。
それでも球根を諦めきれず、チューリップ売買に乗り出すが……。
(MovieWalkerより)
チラシ画像からも分かるように、この映画はフェルメールの世界感。
原作者デボラ・モガーが「フェルメールの絵画の世界を小説にしたい」と願い
肖像画のモデルとなった女性と禁断の恋におちる画家の物語を書いたんだそうで。
歴史大河要素は無いですが、飽きさせず面白かったです。
女中マリアの語りで、
ソフィアの不倫とマリアの恋に恋人たちの策謀とチューリップバブルが絡みます。
オランダ黄金時代、スペインから独立して好景気の中、
人々は投資や収集に熱を上げ、絵画とチューリップが2大ブーム。
レンブラントやフェルメールを輩出した時代。
ソフィアのドレスはフェルメールブルー、佇む姿はフェルメールの絵そのまま。
街や市場の喧噪も絵画の中で見た事あるような。
あの時代の雰囲気が好きならそれだけでも楽しいかも。
ストーリーはソフィアの禁断の恋が中心で分かりやすく、
(ちょっと下ネタよりのシーンが多いなって気はしたけどw)
それよりハラハラさせるシーンを挟んで引き込むし、極悪人が出ていない。
修道院長は最初から男前だし、コルネリスも最終的には度量の大きさをみせる。
観賞後の気分は上々です。