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好きなことだらけさ…

『この世界の片隅に』

2016年12月09日 | 映画 アニメ

昭和19年、18歳の少女・すず(声:のん)は生まれ故郷の広島市江波を離れ、
日本一の軍港のある街・呉に嫁いできた。
戦争が進み様々な物が不足していく中、すずは工夫をこらして食事を作っていく。
やがて日本海軍の根拠地であるため呉は何度も空襲に遭い、
いつも庭先から眺めていた軍艦が燃え、街は破壊され灰燼に帰していく。
すずが大切に思っていた身近なものたちが奪われていくが、日々の営みは続く。
そして昭和20年の夏を迎え……。
(MovieWalkerより)


 今、自分家の空気が最悪なので、家族の日常を描いた映画を観るのに
二の足を踏んでたけど、観てきました。

実に人の温度が伝わる映画でした。
大義名分を掲げた国同士の戦争の下で、
苦しい事も理不尽な事も呑み込んでいかなければならない人々。
そして懸命に淡々と日々を暮らしていく女性のお話。

当然自分は、世界大戦なぞ教科書の上でしか知らず、
残っている映像をTVで見たことがあるってだけ。
空襲の話も、自分の両親や祖父母は東北・北海道地域なので、
死ぬほど怖い思いをしたことはない。
嫁に来た先で、義父母から東京大空襲の話を聞いた程度です。
戦争は国や国民を守るために始まるのでしょうけど、
結局、一番苦しむのはその国に暮らす市井の人々。

主人公のすずの声を担当したのんさん。能年ちゃんですね。
絶賛されてるだけあって、彼女の持ち味でこの映画は成り立っていると言ってもいいくらい。
これはもう、原作ファンの方々も文句のつけようがないんじゃないかな。

こうの史代さんの原作マンガ、未読ですが、
どうやらリンさんという女性のエピソードがゴッソリ抜けてるようですね。
道に迷ったすずとリンさんが出会うシーンはあるんですが、それだけ。
エンドロールのバックに流れる少女の生い立ちが
最初、誰のものなのか??と思って観てると、
例の天井から顔を出してスイカをしゃぶる画が見え、あれ?これってリンさん?
なぜここにリンさん?と思った次第。

彼女はすずの旦那さんの周作と深い関係があるのだと。
そこんところが何も出てこない。
これは単純な心温まる夫婦愛の物語ではなかったようです。
あるがままに物事を受け入れてるように見えたすずが、実家に帰りたがったり、
幼なじみの水原がすずの嫁入り先まで訪ねてきた時、
その夜、周作は自分の嫁を水原の元に送り出したりと「んっ?」と思ったところが数か所。

それなら、橋の上での夫婦の会話はただの愛の告白ではない。
「~すずさんを選んだのは、わしにとって最善の選択」と言った周作に
「この世界の片隅に、わたしをみつけてくれて、ありがとう」と答えたすず。
この言葉の重みが随分違うもののように思う。
これは原作ファンである監督が、マンガ読んでくださーいって事?

あと1か所、分かりにくかったのがすずの妊娠w
「最近食が落ちた」の会話の後、
義姉の径子が「はい、二人分!!」と大盛りのイモご飯をすずによそってあげる。
その後、病院の入口をくぐる、すずのワンカット。
そして「一人分だと、こんなもんねっ!!」で、スカスカのおかゆ。
これって子供ができたと思ったら間違いだった!の描写だったんですねw
食糧事情が悪いから、妊娠してても十分には食べられないって事かと思ってた。
そのあとずーっと、すずは妊婦だと思って観てました。
水原が訪ねてきた時、妊婦だから、他の男の元に出すのか?とか思ってましたよww




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2 コメント

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こんばんは(^^) (jun-sweets)
2016-12-09 19:47:43
広島が舞台の作品なんですね。
見ていらっしゃるkurukuruさんが「ん?」と思う部分があるんですね。
原作を読むこと前提の映画なんでしょうか
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jun-sweetsさん (kurukuru)
2016-12-13 00:47:54
この映画は、これで素晴らしい作品になってるとは思うんですが、時々「ん?」ってところがww
記事に書き忘れたことがもう1つ。
終戦を迎え、玉音放送を聴き戦争に負けた事を知ったすずが、
「最後の最後まで戦うんじゃなかったのかっ!!」と激昂して叫ぶシーンがあるんですが、
これも、それまでの流れからすると、すずってこんな風に思って暮らしてたんだっけ?と
なんとなく、すずのキャラじゃない気がして「あれれ?」と思った次第です。
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