12月某日。
前夜からの雨はようやく上がった。
朝出かけに車のフロントガラスを見ると雨粒がぎっしりと付着している。
撥水剤を塗布したようになっているガラス面を見るとどうもおかしい。
無精な俺がわざわざガ○コなんてこまめに塗るわけがない。
よくよく見るとガラスに付いた水滴が凍結したままの状態なのだった。
帰宅後に今年1番の冷え込みだったと知ったがどうりで寒い筈だ。
即座にもう期限が切れて使わなくなったスタンドのカードを霜取り用に掻く。
カーショップでも同様の便利グッズは売られているだろうが大きさ、薄さ、手軽さなど
俺にとっては最も使いやすいスグレモノである。
先週徐々に寒くなってきたのもありスタッドレスにタイヤを交換済みだ。
種類も豊富に出ておりどれにするか迷うとこである。
あちこちで聞いた評判はやはりBS社というのが良いようだ。
何と言っても日本最大、いや世界でもトップクラスのメーカーである。
BSタイヤは前車のミニバンで使用しており直進性、耐摩耗性とも申し分ないのは経験済だ。
単なる俺の気ままさからだが実は今回は別のメーカーにしようと考えていたのだ。
ステーキや刺身が旨いのは当然だがラーメンやお茶漬も捨てがたいてな気分みたいなもの。
とはいえ海外格安メーカー品を試す勇気もない小市民でもある。
そうなりゃ候補は国内(製造)販売品となり限られてくる。
ヨコハマ、ダンロップ、グッドイヤー、ミシュラン、トーヨー辺りになります。
調べてみると先にも書いたようにBSのブリザックの評価が良く、
その中でも3年前に発売されたレボGZがダントツ性能で当然ライバル各社のベンチマークに
なっているのが判明した。
今年BSに対抗すべく新発売されたのはY社アイスガードIG5、M社エックスアイス3、D社ウィンターマックスの3種でありこの中から選ぶ事にする。
今期の発売で試乗記もあまりなかったが勘的に1番少なそうなD社にする天の邪鬼な俺なのであった。
今日の寒風吹きすさぶ中、何の因果か六甲アイランドに仕事に向かう。
聞こえだけは非常に心地の良い響きの名前だ。
神戸市の沖合に埋め立てて造られた人工島で中央部にマンションやホテル、勿論病院や
学校等の施設もあり都市生活をおくる為の街となっているのであるが、
そのロケーションから外周部にはフェリー乗り場、コンテナヤード、貨物倉庫などが点在する
どう見ても全周大規模波止場みたいな所だ。
当然俺が向かうのはこちらの方ね。
この島の西側、目と鼻の先には似たような人工島でポートアイランドというのもある。
こちらは30年ほど前に万博が催されたのもあり関西以外の者でも覚えている者も多いだろう。
ここには博覧会と前後して開場されたポートピアランド(遊園地)があったが長引く不況や
その後に出来たユニバーサルスタジオに客を奪われ閉園となってしまったのは
デートコースの定番だった俺にとって青春の思い出の地がまたひとつなくなり淋しい限りだ。
悪い癖で話が逸れてしまった。
感傷に耽っている場合ではなかった、元に戻そう。
六甲アイランドへ阪神高速湾岸線を使うのは新しいスタッドレスの性能を試す
絶好の機会になる。
全て標準装備の夏タイヤBSのTURANZAとの比較で純粋なスタッドレス評じゃないからね。
タイヤサイズは純正ホイール装着の為215/55/17のままだ。
運転も通常の街乗りプラス100キロ程度の高速巡航の比較的おとなしい走りと考えてもらいたい。
走り出してすぐに気づくのは55扁平とは思えないマイルドな乗り心地だ。
BSより非常に良い。
音も静かだ、これもBSより優れている気がする。
直進性も申し分ない、こちらはBSと同等か。
グリップ力に不満はないがややBSより落ちる感じ、まあ夏タイヤと比べては可哀想か。
それにしても最新のスタッドレスは乾燥路面でもたいしたものである。
何の不満もないと書きたいのはやまやまであるが1点課題が残った。
それは横風に対するふわつき感だ。
湾岸線は海上にせり出したような位置にあり、それも通常の高速道の高架より脚が長いのだ。
つまり高層ビルの様な高さのある道路なのだ。
高速の周辺にビルなどの建物や山なんかがあれば感じないのだろうが、
何もないような景色は歳を行ってから若干高所恐怖症になった俺にとっては
仕事でなければ走りたいとは思わない。
加えて途中強風により50キロ規制が出るような条件での感想だとお断りしておかねばならない。
100キロ前後の巡航では両手で常にステアリングを保持してなければ不安で仕方ない。
こういう特殊な気象条件だったからBSだったとしてもどうかは判らない。
などとダラダラ、ツラツラ書き綴ってはみたものの正直本音は全く違うのも告白しておこう。
北海道や東北、地方の豪雪地帯の方には切実な思いもあるだろうが、
年に何回雪に降られるか降られないか降られない地域に居住する身としては、
メーカー品であればどこのスタッドレスでもまず違いは感じないように思う。
メールとネットサーフィンしかしないPCユーザーがCPUやグラフィックボードの高級品に拘ったり、
万年三桁のゴルファーがプロスペックのクラブを使っているような気になる。
普段の日常であれ趣味嗜好であっても己の身の丈に合った生活をしなけりゃならないなんて
猿でもする反省をしつつ今日の所は終わるとしよう。
コメント
- 北のはげおやじ [2012年12月15日 13:24]
- 関西のお住まいの方でも、スタッドレスタイヤに交換するということを最近知りました。
スタッドレス
性能は、初期のものと比較すると格段に性能が良くなっていると思います。
30Kmくらいで慎重に運転しながら、赤信号を確認してブレーキングしたが、なかなか止まってくれず、交差点の真ん中近くまでいって止まりそうになったため、クラクションを鳴らしながら直進した経験がありました。 - 車好きオヤジ [2012年12月15日 14:16]
- はげおやじさん。
関西と言っても大阪や神戸だけでなく北但の篠山とか和歌山の山間部なんかは降雪地帯です。
ただうちの処はいたって平穏です。
先のそちらの爆弾低気圧なんかを見ていたら何だか馬鹿らしい悩みに思えてきますわ。 - settai [2012年12月15日 20:21]
- こちらでもスタッドレスはBSが一番売れているようです。
ただし最近のスタッドレスの性能は善し悪しが有るにしても各社それほどの差がある様には感じません。
先日紹介した私の社用車のスタッドレスはT社でマイカーはBSですが、どちらも別に不満はありません。
差は新しいタイヤかどうかだけだと思います。(当たり前か!笑)
でもいつもながら面白い文章をお作りになりますね! - 車好きオヤジ [2012年12月15日 20:56]
- settaiさん毎度です。
雪やアイスバーンのほとんどない今の当地の状況では
スタッドレスに拘る虚しさを感じますね。 - はやてこまち [2012年12月16日 19:13]
- こんばんは。
年に数回の積雪と同じく年に数回のスキー場程度なので小生もある程度のコスパ(コスチュームパーティーではありまへんで)
は大事だと思います。
「そなえあればうれいなし」だと思ってます。 - 車好きオヤジ [2012年12月16日 19:58]
- はやこまさん。
なるほどコスパは大切ですね。
それよりパーティの方に興味が惹かれそうっすが。 - 北のはげおやじ [2012年12月16日 22:24]
- 年に何回もない降雪の為にスタッドレスをはくのなら、降雪があった時には自家用車の使用を諦めれば済むことのように思います。それなのに、高いお金をかけてスタッドレスに履き替えるのには、別な理由があるのでは?
- 車好きオヤジ [2012年12月16日 22:38]
- はげおやじさん。
発想が逆ですよ。
昔のスノータイヤではなく今のスタッドレスは乾燥路面でも夏タイヤと同等に使えますから
12月~3月まで使用して4月~11月まで夏タイヤを使います。
ゴムの硬化とか心配するまでに走行距離での摩耗が早いでしょう。
つまりガソリンと同じく消耗品と考えているからなのです。
一般の方より距離を走るのに加えて結構(仕事ですが)あちこちに行くのもありますけどね。 - 若隠居 [2012年12月20日 6:03]
- 私がスタッドレスに替えて良かったのは
ゴツゴツがなくなって
滑らかになったことです。
16インチにしたことが大きいのか
どちらでしょうか。
17インチのままでも
ゴツゴツが減っていますか?
座骨神経痛には重要問題です。
あんまり乗り心地が良いので
このまま1年通して履いていようか、とさへ
思っています。 - 車好きオヤジ [2012年12月20日 8:01]
- 若隠居さん。
ゴツゴツどころか非常に滑らかです。
タイヤひとつでこれほど変わってしまうものかと思いますね。
不謹慎かも知れませんが多少の積雪や凍結なら早く来いと思っちゃいます。 - 若隠居 [2012年12月20日 21:16]
- 17インチでも、滑らかになるんですね。
以前、夏タイヤ、BSのGR-XTが話題になりました。
松井秀樹さんが「変わった。ゴツゴツが改善された」と言ってました。純正タイヤが摩耗したら、必ず変えようと思います。 - 車好きオヤジ [2012年12月21日 8:12]
- 若隠居さん。
おそらくコンパウンドの関係でしょうがスタッドレスの方が夏タイヤより乗り心地は良いと思います。
当然摩耗は早いでしょうがね。
GR-XTは高級コンフォートタイヤとして評判は良いみたいですが、
当方の性格上次の夏タイヤはおそらく別ブランドを選択しそうです(笑)!
あなたのブログにコメント投稿されたものです。