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アルツハイマー病の症状と要因 予防法と対処法・医薬品

2010年05月03日 | 健康
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 老人斑とアルツハイマー病
 アルツハイマー病の特徴の一つとされる脳の「老人斑(アミロイド斑)」がなくてもアルツハイマー病の症状が起きることを、大阪市立大などの研究チームがマウスで実証した。老人斑を抑制するだけでは有効な予防や治療にならない可能性がある。米神経科学会誌(電子版)に掲載された。

 老人斑はアミロイドベータ(Aβ)というたんぱく質が繊維状につながったもので、アルツハイマー病の原因の一つと考えられている。だが、実際の患者の症状の重さと老人斑の数が比例しなかったり、老人斑がなくても発症するケースがヒトで報告されている。

 富山貴美大阪市立大准教授(脳神経科学)らは、患者の脳では老人斑だけでなくAβの分子が数個~数十個集まった「重合体」も蓄積されていることに着目した。

 そこで重合体はできるが老人斑はできない遺伝子改変マウスを作製。8カ月ごろからAβの重合体が目立って増えた。それに伴い、記憶中枢である海馬では神経細胞が減少し、平均寿命に近い24カ月(ヒトの80歳程度)では普通のマウスの半分近くになった。

 プール内の休憩場所を覚えさせる記憶テストでも、8カ月の遺伝子改変マウスは同月齢の普通のマウスが1週間程度で覚える課題をこなせなかった。チームはこうした症状から、老人斑のないマウスもアルツハイマー病を発症したと結論づけた。(asahi.com 2010年4月13日)

 アルツハイマー病の初期症状
 年齢とともに誰しも心配になる、アルツハイマー病・認知症。ここではアルツハイマー病の初期症状、アルツハイマー病の要因、アルツハイマー病を防ぐ食品、薬品について調べる。

 アルツハイマーや認知症などの初期症状にはどんなものがあるのだろう?

 アルツハイマー病には次のような初期症状がある。
 同じことを何度も言ったり、聞いたりする。慣れている場所で道に迷う。財布やお金を盗まれたと言って騒ぐ。以前より身だしなみがだらしなくなる。夜中に起き出し、騒ぐ。物をどこに置いたのか、どこに片付けたのか忘れることが多くなる。 簡単な計算の間違いが多くなる。 物の名前が出てこなくなる。水道の蛇口や、ガス栓の締め忘れが目立つようになる。ささいなことで怒りっぽくなる。時間や日付が不確かになる。日課をしなくなる。以前はあった関心や興味がなくなる。以前よりもひどく疑い深くなる。薬の管理ができなくなる。 テレビドラマの内容が理解できなくなる...など。

 このような症状に本人、もしくは家族や周囲の人が気づいた場合、早急に病院で診断・検査を受けたほうがよい。初期症状でアルツハイマーに気づけば、軽度認知障害の場合、治る可能性もある。

 その後症状は階段状に進行(すなわち、ある時点を境にはっきりと症状が悪化する)。症状経過の途中で、被害妄想や幻覚(とくに幻視)が出現する場合もある。暴言・暴力・徘徊・不潔行為などの問題行動(いわゆる周辺症状)が見られることもあり、介護上大きな困難を伴うため、医療機関受診の最大の契機となる。

 アルツハイマー病の危険因子
 アルツハイマー病は、年齢が高くなればなるほど発症率が高くなる。現在、アルツハイマーの平均発症年齢は52才である。65歳以上になると急激に発症しやすくなり、65才以上の20人に1人は発症すると言われている。年齢以外には、どんな危険要因がアルツハイマー病に関係するのだろう?

 年齢以外には、家族歴、ApoEe4などの遺伝子型、高血圧、糖尿病、喫煙、高脂血症、食生活、運動習慣、知的生活習慣などが危険因子である。

 たとえば、アルツハイマー病罹患リスクは、糖尿病患者では1.3 - 1.8倍に、特にApoEe4アリルが伴う糖尿病の場合は、5.5倍に増加すると報告されている。

 食習慣では、魚(EPA・DHAなどの脂肪酸)の摂取、野菜果物(ビタミンE・ビタミンC・βカロテン・葉酸など)の摂取、赤ワイン(ポリフェノール)の摂取などがないとアルツハイマー病のリスクは高くなる。1日に1回以上魚を食べている人に比べ、ほとんど魚を食べない人は本症の危険が約5倍であるというデータがある。

 運動習慣がないとアルツハイマー病のリスクは高くなる。有酸素運動で高血圧やコレステロールのレベルが下がり、脳血流量も増すためだ。ある研究では、普通の歩行速度を超える運動強度で週3回以上運動している者は、全く運動しない者と比べて、発症の危険が半分になっていた。

 知的生活習慣がないとアルツハイマー病のリスクは高くなる。テレビ・ラジオの視聴、トランプ・チェスなどのゲームをする、文章を読む、楽器の演奏、ダンスなどをよく行う人は、本症の発症の危険が減少するという研究がある。

 たばこは、発症の危険性を高める。自らタバコを吸う(能動喫煙)だけではなく、非喫煙者であってもタバコから出る有毒物質(受動喫煙)の影響を受け発症率が高まる。

 また、睡眠不足もアルツハイマー病のリスクを高める。アルツハイマー病は、脳内でのアミロイドベータ (Aβ) の蓄積が考えるれているが、アメリカワシントン大学などの研究チームの、2009年に行ったマウスを使った実験で、睡眠中Aβが減少し、起床中に蓄積するということを明らかにした。。

 アルツハイマー病を防ぐ方法・医薬品
 アルツハイマーの要因から逆に、アルツハイマー病を防ぐことができる。
 食習慣では、魚(EPA・DHAなどの脂肪酸)の摂取、野菜果物(ビタミンE・ビタミンC・βカロテン・葉酸など)の摂取、赤ワイン(ポリフェノール)の摂取などが必要である。

 運動習慣は、有酸素運動に効果がある。血液の循環がよくなり、高血圧やコレステロールのレベルが下がり、脳血流量も増す。

 知的生活習慣はテレビ・ラジオの視聴、トランプ・チェスなどのゲームをする、文章を読む、楽器の演奏、ダンスなどをよく行うことで脳内の血流がよくなる。

 また、たばこはは吸わず、よく眠るなど、ごく当たり前の健康的な生活をすることが大切である。

 アルツハイマー病の薬としては、近年の研究から、漢方方剤である「抑肝散」が、進行したアルツハイマー型認知症で起こる妄想や、徘徊(はいかい)、暴力などの抑制に効能があることが知られている。

 エーザイにより開発された、アセチルコリン分解酵素阻害薬、塩酸ドネペジル(商品名アリセプト)が認知改善薬としてアルツハイマー型認知症を中心に使用されている。日本では1999年に薬価基準に収載され保険診療にて使用されている。
 また、塩酸メマンチンは、中等度・重度アルツハイマー型認知症の改善薬としてEUおよびアメリカで使用されている。日本では臨床試験中である。

 

参考HP Wikipedia「アルツハイマー型認知症」「認知症」・治る.com 「アルツハイマー病(AD) 

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長谷川 和夫
中央法規出版

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