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「放流やめて!」 日本に熱帯魚が生息する「タマゾン川」とは?

2010年05月18日 | 環境問題
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 おさかなポスト
 東京と神奈川の境界を流れる多摩川の中・下流域で、外来魚が次々と見つかっている。観賞魚ブームを背景に飼育しきれなくなって捨てられ、越冬するケースもあるという。見かねた地元住民は、魚を引き取って飼育先を探す「おさかなポスト」を設置、放流しないよう呼びかけている。人間のエゴが生んだ珍現象を追った。

 おさかなポストがあるのは、多摩川沿いの稲田公園(川崎市多摩区)。川崎河川漁協総代の山崎充哲(みつあき)さん(51)が2005年、漁協のいけすの一角に設置した。

 ポストは奥行き7メートル、幅4メートル。胴長姿の山崎さんが先のとがった口をつかんでその魚を引き上げると、1メートルはある巨体で水面をたたいた。北米原産の古代魚・ロングノーズガーパイク。1匹は2月に網にかかり、もう1匹はポストに“投函(とうかん)”された。ノコギリのように鋭い歯は、ナイロンの網さえ引きちぎる。

 「多摩川は外来魚のデパート。アマゾン川をもじって『タマゾン川』とも呼ばれている」。山崎さんは嘆いた。スポッテッドガー、グッピー

 多摩川に熱帯魚
 高度成長期に家庭排水の垂れ流しで水質悪化が深刻化した多摩川。下水処理場の整備が進んだおかげで水質が改善し、10年ほど前からアユが遡上(そじょう)するようになった。一方で、熱帯魚なども見られるようになった。処理水の大部分は温かい家庭排水で、川の水温も上昇。環境の変化も生息を後押しする。

 山崎さんが捕獲した外来魚は、グッピーやエンゼルフィッシュといった代表的な観賞魚から、ピラニアやアロワナなど約200種に上る。一部は繁殖し、水温が比較的高い処理場付近で越冬しているとみられる。

 おさかなポストには、春の引っ越し時期を中心に年間約1万匹が寄せられるという。山崎さんが自宅でいったん保護した後、趣旨に賛同したポストの会員や学校に引き取ってもらう。

 それでも放流は後を絶たない。ガーパイクがつがいで泳ぐ姿も確認され、体内からアユも見つかった。国内では確認例がほとんどなかった病気も出ている。「ガーが大繁殖するんじゃないかと心配だ」

 捨てられるペット
 世界各地から数百種の魚を輸入、販売している都内最大級の観賞魚専門店「トロピランド町屋店」(荒川区)。600本の水槽が並ぶ店内では、いけすで暴れたガーパイクの仲間のアリゲーターガーパイクが、1980円で売られていた。まだ10センチ弱の稚魚だが、値札には「軽く1メートルを超すので、ゆとりをもって大きな水槽で飼いましょう」と注意書きもある。

 店員の太田智之さん(35)によると、一部の観賞魚は飼育が難しいことを口頭でも説明しているが、客の責任感は薄いという。「多くの人はインテリアやアクセサリー感覚。絵画のようなものだ」と肩を落とす。

 では、飼うのをやめるときはどうするのか。関係者は「水洗トイレに流したり、生ゴミと一緒に捨てたりする人もいるが、そうできない人は、川にこっそり流しているようだ」。

 8日午後7時、山崎さんの携帯電話が鳴った。「飼えなくなった魚を引き取ってもらえるんですか」。3時間後、川崎市の小田急生田駅で落ち合うと、学生風の男性が青い発泡スチロールの箱を抱えていた。中には体長約30センチの外国産ナマズ。男性は「水槽も小さくなって、これから引っ越しもある……」と話した。「安心して」と声をかけると、男性は涙を浮かべた。

 最近は不況やリストラによる転居で、ポストを使う人も目立っているという。「ペットがかわいそうだからといって、放流するのは『無知なる善意』だ」。子どものころから多摩川で遊び、アユの遡上を喜ぶ山崎さんは語気を強めた。

 おさかなポストの利用は無料。ただ、熱帯魚はそのまま入れると死ぬ可能性もあるため、山崎さんは事前に電話連絡(090・3209・1390)を求めている。

 引き取りシステム確立を
 熱帯魚の輸入が盛んになったのは、1960年代から。当初は飼育機材も高いため富裕層の趣味にとどまっていたが、1990年代にブームが到来。熱帯魚が主人公のディズニー映画「ファインディング・ニモ」(2003年)で人気に拍車がかかった。低価格化などにより、近年は「子どもがお年玉で飼い始める」(専門店)ほど愛好家のすそ野が広がっている。

 放流問題を受け、卸売業者などでつくる「日本観賞魚振興会」は2007年から観賞魚の引き取り事業を始めたが、小売店の協力は十分得られていないのが実情だ。

 市販の観賞魚は、ブラックバス(オオクチバス)のように在来種の生態系を損ねる「特定外来生物」に指定されていないため、法的に飼育や放流の規制がない。環境省は「実害の報告はほとんどない」として、河川に生息する観賞魚の実態調査はしていない。

 外来魚問題に詳しい東京海洋大の丸山隆助教(魚類生態学)は「飼育には倫理上の責任も伴うのに、本来は生き物を趣味にしない人まで観賞魚ブームに乗った。放流は現実逃避の手段だ」と批判。「民間業者の引き取り事業には強制力がなく、うまくいかない。行政も協力しシステムを確立すべきだ」と話す。(毎日新聞 2010年5月16日)

 多摩川の貴重な干潟環境
 多摩川(たまがわ)は、山梨県・東京都・神奈川県を流れる多摩川水系の本流で一級河川。東京都と神奈川県の県境としての役割も担う。県境全長138km、流域面積1,240km²。堤防はあるものの、首都圏の一級河川でありながら護岸化されていない部分が多く、川辺の野草や野鳥が数多く見られる自然豊かな河川である。

 この河口付近では、かつては海苔の養殖や貝捲き漁が盛んに行われていた。 高級海苔の代名詞として呼ばれた「浅草海苔」は、かつて養殖されていた浅草付近の市街地拡張に伴い養殖漁業が周辺地域に移っており、18世紀初頭には品川・大森での養殖が盛んであったが、河口付近では明治 4年に大師河原(現在の川崎市川崎区)で養殖が始まり、産した海苔は「大師のり」と呼ばれ高級浅草海苔として取引されたという。

 また、河口付近の遠浅の海ではアサリ、ハマグリ、バカガイ(アオヤギ)が大量に獲れ、羽田・大森ではウナギ、カレイ、コチ、ギンポ、アイナメ、エビなどが水揚げされる、豊かな漁場であった。

 ところが、昭和になると京浜工業地帯の一角として鶴見寄りから進められた埋め立てが河口付近まで及ぶとともに、工場廃液による海の汚染が進み、昭和30年代になると獲れた魚が油臭くて買い手がつかなかったという。また昭和44年になると多摩川河口付近でも埋立計画が立ち上がったことを受け、河口付近の沿岸漁業は昭和48年に漁協が漁業権を手放すことで終焉となった。

 しかし、今なお多摩川河口には僅かながらも貴重な干潟環境が残っている。 こうした環境は、今や東京湾内では当地のほかに三番瀬、谷津干潟、盤洲干潟(小櫃川河口付近)、富津干潟など限られた地域に残るのみであり、しかも東京湾内の西岸では唯一の天然干潟でもあることから2000年代に入ってから詳細な調査が進められており、「日本の重要湿地500」に選定されるなど希少かつ貴重な環境として認識されている。春秋の渡り期の種数・個体数が比較的多い。RDB種のセイタカシギが記録されている。 (Wikipedia) 

 

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