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風雲急を告げる!北朝鮮魚雷・普天間基地問題と中国軍事演習

2010年05月22日 | 環境問題
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 北朝鮮の魚雷問題
 日本を巡る国際環境が混沌としてきた。ここ数ヶ月で今後の日本に大きな影響がありそうなので、現時点での状況を把握しておきたい。

 北朝鮮の魚雷による、韓国の哨戒艦沈没事件がほぼ明らかになった。一方、北朝鮮の国防委員会は声明で、調査結果を「捏造(ねつぞう)」と決めつけ、制裁などに対しては「全面戦争を含む強硬措置」で応えると宣言した。

 金正日(キム・ジョンイル)総書記はこの事件の後、中国に訪問し中国首脳らと会談した。5月6日付の英紙フィナンシャル・タイムズ・アジア版は、昨年実施したデノミネーション(通貨呼称単位の変更)の失敗や、韓国の哨戒艦沈没事件などを受け、金正日総書記は中国からの「経済、政治的な支援を補強しようとしているようだ」とする専門家の分析を紹介した。以前から、中国と北朝鮮の親交はあきらかである。

 韓国の金泰栄(キムテヨン)国防相は、韓国哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没原因を北朝鮮の魚雷攻撃と断定、「北朝鮮に対し応分の代価を支払わせる」と語った。韓国の李明博(イミョンバク)大統領は、国家安全保障会議を招集し、「天安」沈没問題を国連安全保障理事会に提起する。

 日米両政府も、日米外相会談などを通じた協調対応を本格化させる。鳩山首相も、来日するクリントン米国務長官との会談し「北朝鮮に対してどういうメッセージを出すかということになる」と述べ、国連安全保障理事会の制裁決議をにらみ、共同歩調をとる考えを示した。

 しかし、見通しは明るくない。国連の常任理事国である中国が賛成するはずがないからだ。国連も終戦後65年たち、世界の情勢は大きく変化した。現実に即して有効に機能しなくなっている。見直す時期が来ていると思う。

 一方、沖縄の米空軍嘉手納基地は最新鋭ステルス戦闘機「F22」12機が来週後半、米本土から同基地に派遣されると発表した。ここにきて沖縄の米軍基地の重要性が再認識されている。



 普天間基地移設問題
 5月21日、クリントン米国務長官は都内で岡田克也外相と会談した。米軍普天間飛行場の移設をめぐり、クリントン氏は名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸部に移設する現行案を軸とする解決を重ねて要求。岡田、クリントン両氏は5月末決着に向け努力する方針を確認した。

 社民党の福島瑞穂党首は同日の会見で、辺野古周辺を埋め立てる案が閣議で提示された場合、署名を拒むと明言。平野博文官房長官は、日米合意前に与党党首級の基本政策閣僚委員会を開く意向を示したが、与党内の了解を得る見通しは立っていない。

 クリントン氏は現行案を念頭に「米軍の運用上有効で、政治的にも持続可能な解決策を追求している」と強調。「基地のある地域社会のインパクトを最小限にとどめたい」とし、地元合意の重要性を示唆した。

 岡田氏は5月28日に発表する方向の合意文書について「大きな方向性を見いだしたい」と表明。会談後の会見で「まず日米間で合意案をつくり、その上で沖縄の皆さんに理解してもらう努力をする」と、日米政府間の合意を優先させる考えを示した。

 鳩山由紀夫首相も同日、官邸でクリントン氏と会談。首相は、韓国の哨戒艦沈没を踏まえ「北東アジアが緊張している現在こそ、日米同盟が重要だ」と月内合意の重要性を指摘した。会談後、首相は記者団に、訓練の県外分散移転に関し「沖縄の過重な負担を極力国民で分かち合うことが大事だ」と指摘した。(沖縄タイムス 2010年5月22日)

 日米同盟の重要性
 ようやく鳩山首相もアジアの緊張関係に気がついたのか、日米の同盟関係の重要性を述べていたが、今さらという感じがする。彼は首相になる前は「なぜ独立国である日本に、米軍基地があるのかわからない」というから、国際感覚のない首相を我々は選んだことを後悔せねばならない。

 国家のリーダーたるべき総理大臣が、沖縄の過重な負担を気にされるのは結構なことだが、まずは国の過重を気にしていただきたい。米国の「TOYOTA」叩きは、態度のはっきりしない日本への報復である。温室効果ガス25%削減目標も素晴らしいが、我が国の経済界は、この過重な目標のために悲鳴を上げている。  

 ここにきてようやく、岡田外相も「まず日米間で合意案をつくり、その上で沖縄の皆さんに理解してもらう努力をする」と、日米政府間の合意を優先させる考えを示した。憲法9条のため自前で軍備を持てない日本にとって、日米関係の堅持が最優先事項である。国の存続が危ぶまれる状況があるのに、沖縄普天間基地の県外移設は二の次であると思う。

 不可解なマスコミ報道
 話を少し前に戻す。4月12日、普天間基地の問題で、バラク・オバマ米国大統領は、米国ワシントンで鳩山首相と非公式で会った。「昨年11月の会談で、私を信じてほしいと言った。しかし何の進展もない。最後まで実現できるか」と極度の不信感を示した。
 
 こうした状況の中で不可解な現象が起きた。それは4月5日中国で、日本人4人が覚醒剤の密輸の罪で死刑判決を受け、刑が執行された前後、中国の港を出港した10隻の艦船が、4月10日ごろ沖縄本島と宮古島の間の公海上の、排他的経済水域を白昼堂々と横切り、東シナ海から、太平洋に達し11日洋上補給を行った。

 この沖縄の米軍基地問題を決める、重要な時期に、重要な中国の問題行動が沖縄近海で起きているのに、マスコミはこのことを一切報道しなかったのである。

 防衛省はこのことをしっかり報道したが、マスコミは一切ニュースにしなかった。この意味が分からない。私も最近、人に聞くまで知らなかった事実である。Googleで検索してみても、このことを取りあげたのはジャーナリストの「櫻井よしこ」氏ぐらいであった。なぜマスコミは、国民に正確な情報を知らせなかったのであろうか?

 報道すれば、沖縄の基地問題なんか1秒でケリがつくではないか。櫻井氏は自身のブログで、次のように述べている。

 中国の太平洋軍事演習の意味
 中国艦隊は10日に沖縄本島と宮古島の間を通過したが、7日から9日までの間、東シナ海の中部海域で艦載ヘリの飛行訓練を行った。日本近海での軍事活動であり、当然、海上自衛隊は護衛艦2隻とP3Cを派遣し、監視体制を敷いた。

 すると、中国海軍のヘリが低空飛行で海自の護衛艦に異常接近した。その距離、わずか90メートル、高さは30メートルで、護衛艦のマスト近くに迫った。完全に侮っているのである。これが、世界第二の軍事大国にのし上がった中国の、現時点における実相である。そして、力のない国は、中国が以降、常に行うと宣言しているこの種の傍若無人の振舞いに耐え続けなければならないということだ。

 ここに至るまでに中国がどれほどの軍拡を重ねてきたか。軍事情報が不透明なために、正確には把握出来ないが、日本の防衛予算がGDP(国内総生産)の1%未満であるのとは対照的に、中国は少なく見積っても3~4%である。中国の軍事費は発表数字の2~3倍と見られており、実際にはもっと膨大な予算が注ぎ込まれている。過去21年間、2桁の伸びを続けた中国の軍事費は現在、21年前の実に22倍に膨れ上がった。

 中国の長期戦略
 留意すべきは、この異常なる軍拡が明確な戦略に基づいて推進されてきたことだ。防衛政務官の長島昭久氏が指摘する。

 「1980年代に、小平の右腕の中国海軍提督の劉華清が長期戦略を打ち出しました。まず、沖縄諸島から先島諸島、台湾、フィリピン、ボルネオに至る線を第1列島線と定義し、2010年までにこの海域から米軍の影響力を排除するというものです。次に、2030年までに空母部隊を完成させ、小笠原諸島からグアム、サイパン、パプアニューギニアに至る第2列島線の海域の制海権を確立する。さらに、2040年までに、西太平洋とインド洋から米国の支配権を削ぐというものです」

 「中国はこの長期計画から外れることなく、人類史上、どの国も行ったことのない凄まじい軍拡に邁進してきた。それぞれの目標は、達成時期は多少遅れがちながらも着実に実現されてきた」と、長島氏は語る。

 日本列島が存在する西太平洋、日本の生命線であるシーレーンが通るインド洋を、確実に自分の海にするという大目標を具現化しつつある中国の前で、日本がなすべきことは余りにも明らかである。それはいま根本から揺らいでいる日米同盟を立て直し、日本の防衛力を強化する具体策を打ち出し、実行することだ。(櫻井よしこブログ 「日本は即備えよ、中国海軍の脅威」)

 

参考HP 防衛省「中国海軍艦艇の動向」・櫻井よしこブログ「日本は即備えよ、中国海軍の脅威」 

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