第9作目は、礫川雪ノ短且(こいしかわゆきのあした)です。
東京都文京区春日二丁目・北野神社
解説は、「葛飾北斎 富嶽三十六景 解説付き」から引用しました。
礫川は、(小石川文京区)のことです。また、「雪ノ且」の且は旦の誤りだと 思われます。
小石川のあたりでも特に眺めのよい茶屋。
夜来の雪がやんで一面の銀世界と変わり、富士も家並みも雪化粧となりました。
二階座敷の人々も一面の雪景色に感嘆の声をあげています。
女の指さす空には、三羽の鳥に天空を舞わせることで画面に彩を与え、遠近感を表しています。
北斎の「冨嶽三十六景」中、唯一の雪景色です。
北斎の「冨嶽三十六景」中、唯一の雪景色です。
少しアップしました。
建物の中を覗いてみました。
原画です。
雪景色は、確か広重の蒲原でもありましたが、美しくなりますね。
ただ、緑の上に白を重ねるのでとても時間がかかりました。
今回は、制作時間の半分は雪化粧でした。
2階の望楼に6人の人物を入れるスペースを先に作りましたが、そのため、左下の家屋が寸足らずになってしまいました。
後は、絵の下側にあるボカシですっぽりとごまかして完成させました。
画像を大きく拡大して見てもやっぱり紙紐でできている!
う~ん、すごいな、と‥見惚れてしまいます。
それに日本画はぺったり平面的、それをよくこう立体に作られるなぁ~、と。
2枚目の画像だとより立体感がわかるので好きです!
紙なのに全体で見ると雪に見える!ただただ、すごい!です。
なんせ、相手は北斎ですので。
お言葉を励みに、次作も頑張ります。
書き忘れましたが、次作は「東都浅草本願寺」で、何とも表現できない風景になっています。
ご心配ありがとうございました。
疲れは一時、一晩寝たら回復するのも若い間で、今日はマッサージに行ってレフレッシュします。
雪景色は広重で習得しましたので、来た来たという感じでしたね。
でもね、次の浅草寺の絵を見て思案中なのです。
細かい事を言ったら『立体と風景のバランスが見事「風景を立体に」』とか『左手前に細かいところと右奥の富士山とが…絶妙な距離感を出していて…巧い!』とか『雲を周りの枠として表現してスペース的に活かしている』とかとか
…いろいろ見るほど、『あ、これいいなぁ~』の連続だったりします。
ash様やゆきママ様の仰る通り、『紙紐で作った』という細部よりも先に『いい!』が出てくる作品、
『見事です!…良い作品、魅せて頂きました…閑斉様に感謝!』
大谷君が初ヒットを打ちましたね。
お金より夢を実現させた彼にエールを送っています。
今回は、皆さまからの励ましの言葉で、だんだん達成感が湧いてきました。
一人で悦に入っているより、何倍も元気になります。
もちろん、北斎が立派な訳でして、こちらは平面を立体に逆投影するだけの作業。
とは言え、描かれていない部分をどうするかが、悩みと楽しみでもあります。
折師様のご活躍は読ませていただいても追随不可能、パトカーが追跡を諦める心情です。
それでも、ますますのご活躍を、祈念しています。