空耳 soramimi

あの日どんな日 日記風時間旅行で misako

「きりこについて」  西加奈子  角川文庫

2014-07-24 | 読書
 


 
午前中から暑くて、と言うより起きたらもう暑くて参ってしまいました。洗濯物を干していると、庭にチラチラと白いものが。ヤッタネ今年もミョウガの花が咲いていました。休日のお昼、「そうめんは今でしょう」といって茹でていて、「アレ今年はミョウガがさぼってない?遅いね」と言っていたところでした。サボっていたのは、暑いので外に出たらすぐに跳んで入っていた誰かでした。
さて、ミョウガも収穫して、こういうときはクーラーの効いた車がいいと気がつき、免許証の更新にいってきました。
手続きをすませ、ついでに買い物をして、帰ったら丁度お昼になったのです。


忘れないうちに「きりこについて」一言。感想は一応独り言風なので口調が違います(笑)

きりこはぶすなのだ。ぶすという文字は全部太字にするほどとびっきりのぶすだが、両親は美男美女で、悪いところばかりとって生まれたと人は言う。でも親は繰り返すが、美男美女なので醜いという意味が実感できていない、世間とは美醜の基準が違う上に、わが子はとっても可愛いと思い、可愛いを連発しながら育てた。
だから本人はもちろん自分は可愛いと思っていた。
初恋をして、思い切って告白の手紙を書いた。
その頃、捨て猫だった真っ黒い猫を拾って、ラムセス2世と言う名をつけて可愛がっていた。
この猫はまた飛び切り賢くて、きりこが書いた手紙の文章をなおしてくれたりする。ピンクの手紙を彼の靴箱に入れておいたところ、友達に見つかり、はやされ、彼からは「ぶすとは付き合わない」と手ひどく断られる。
手紙がピンクなら洋服も振り振りの付いた可愛こちゃんスタイルで決めている。
入園式も入学式もそれで参加して話題になったが、可愛い子はこうでなくてはと思っている。
ぶすと言われて、初めてきりこは自分はぶすなのかと気がつく。
そして、拒食症になって眠り続けたり、目が覚めて過食症になったりしながら、ついにはおおらかに自分を認めて育っていく、と言うとてもいい話だった。

世間体など気にしない両親がいい。きりこがどんな時でも受け入れて可愛がる。
ぶすという言葉がただの言葉であることを証明する生き方がカッコイイ、拍手したくなる。
賢いラムセス2世も負けてはいない、近所のねこ仲間を束ねて、悠々と暮らし始める。

きりこは、自分がぶすだと知ってからも、様々な生活を送っていた恵まれない友人たちまで巻き込んで、悩める気持ちは楽に、生きることを楽しくしてしまう。もちろん又フリルの付いた服で決めている。
という本だった。




ミョウガの花、半分は梅酢に漬けます。






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コメント (2)
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