映画を評す際、「入場料の元は取っている」とか「金、返せ!」とか、立場上いえなかったりする。
試写会で新作に触れることが多くなったから。
もちろん公開1年前くらいから期待している映画―スコセッシやリンチの新作―などは、敢えて試写状を周囲に譲り、初日に当日券を購入して対峙するよう心がけているが。
そんな自分の今年最初の仕事は、都内の映画館めぐりだった。
上映されている映画には触れず、劇場の入りを調査するという内容。
人数だけでなく、男女比率や世代、ひとりか複数かをチェックし、レポートにして依頼主に提出すると。
渋谷⇔六本木⇔新宿⇔銀座を中心に、愛車で行ったり来たり。
映画と自転車という、自分の大好きなアイテムに囲まれ、なんと幸福な映画チャリ小僧かと自分でも思う。
これで仕事上がりに脚美人が膝枕を提供してくれたら、その場で殺されても構わないよね。
いや、マジで。
上映されている映画にパンチがない? ためであろう、新年早々ガラガラ―という劇場もあるにはあったが、概ね盛況である。
ただ満員御礼ではなく、よくて8割くらいの入り。
とくに『レ・ミゼラブル』は人気が高く、また男女や世代の偏りもなくて、この日だけで正月映画のひとり勝ち状態だったことが分かった。
そんな、多くのひとに愛される映画でも満員御礼という状態にはなり難い。
ましてや、年に2度くらいなら経験してもいいかな・・・と思っている「立ち見」なんか、現在の劇場では起こり難い、、、というか、ほぼ起こらないし、劇場側が「そうなる前に」調整してしまう。
なぜ満員にならないのか。
ネットで混雑状況を調べ、空いている時間帯をクリックひとつで選択出来るから。
チョー便利な世の中である。
とくにシネコンの場合、ネット購入時に座席まで指定出来るわけで、だから、わざわざ行列に並ぶことをしなくてもいい。
つーか、いま、映画館にかぎっていえば、驚くほど伸びている行列って見かけないし。
パチンコ屋に負けているときだってあるし。
上映が始まったばかりなのに、次の上映のために並ぶ―という光景、個人的には好きなのだけれどもね。
その光景を見るのも好きだし、自身が並ぶのも好き。
正味2時間くらいの映画のために、自宅を出たときから計算すると、その倍以上の時間を「待ち」に充てるという姿勢。
現代人は忙しいのだ、そんな暇あるか! といってしまえばそれまでだけれども、この「待ち」の効果によって、傑作に出会えればその感動は「より」大きなものになったり、逆に駄作であればその怒りは「より」大きなものになると。
時間と感動は比例する―とまで断言しないけれど、映画鑑賞のありかたとしては好きで、なくなってほしくない光景、、、ではある。
スコセッシの『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002)が先行オールナイト上映される日―。
自分はスコセッシの取り分? を少しでも多くしたいという思いから、当時のバイト先の仲良し10人を強制的に「先行オールナイトの会」に参加させた。
皆のチケット代を出し、座席まで確保しようと新宿ミラノ座に到着したのが正午過ぎ。
真夜中上映だから、まだ行列は出来ない。
こんなことで怯む映画小僧じゃないぜ、そのうち行列が出来るはずさ―と時間が過ぎるのを待ったが、日が暮れてもいっこうに行列が出来ない。
馬鹿な!
おいおい配給会社さんよ、ちゃんと告知しているのかい!?
さすがに開場30分前には「そこそこ」の行列が出来たが、当時はレオ君人気でもこんなものか・・・と落ち込んだものだった。
そういう一喜一憂を含めて、行列というのは思い出になる。
思い出になるし、こうした行為により、映画は消費するだけではないものになる、、、と思うのだが、皆さんはどうだろうか。
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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『初体験 リッジモント・ハイ(30)』
試写会で新作に触れることが多くなったから。
もちろん公開1年前くらいから期待している映画―スコセッシやリンチの新作―などは、敢えて試写状を周囲に譲り、初日に当日券を購入して対峙するよう心がけているが。
そんな自分の今年最初の仕事は、都内の映画館めぐりだった。
上映されている映画には触れず、劇場の入りを調査するという内容。
人数だけでなく、男女比率や世代、ひとりか複数かをチェックし、レポートにして依頼主に提出すると。
渋谷⇔六本木⇔新宿⇔銀座を中心に、愛車で行ったり来たり。
映画と自転車という、自分の大好きなアイテムに囲まれ、なんと幸福な映画チャリ小僧かと自分でも思う。
これで仕事上がりに脚美人が膝枕を提供してくれたら、その場で殺されても構わないよね。
いや、マジで。
上映されている映画にパンチがない? ためであろう、新年早々ガラガラ―という劇場もあるにはあったが、概ね盛況である。
ただ満員御礼ではなく、よくて8割くらいの入り。
とくに『レ・ミゼラブル』は人気が高く、また男女や世代の偏りもなくて、この日だけで正月映画のひとり勝ち状態だったことが分かった。
そんな、多くのひとに愛される映画でも満員御礼という状態にはなり難い。
ましてや、年に2度くらいなら経験してもいいかな・・・と思っている「立ち見」なんか、現在の劇場では起こり難い、、、というか、ほぼ起こらないし、劇場側が「そうなる前に」調整してしまう。
なぜ満員にならないのか。
ネットで混雑状況を調べ、空いている時間帯をクリックひとつで選択出来るから。
チョー便利な世の中である。
とくにシネコンの場合、ネット購入時に座席まで指定出来るわけで、だから、わざわざ行列に並ぶことをしなくてもいい。
つーか、いま、映画館にかぎっていえば、驚くほど伸びている行列って見かけないし。
パチンコ屋に負けているときだってあるし。
上映が始まったばかりなのに、次の上映のために並ぶ―という光景、個人的には好きなのだけれどもね。
その光景を見るのも好きだし、自身が並ぶのも好き。
正味2時間くらいの映画のために、自宅を出たときから計算すると、その倍以上の時間を「待ち」に充てるという姿勢。
現代人は忙しいのだ、そんな暇あるか! といってしまえばそれまでだけれども、この「待ち」の効果によって、傑作に出会えればその感動は「より」大きなものになったり、逆に駄作であればその怒りは「より」大きなものになると。
時間と感動は比例する―とまで断言しないけれど、映画鑑賞のありかたとしては好きで、なくなってほしくない光景、、、ではある。
スコセッシの『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002)が先行オールナイト上映される日―。
自分はスコセッシの取り分? を少しでも多くしたいという思いから、当時のバイト先の仲良し10人を強制的に「先行オールナイトの会」に参加させた。
皆のチケット代を出し、座席まで確保しようと新宿ミラノ座に到着したのが正午過ぎ。
真夜中上映だから、まだ行列は出来ない。
こんなことで怯む映画小僧じゃないぜ、そのうち行列が出来るはずさ―と時間が過ぎるのを待ったが、日が暮れてもいっこうに行列が出来ない。
馬鹿な!
おいおい配給会社さんよ、ちゃんと告知しているのかい!?
さすがに開場30分前には「そこそこ」の行列が出来たが、当時はレオ君人気でもこんなものか・・・と落ち込んだものだった。
そういう一喜一憂を含めて、行列というのは思い出になる。
思い出になるし、こうした行為により、映画は消費するだけではないものになる、、、と思うのだが、皆さんはどうだろうか。
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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『初体験 リッジモント・ハイ(30)』