顔に自信があるかと問われれば、そりゃあ「ないよ!」と答える。
ないが、嫌いな顔ではない。
自分でいうのもなんだが、愛嬌あるし。優しそうといわれるし。
実際は、そんなことないけど。
自分の優しさは、あくまでも見返りを求める優しさであろう。
顔だけの評価をすれば、たぶん中の下、、、くらいなのではないか。
そう自覚しつつも女子にモテたいから、いろいろ努力するわけですよ。
お洒落とか整形とか筋トレとかってわけじゃなくてね、キャラクター性というものを磨いて、見た目を補おうとしていると。
で、顔にまつわるエピソードをふたつばかり。
15年くらい前の話である。
バイト先に、自分の顔とそっくりな女子大生が居たんだ。
とくに目と鼻が似ている。
この時点で見た目が「中の下の女子」となりそうだが、じつはそうじゃない。
可愛いのだ。
はっきりと、可愛い。
これは自分だけの評価ではない、バイト仲間たちのほとんどが「あの子、可愛いよね」と評価している。
でも、自分と似ている。
繰り返すが、自分の顔の評価は中の下。
そんな自分に似ている女子が居る。
そして、可愛い。
ワケガワカラン!!
不条理、ここに極まれり―である。
どうしてもいいたかった、「自分と似ているよね」と。
しかし、いったら不愉快だろうなとも思った。
イケメンならともかく、歩くザーメンっていわれる男だぜ、いった途端にバイトを辞めて引きこもりになってしまうかもしれない。
そして結局、彼女にはいえなかった。
でもそれは自分だけの評価ではなく、皆がいっていたことだから、似ていることは確かだったんだ。
いま、彼女はなにをしているのかな。
幸福であってほしいと、切に思う。
ふたつめ。
これまた随分昔の話だが、モノスゴ惚れた女子が居て。
追いかけて、追いかけて、追いかけて、振られた。
押してもダメなら引いてみな・・・なんていうが、自分にはそれが出来ない。
だから徹底して押して、見事に散ったものだからあきらめた。
1年後―彼女から結婚するから式に出てほしいといわれた。
まぁ仲のよい友人ではあるからね、そのころにはすでに別の女子を好いていたわけで、躊躇することなく出席することに決める。
だが。
新郎新婦が入場してきた途端に、自分は固まってしまった。
新郎が、ほとんど自分。なのである。
身長も、体型も。
髪型も、髭の感じも。
もちろん、顔のつくりも。
へ?
悪い冗談かと思った。
だから、苦笑いが止まらなかった。
・・・・・。
いや、もう未練などないけどね。
ないけども、じゃあなんで「自分ではダメだったのか」と思ってしまったよ。
同じテーブルに居る、初めて会ったひとに聞いてみた。
「―あの、すいません。新郎さんと自分の顔、どう思います?」
「・・・あっ! 似てますね!!」
「ですよね?」
「兄弟さんってわけじゃないですよね、ここに座っているんだから」
「(苦笑)」
やっぱりそうか。
酒の力を借りて、この際だからと歓談の時間に席を立ち、新郎に話しかけてみた。
そう、新婦のほうじゃなくてね。
「はじめまして、新郎さんに似ている男です」
新郎の横に座る新婦が、爆笑した。
「あっ、そういわれれば、・・・似てますね」
「爆弾発言にもならないですけど、じつは自分、新婦さんに振られているんですよ」
「(苦笑)そうなんですか?」
「だから、なんか面白いなって」
「・・・です、ねぇ」
新婦は笑うだけで、なにも返さなかった。
世の中、不思議なこと? が、多いって話である。
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『にっぽん男優列伝(285)火野正平』
ないが、嫌いな顔ではない。
自分でいうのもなんだが、愛嬌あるし。優しそうといわれるし。
実際は、そんなことないけど。
自分の優しさは、あくまでも見返りを求める優しさであろう。
顔だけの評価をすれば、たぶん中の下、、、くらいなのではないか。
そう自覚しつつも女子にモテたいから、いろいろ努力するわけですよ。
お洒落とか整形とか筋トレとかってわけじゃなくてね、キャラクター性というものを磨いて、見た目を補おうとしていると。
で、顔にまつわるエピソードをふたつばかり。
15年くらい前の話である。
バイト先に、自分の顔とそっくりな女子大生が居たんだ。
とくに目と鼻が似ている。
この時点で見た目が「中の下の女子」となりそうだが、じつはそうじゃない。
可愛いのだ。
はっきりと、可愛い。
これは自分だけの評価ではない、バイト仲間たちのほとんどが「あの子、可愛いよね」と評価している。
でも、自分と似ている。
繰り返すが、自分の顔の評価は中の下。
そんな自分に似ている女子が居る。
そして、可愛い。
ワケガワカラン!!
不条理、ここに極まれり―である。
どうしてもいいたかった、「自分と似ているよね」と。
しかし、いったら不愉快だろうなとも思った。
イケメンならともかく、歩くザーメンっていわれる男だぜ、いった途端にバイトを辞めて引きこもりになってしまうかもしれない。
そして結局、彼女にはいえなかった。
でもそれは自分だけの評価ではなく、皆がいっていたことだから、似ていることは確かだったんだ。
いま、彼女はなにをしているのかな。
幸福であってほしいと、切に思う。
ふたつめ。
これまた随分昔の話だが、モノスゴ惚れた女子が居て。
追いかけて、追いかけて、追いかけて、振られた。
押してもダメなら引いてみな・・・なんていうが、自分にはそれが出来ない。
だから徹底して押して、見事に散ったものだからあきらめた。
1年後―彼女から結婚するから式に出てほしいといわれた。
まぁ仲のよい友人ではあるからね、そのころにはすでに別の女子を好いていたわけで、躊躇することなく出席することに決める。
だが。
新郎新婦が入場してきた途端に、自分は固まってしまった。
新郎が、ほとんど自分。なのである。
身長も、体型も。
髪型も、髭の感じも。
もちろん、顔のつくりも。
へ?
悪い冗談かと思った。
だから、苦笑いが止まらなかった。
・・・・・。
いや、もう未練などないけどね。
ないけども、じゃあなんで「自分ではダメだったのか」と思ってしまったよ。
同じテーブルに居る、初めて会ったひとに聞いてみた。
「―あの、すいません。新郎さんと自分の顔、どう思います?」
「・・・あっ! 似てますね!!」
「ですよね?」
「兄弟さんってわけじゃないですよね、ここに座っているんだから」
「(苦笑)」
やっぱりそうか。
酒の力を借りて、この際だからと歓談の時間に席を立ち、新郎に話しかけてみた。
そう、新婦のほうじゃなくてね。
「はじめまして、新郎さんに似ている男です」
新郎の横に座る新婦が、爆笑した。
「あっ、そういわれれば、・・・似てますね」
「爆弾発言にもならないですけど、じつは自分、新婦さんに振られているんですよ」
「(苦笑)そうなんですか?」
「だから、なんか面白いなって」
「・・・です、ねぇ」
新婦は笑うだけで、なにも返さなかった。
世の中、不思議なこと? が、多いって話である。
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明日のコラムは・・・
『にっぽん男優列伝(285)火野正平』