そういえば、東京ドームで野球を観たことがない。
基本、野球をするところ・観るところなのに。
でもけっこうな回数で東京ドーム内には入っている。
バットマンカーが日本に初上陸し展示されたときとか。
総合格闘技「PRIDE」の人気が最高潮に達していたときとか。
自分が初めて東京ドームに足を踏み入れたのは、90年の2月11日のこと。
16歳、高校1年の冬。
ボクシング―というより、マイク・タイソンが好きで、バイト先の知り合いのコネのコネのコネを使って、チケットを入手したのであった。
つまりこれが、自分が生まれて初めて生で観戦したスポーツとなる。
当時のタイソンは無敵だった。
そうして、人気も抜群だった。
タイソンくらいじゃないだろうか、現役の海外チャンプで日本のテレビCMに出ていたなんて。
手のつけられない不良少年がボクシングに出会って変わる―という、とっても分かり易いストーリー。
しかし変わったといっても、品行方正とはほど遠い。
暴力沙汰は一度や二度ではなかったし。
レイプまがいの事件も起こしたし。
クスリにも手を出していたし。
毛沢東のタトゥーをしているが、なにをどうしたひとだか分かって彫っているのか疑問だし。
(まぁ、それはいいか)
対戦相手の耳とか齧っちゃうし。
けれども、なぜか憎めない。
亀田一家は好きになれなくとも、タイソンは別。
なにかを「持っている」から、、、なのだと思う。
そして彼のそばには、いつもドン・キングが居た。
こんなに胡散臭いプロモーターも珍しいが、結果を残してきた偉人ではある。
「キンシャサの奇跡」と呼ばれる、アリVSフォアマンを仕掛けたのもこのひとなのだから。
実力があって。
キャラクター性も魅力的で。
そして、バックに大物がついている。
これだけすごいひとを呼んで、試合を組める―当時の日本は、そーとー潤っていたのだと思う。
それはそうだ、ちょうどバブルのころであったし。
この前年に、ソニーはコロンビア映画社を買収したのだからね!!
さて当日―。
ガウンを脱いだ瞬間に、素人目にも「あ、負けるかも」と思った。
よく計量をパスしたな・・・とさえ思う、シェイプされていない感じ。
たしかに、対戦相手のジェームス・ダグラスは強敵とはいえなかった。
しかし、それにしたって「なめ過ぎ」なんじゃないか、ヘビー級なんだからパンチ一発当たってしまえば、試合がどう転ぶかなんて分からないじゃないか! って。
タイソンは序盤から、キレがなかった。
そうして5Rあたりからは、明らかにスタミナが切れていた。
10R―。
タイソン、リングに沈む。
37連勝もした男が、日本では「ほぼ」無名のファイターに敗れる大波乱。
なにが起こったか、ちょっと理解出来なかった・・・のは、自分だけではなかった。
ブーイング、なし。
かといってダグラスに対する拍手も、なし。
ふつうKO決着であれば、どっちが勝とうが「それなりに満足。」するはず。
はずなのに、なんだろう、この解せない感じは。
面白くなかった興行、、、というわけでもない。
なんかよく分からないが、えらいものを目撃してしまった―内容も結果もちがうが、ひょっとしたら、アリVS猪木を生観戦したひとは、こんな不思議な気持ちに襲われたのかもしれないな。
・・・そんな風に、思った。
おわり。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『きっかり、2年。』
基本、野球をするところ・観るところなのに。
でもけっこうな回数で東京ドーム内には入っている。
バットマンカーが日本に初上陸し展示されたときとか。
総合格闘技「PRIDE」の人気が最高潮に達していたときとか。
自分が初めて東京ドームに足を踏み入れたのは、90年の2月11日のこと。
16歳、高校1年の冬。
ボクシング―というより、マイク・タイソンが好きで、バイト先の知り合いのコネのコネのコネを使って、チケットを入手したのであった。
つまりこれが、自分が生まれて初めて生で観戦したスポーツとなる。
当時のタイソンは無敵だった。
そうして、人気も抜群だった。
タイソンくらいじゃないだろうか、現役の海外チャンプで日本のテレビCMに出ていたなんて。
手のつけられない不良少年がボクシングに出会って変わる―という、とっても分かり易いストーリー。
しかし変わったといっても、品行方正とはほど遠い。
暴力沙汰は一度や二度ではなかったし。
レイプまがいの事件も起こしたし。
クスリにも手を出していたし。
毛沢東のタトゥーをしているが、なにをどうしたひとだか分かって彫っているのか疑問だし。
(まぁ、それはいいか)
対戦相手の耳とか齧っちゃうし。
けれども、なぜか憎めない。
亀田一家は好きになれなくとも、タイソンは別。
なにかを「持っている」から、、、なのだと思う。
そして彼のそばには、いつもドン・キングが居た。
こんなに胡散臭いプロモーターも珍しいが、結果を残してきた偉人ではある。
「キンシャサの奇跡」と呼ばれる、アリVSフォアマンを仕掛けたのもこのひとなのだから。
実力があって。
キャラクター性も魅力的で。
そして、バックに大物がついている。
これだけすごいひとを呼んで、試合を組める―当時の日本は、そーとー潤っていたのだと思う。
それはそうだ、ちょうどバブルのころであったし。
この前年に、ソニーはコロンビア映画社を買収したのだからね!!
さて当日―。
ガウンを脱いだ瞬間に、素人目にも「あ、負けるかも」と思った。
よく計量をパスしたな・・・とさえ思う、シェイプされていない感じ。
たしかに、対戦相手のジェームス・ダグラスは強敵とはいえなかった。
しかし、それにしたって「なめ過ぎ」なんじゃないか、ヘビー級なんだからパンチ一発当たってしまえば、試合がどう転ぶかなんて分からないじゃないか! って。
タイソンは序盤から、キレがなかった。
そうして5Rあたりからは、明らかにスタミナが切れていた。
10R―。
タイソン、リングに沈む。
37連勝もした男が、日本では「ほぼ」無名のファイターに敗れる大波乱。
なにが起こったか、ちょっと理解出来なかった・・・のは、自分だけではなかった。
ブーイング、なし。
かといってダグラスに対する拍手も、なし。
ふつうKO決着であれば、どっちが勝とうが「それなりに満足。」するはず。
はずなのに、なんだろう、この解せない感じは。
面白くなかった興行、、、というわけでもない。
なんかよく分からないが、えらいものを目撃してしまった―内容も結果もちがうが、ひょっとしたら、アリVS猪木を生観戦したひとは、こんな不思議な気持ちに襲われたのかもしれないな。
・・・そんな風に、思った。
おわり。
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明日のコラムは・・・
『きっかり、2年。』