Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

ストロベリー、on the ショートケーキ

2012-10-11 00:15:00 | コラム
こんな顔のクセして、デパートで催される『○○物産展』みたいなもの―が大好きだったりする。

売り上げが芳しくないデパート業界で調子がいいのは、いわゆるデパ地下と花屋、それから物産展の企画だけというじゃないか。
それなら自分も協力してやろう、、、というわけである。

ま、建前でも、そんなことはいわない―というのが本音だが。

単に甘いものが好きなのだ。

これも
これもこれも
これもこれもこれも
これもこれもこれもこれも
これもこれもこれもこれもこれも
みーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんな、物産展で購入したやつなのである。


毎日酒呑んで、肉喰って、仕上げは甘~~~いもの。
ジョギングとかやっていなかったら、確実に太るわな。

そういえば芸人・スピードワゴン井戸田の持ちネタのひとつに「甘~~~いっ!」というのがあったが、あれはぜんぜん面白くなかった。


先日―シナリオ執筆の参考にと、『悪人』(2010)を観返した。

妻夫木・深津両君の「孤独の描写」が足りない―といったコメントを読んだことがあるが、ちゃんと観たのかと突っ込みたくなる。
とくに深津絵里が演じる光代の孤独なんて、かなり胸に迫るものがあったぞ。

最も印象に残るのが、妹と同居する光代が、妹が外出し「ひとり残された」部屋でケーキを食べる場面。

ケーキは誕生日や披露宴に相応しく、この単語から連想されることばとは「甘い」「ハッピー」であるはず。
そんな幸福の象徴を、ひとり寂しく食べる光代。

切なくて、この場面だけで泣ける。


映画とケーキは相性がよく、様々な名作で技ありの効果を生む。
そのいくつかを、挙げてみよう。

(1)『悪い奴ほどよく眠る』(60)

冒頭の結婚式で、ウェディングケーキが「ふたつ」登場。
ひとつはふつうのものだが、ふたつめは「ビル」を模したものだった。

この「ビルケーキ」が物語の牽引役となる。

(2)『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(84)

ことばは悪いが、この街には「すぐやらせてくれる少女」が居る。
少年はショートケーキひとつを、まるで「許可証」のように持ち歩き、少女の家へと向かうのだった。

しかし彼女を待つうちに、性欲だけでなく食欲までが顔を出し始め・・・。

(3)『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)

マーティが過去や未来に行く前・・・犯罪者という設定か、ジョーイおじさんの出所申請が却下されたからと、リー・トンプソン演じる母親が「出所祝い」として用意していたケーキを食べてくれ―と、マーティに差し出すシーンがある。

(4)『アマデウス』(84)

ディレクターズ・カット版ではマスカルポーネが登場するが、
オリジナル版でも『ヴィーナスの乳首』という「栗をブランデーに漬けた菓子」が出てきたりして、観る度に腹が減る映画だったりする。

ケーキは前半、サリエリがモーツァルトを初めて「目撃」することになるシーンに登場。
パイナップルみたいな形をした生地に、ボールのようなチョコが沢山ついていて、ほんとう美味しそう。

(5)『ツイン・ピークス』(89~91)

なにかというとこのドラマシリーズを出すが、このドラマは、ブラックコーヒーとドーナツ、そしてチェリーパイで出来ている。
本稿では、パイもケーキとして定義する。

(6)『ショコラ』(2000)

「甘い」タイトルそのものが、映画の主題となっている。
甘いもの、沢山登場。


・・・ここに(7)『悪人』、
さらに、姉妹がケーキを作る(8)『ザ・ファイター』(2010)、 崩れたケーキが登場する(9)『八日目の蝉』(2011)を加え、
最後の10本目には、じつはケーキが登場しない『ストロベリーショートケイクス』(2006)を入れてあげたい。


こういう映画たちに触れると、
この世に存在するものすべてが、脚本家にとっては「おいしい」小道具になる、、、と気づかされるのだ。


※テレビドラマ『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』の挿入曲から。
自分にとっても、ABBAといったらこの曲かな。




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明日のコラムは・・・

『西岡に、ぜんぶっ!!』

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(この国に)由来なんて・・・

2012-10-10 00:15:00 | コラム
「・・・エズメラルダ・ヴィラロボス、いい名前だ」
「ありがと。あなたは?」
「ブッチ」
「ブッチ、、、由来は?」
「(この国に)由来なんて・・・」

※映画『パルプ・フィクション』(94)より

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タイトル命名やラストシーンの構築に比べたら難儀ではないかもしれないが、
シナリオをやっていていつも悩むのが、キャラクター名をどうするか・・・ということ。

メインキャラは「閃き」でつけることが多く、じつはそれほど悩まない。
問題はサブキャラで、メインより目立ってもいけないだろうし、かといって観た直後なのに覚えていないような「薄い」名前だと可哀想。

冒頭で引用した映画の生みの親、QTタランティーノはそのへんを心得ていて、アラバマだったりゴーゴー夕張だったりと、命名センスが飛び抜けている。
ブッチは米国では割とポピュラーな名前だそうだが、それを逆手に取って上記のようなやりとりを展開させるのだから、悔しくなるくらい巧いひと。

ちなみにブッチの由来を聞いたタクシーの女ドライバー、エズメラルダはマニア層から受けのいいキャラクターであり、サブキャラからメインに昇格、『フェティッシュ』(96)という佳作映画が誕生している。


映画は「顔」が命、これは俳優の顔/キャラクターの顔というふたつの意味があるが、
キレ易いだとか情にもろいだとか露出狂だとか虚言癖があるだとかのキャラクター造形において、名前の重要度がどのくらいなのかというと、じつはそれほどでもない。
ないが、なんとなく「彼(彼女)らしい名前だ」という風には思ってもらえるはず。
だから名前だって、そんなにいい加減につけていいものでもないわけで。


自分が「いいね!」と思った映画のキャラクター名を、列挙してみよう。

(1)菊千代…『七人の侍』(54)より、三船敏郎のキャラクター

(2)ボニーとクライド…『俺たちに明日はない』(67)より、ウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイのキャラクター

(3)カイザー・ソゼ…『ユージュアル・サスペクツ』(95)より

(4)HAL9000…『2001年宇宙の旅』(68)より

(5)ハートマン軍曹…『フルメタル・ジャケット』(87)より、R・リー・アーメイのキャラクター

(6)アインシュタイン…『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)より、ワンちゃんのキャラクター

(7)ジョン・ドゥ…『セブン』(95)より、ケビン・スペイシーのキャラクター

(8)椿三十郎…『椿三十郎』(62)より、三船敏郎のキャラクター

(9)ゴーゴー夕張…『キル・ビル Vol.1』(2003)より、栗山千明のキャラクター

(10)テルマとルイーズ…『テルマ&ルイーズ』(91)より、スーザン・サランドンとジーナ・デイヴィスのキャラクター

(11)T-800…『ターミネーター』(84)より、アーノルド・シュワルツェネッガーのキャラクター

(12)シャア・アズナブル…『機動戦士ガンダム』(79~80)より、映画ではないが完璧なネーミングだと思うので

(13)ハリー・S・トルーマン…『ツイン・ピークス』(89~91)より、上に同じくテレビシリーズから

(13)ダンス・ウィズ・ウルブス…『ダンス・ウィズ・ウルブス』(90)より、ケビン・コスナーのキャラクター

(14)ジュールとジム、そしてカトリーヌ…『突然炎のごとく』(62)より、オスカー・ウェルナーとアンリ・セール、ジャンヌ・モローのキャラクター

(15)グロリア…『グロリア』(80)より、ジーナ・ローランズのキャラクター

(16)ニキータ…『ニキータ』(90)より、アンヌ・パリローのキャラクター

(17)ジョン・マクレーン…『ダイハード』(88)より、ブルース・ウィリスのキャラクター

(18)ダミアン…『オーメン』(76)より、ハーヴィー・スティーヴンスのキャラクター

(19)ジェームズ・ボンド…『007』シリーズ(62~)より

(20)車寅次郎…『男はつらいよ』シリーズ(69~95)より、渥美清のキャラクター

(次点)ロッキー・バルボア、ジョン・ランボー、ハリー・キャラハン、桑畑三十郎、ギズモ、ジェイソン、キキ&ジジ、
そしてもちろん、トラビス・ビックル、ベッツィ、アイリスなどなど。


皆、名前と俳優の顔と映画でのキャラクターが「結びついた形で」思い出せるでしょう?

こういう映画を、名作と呼ぶのだと思う。


※ハートマン軍曹の、過激な授業。
過激過ぎて、字幕なんかつけられない。




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にっぽん男優列伝(169)小西博之

2012-10-09 00:15:00 | コラム
59年9月28日生まれ・現在53歳。
和歌山出身。

公式プロフィール


「コニタン」の愛称で知られる小西博之(こにし・ひろゆき)さんは、身長180cmで体重は78kg。

もっと大きな印象がありますけれどね。
190cmだったとしても驚かないし、90kgくらいはあるかと思ってました。

その体型や顔つきからヤクザなどを演じる機会が多い、しかしそのいっぽうでユーモラスな役もきちんとこなせる―のは、「欽ちゃんファミリー」で鍛えられたからなのでしょう。
実際、自分はコニタンを俳優さんとしてでなく、「欽ちゃんファミリー」の「一タレントさん」と捉えています。

本意ではないでしょうが、自分のかーちゃんが「欽ちゃん系バラエティ」が好きだったもので、笑いを取るコニタンには馴染みがあっても、演技で魅せるコニタンというのは「うーん・・・記憶に、、、」というわけです。

でもでも。
大人になったジャイアンは、小川直也よりコニタンのほうが似合う気がします。

さらにいえば。
もし『アルマゲドン』(98)を日本でリメイクするとしたら・・・
地球を救うことになる一員のなかにコニタンが居てくれると、なんかもう見た目だけで助けてもらえそうじゃありません?
自分を犠牲にして「いいから、お前ら、早く行け!」みたいなこともいいそうですし。

そう考えると、日本映画界はコニタンをうまく使いこなせていない―そんな風にも感じるわけです。

余談ですが。
核爆発させて小惑星の軌道を変えるという『アルマゲドン』のアイデア、実際にやっても効果がない―という研究結果が、先日の新聞に載っていました。

ということは。
『メランコリア』(2011)の登場人物たちのように振る舞うのが正しい、、、ということなのでしょうか。
この映画では、多少パニックになるひとが居るものの、「基本的には?」終末を受け入れるというスタンスだからです。


※「あじろべえ」は食べたことあるけれど、このCMは、ぜんぜん覚えていない




<経歴>
中京大学在学時、演劇部に所属。
このころに出演したローカル番組で地域限定ではあったものの、人気者となる。
そこに目をつけた欽ちゃんこと萩本欽一のオファーにより、『欽ちゃんの週刊欽曜日』(82~85、TBS)のレギュラーに。
ちなみにほかのレギュラーは、佐藤B作、清水由貴子、風見しんご、あめくみちこなど。

映画俳優デビュー作は、88年の『木村家の人びと』。
のちに『おくりびと』(2008)を撮ることになる滝田洋二郎の作品ですが、このころの滝田さんって、センスはあるけれどメジャー向きでないものを量産していた、、、のですよね。いい意味で、巧く化けたひとだと思います。

後期「極妻」のレギュラーとして、『極道の妻たち 三代目姐』(89)、『新極道の妻たち 惚れたら地獄』(94)、『極道の妻たち リベンジ』(2000)などに出演。

ほかに『はぐれ刑事純情派 劇場版』(89)や『すばらしき臨終』(97)、イマヘイのパルムドール受賞作『うなぎ』(97…監察官役)などに顔を出すものの、なんだかやっぱり、制作側がうまく使いこなせていないのではないか・・・と。

憧れであったという『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』(2000)を経た2002年、
漫☆画太郎によるアナーキーな漫画『地獄甲子園』の映画版に「番長役」で出演、ちょっと開き直った感じがして、個人的にはすごくよかったです。

2004年、腎臓癌が発見され、翌年に大手術をおこなう。

2006年に『親父』で復帰、映画としての最新作は『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(2009)になります。


本人に憧れがあるわけですし、もっともっとウルトラ俳優としての地位を築いていけば、この先、面白いキャリアが待っているのかもしれませんね。


次回のにっぽん男優列伝は、小橋賢児さんから。

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にっぽん男優列伝(168)神山繁

2012-10-08 00:15:00 | コラム
29年1月16日生まれ・現在83歳。
広島出身。

公式プロフィール


出来としては70点くらいかな・・・とは思うものの、日米合作のアクション『ブラック・レイン』(89)が好きで、よく観返します。
日本の映画ファンの多くは松田優作、あるいは高倉健さんに注目して鑑賞するのでしょうが、自分は脇を固める日本人俳優の演技に笑ったり感心したりする、、、という鑑賞法。

マイケル・ダグラス扮する刑事に向かって「英語は分かんねぇんだよ!」というガッツ石松、
下手な芝居でニセの刑事を演じる内田裕也、
ホンモノの用心棒に見える安岡力也、
ぜんぜん色っぽくないホステスに小野みゆき。

彼ら彼女らに笑い、そして、神山繁(こうやま・しげる)さんの、上手ではないけれど、健さんよりハキハキして分かり易い英語に感心すると。

神山さんは刑事部長を演じていますが、さっきまで日本語で話していたのに急に英語を話し始め、ダグラス&アンディ・ガルシアの刑事たちを驚かせます。
外国人が描く日本人・・・であるにも関わらず、若山富三郎が演じるヤクザの親分より「なぜか」格好よく見える。
それはキャラクター云々ではなく、やっぱり英語の発音にあるのでしょう、だから自分にとってこの映画で最も得をしている日本人俳優は、優作でも健さんでもガッツさんでもなく、神山さんなのではないか、、、と。

それにしても。
80代って、ふつーに驚いてしまいません?
60代でも通る「色つや」をしているのに!

もし黒澤の『悪い奴ほどよく眠る』(60)を自分がリメイクするとしたら、神山さんを森雅之の役、つまり岩渕(=最も悪い奴)にキャスティングしたいですね。
娘には「よきパパ」、しかし・・・というのが、とっても似合うと思うので。

<経歴>
海軍経理学校卒業。
ホテルマンなどを経験した後、演出家志望として文学座に入座。
しかし、誰かの勧めがあったのか、本人の意思か、俳優を志すようになり、数々の舞台に立ちキャリアを築いていく。

映画俳優デビュー作は、53年のオムニバス『にごりえ』。
『われらの時代』(59)を経た60年、『からっ風野郎』に「ゼンソクの政」として出演。

あまり知られていない作品ですが、この映画の主演は「あの」三島由紀夫です。
三島が絡んでいる割には『憂国』(66)ほど有名じゃないのは、それはまぁ、出来が「あれれ・・・」なものだから、、、なのでしょう。
しかし監督は増村保造ですし、脚本には菊島隆三の名前まである。
大作家のイメージを忘れて臨めば、けっこう楽しめる愛すべきB級映画に仕上がっている・・・と思うのですけれどねぇ。

舞台の世界では脱退や結成などを繰り返すも、映画やテレビの世界では早いうち(?)から安定期に入り、数々のドラマで名バイプレーヤーとして活躍します。

61年…『夕陽に赤い俺の顔』『黒い傷あとのブルース』
62年…『人間狩り』 映像美で魅せる『秋津温泉』
63年…『黒の死球』『巨人 大隈重信』『素晴らしい悪女』
64年…『おんなの渦と淵と流れ』
66年…『ザ・ガードマン 東京忍者部隊』 小林正樹の傑作『怪談』
67年…加藤総務局長を好演した『日本のいちばん長い日』
68年…『斬る』
69年…『眠狂四郎円月殺法』『座頭市と用心棒』

70年…勝海舟を演じた『幕末』 近衛文麿を演じた『激動の昭和史 軍閥』
71年…『激動の昭和史 沖縄決戦』『いのちぼうにふろう』
73年…『日本沈没』
74年…『華麗なる一族』
75年…『金環蝕』
76年…『不毛地帯』
77年…『八甲田山』『霧の旗』
78年…『女王蜂』『皇帝のいない八月』『ブルークリスマス』
79年…総理大臣秘書を好演した『太陽を盗んだ男』

80年…『二百三高地』
81年…『連合艦隊』『日本の熱い日々 謀殺・下山事件』
82年…『この子の七つのお祝いに』
83年…『小説吉田学校』『南極物語』
84年…『すかんぴんウォーク』『零戦燃ゆ』
85年…『潮騒』
86年…『鹿鳴館』『海と毒薬』
89年…『ブラック・レイン』

吉川晃司の『すかんぴんウォーク』はともかく(・・・って、嫌いじゃないけど)、
線の細いひとではありますが、大作がじつに似合うひとですね。

87年、女優で妻の文野朋子が死去。
仕事量を減らしましたが、90年代に入ると(徐々に)元のペースに。

91年…『大誘拐』
94年…『四十七人の刺客』『集団左遷』
95年…『ひめゆりの塔』
96年…『八つ墓村』
98年…『カンゾー先生』『踊る大捜査線 THE MOVIE』

『どら平太』(2000)以降の21世紀は、さすがに若いころに比べて出演本数は少ないものの、
『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003)や『沈まぬ太陽』(2009)、そして最新作となる『アウトレイジ ビヨンド』(2012)で相変わらず80代には見えない「ハキハキとした」演技? を披露しています。

付け足しのようになりますが・・・
テレビドラマでは、『スケバン刑事』(85、フジテレビ)、高橋是清を演じた『落日燃ゆ』(2009、テレビ朝日)などが印象に残っています。





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CINEジャンキー

2012-10-07 00:15:00 | コラム
某日。
日本映画『新しい靴を買わなくちゃ』(きのうより公開)を試写で観る。

中山美穂が主演、北川悦吏子の演出―という時点で興味ゼロというかマイナスだが、岩井俊二プロデュースなので「少しだけ」期待する。

やばい。
ぜんっぜん、ノレない。

いや、やばいと思う必要もないのだが、どういう視点に立って触れてみても「微塵も」楽しめない自分が居た。

CMでも流れるが、「あの橋くぐるときに、願い事をいうと叶うんだって」とミポリンがいう。

そのツクリモノ感にうんざりしたし、そういう台詞を極力吐かないようにするのが現代の脚本家なんじゃないか? と思った。
かつて荒井晴彦が、青山真治の才能を認めつつ「ぬいぐるみを抱えた、なにも話さない少女―そういう安易な設定を避けるのが、脚本家の仕事なんじゃないか」と吠えたのと同じ感覚である。

あらゆる意味で闘っていない映画を観た不愉快さは、自宅に帰還して以降も続く。

闘う映画が、観たい。
闘う監督に、会いたい。

なにと闘う?
なんだっていいんだよ、闘ってさえいてくれれば。


某日。
北野武の新作『アウトレイジ ビヨンド』(きのうより公開)を試写で観る。

いろんなものと闘っていて、おおいに楽しんだ。

満点ではないし、やはり初期の武映画の衝撃には勝てないが、
単純に面白く、また、黒澤和子&山本耀司による衣装も格好いい。

惜しいのは、武がモノクロームで撮りたがっていたのを周囲が反対したこと。

ノワールを目指していたのだから、モノクロでよかったんじゃないか。

ただ「色を抑えたい」という武の希望は「銀残し」という技術で叶えられた。
市川崑による『おとうと』(60)で開発された、特殊なフィルム現像法である。

「映画史とは無関係に映画を撮っている」ように思われる武が、フィルムにこだわり、「銀残し」を使う―なんだか、それだけで感動するのだった。


某日。
渋谷パルコで開催中の『チンポム展』を鑑賞後、中国映画『ロスト・イン・北京』(トップ画像)を観る。
どちらも試写や招待ではなく、きっちり料金を納めての入場である。

両者とも、期待していたから。
触れる前から、両者とも闘っていることを知っていたから。

前者は多くの批評にも取り上げられていたが、放射能標識(これのこと、ね)を生ゴミ袋に描いていくパフォーマンスが刺激的で面白かった。

期待値70、出来75くらいの、ちょうどいい完成度。

しかしこの刺激的なアート鑑賞も、『ロスト・イン・北京』のインパクトの前では少し霞んでしまうかもしれない。

2007年に制作された映画だが、性描写だけでなく、倫理や道徳に反した物語そのものが検閲によりレッドカードが出され、中国での上映が禁止された問題作である。

「ムハンマドを侮辱する映画」はともかく、
世界中の問題作を観ることが出来る自由が、この日本にはある。
じつにありがたいことで、こういう企画であれば入場料が5000円くらいでも出す気になる。

問題作とはいっても、不倫や(強姦にちかい)セックス、その後の「破綻しない」夫婦関係というありかたは、いままでの映画やドラマ、小説という物語の世界では何度も描かれたことであるし、また、いってしまえば現実世界でも「よくあること」。
ただそれを、検閲の厳しい中国の作家が挑んだという点が感動的であり、

闘っているなぁ!

格好いい!!

(向こうは拒否するかもしれないが)共闘するぜ!!!

と、胸が熱くなるのであった。


失望と希望を繰り返す―こんな風にして映画小僧は、秋を過ごしている。


※張りまくられているので知っているひとも多いだろうが、面白いので。
とくに『落ち着いてください』がツボ。




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明日のコラムは・・・

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