めんる「い」→「い」ーてぃー(E.T.)
いわゆる「通称」をタイトルにした映画をふたつ撮っている、スティーブン・スピルバーグ。
2001年の『A.I.』は、「Artificial Intelligence」の略。
そして82年の『E.T.』は「Extra-Terrestrial」の略。
「unidentified flying object」を略した「UFO」みたいなものだね。
『E.T.』はスピルバーグの映画のなかで最もポピュラーで愛されている作品・・・であることを認めたうえでいうと、個人的にはそれほど好きではない。
もちろん嫌いではないし駄作とも思ってないけれど、イビツな『A.I.』のほうが好きだし、
3傑を挙げるとするならば・・・
『激突!』(71)
『ジョーズ』(75)
『宇宙戦争』(2001)
・・・となり、『E.T.』は8番目くらいになってしまうかな。
まぁでも、人気があるのは分かる。
米国の厳しいレーティングは置いておいて、家族全員で楽しめる娯楽作であり、やさしい気持ちにもなれるし。
そういえばウチの父親も、好きな映画の上位にこの作品を挙げていたっけ。
ただ、制作そのものは「けっこうな賭け」だったのではないかと思う。
だってE.T.のクリーチャーデザインは、けっして「かわいい・うつくしい」ものではなかったのだから。
よく見ると、いやよく見なくても気持ち悪い。
このアルバムジャケット(=ロジャー・テイラーの『ファン・イン・スペース』)
を参考にしたという説があって、たしかになんとなく似ているかも。
(そして。じつはデジタル処理により、DVD発売の際に手を加えて「ちょっとだけ」かわいらしくしている。後年、スピルバーグはそのことを後悔し、現在のバージョンでは以前の「気持ち悪い感じ」に戻している・・・はず)
公開当時は「キモかわいい」という感覚もないしね、よくこれだけの支持を獲得出来たと思う。
イマサラ感があるので、ここで詳細なあらすじは記さない。
ヒトコトでいえば異星人とヒトとの交流を、SFXを駆使して描いた作品であると。
スピルバーグが面白いのは、「ヒトではないもの」を「友好的に描いた作品/好戦的に描いた作品」の両方を撮っているところ。
ただし基本はサディズムの人間嫌い―という捉えかたはおそらく当たっていて、サメや恐竜が容赦なくヒトを襲う描写でこそ本領を発揮する。
(『A.I.』のエンディングにいたっては「ヒトをひとりも登場させず」に感動させようとするほど倒錯的なのだった!!)
たぶん自分は、「そっち側の」スピルバーグが好きだから『E.T.』を「それほど…」と思ってしまうのだろう。
脚本を担当したのは、ハリソン・フォードの元夫人メリッサ・マシスン。
世界中で大ヒットを記録したこのSF映画は、翌年の『キネマ旬報』で批評家・読者双方から1位に選出され、米オスカーの作品賞にもノミネートされた。
しかし。
その前哨戦となるゴールデングローブ賞で作品賞に輝いたにもかかわらず、実際のオスカーでは作曲賞や視覚効果賞などの技術部門の受賞に留まった。
『シンドラーのリスト』(93)でオスカーが微笑むまで、同業者から嫌われていた・妬まれていたとされるのは、このあたりからきているのだった・・・。
あすのしりとりは・・・
いー「てぃー」→「てぃー」ちゃー。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『シネマしりとり「薀蓄篇」(286)』
いわゆる「通称」をタイトルにした映画をふたつ撮っている、スティーブン・スピルバーグ。
2001年の『A.I.』は、「Artificial Intelligence」の略。
そして82年の『E.T.』は「Extra-Terrestrial」の略。
「unidentified flying object」を略した「UFO」みたいなものだね。
『E.T.』はスピルバーグの映画のなかで最もポピュラーで愛されている作品・・・であることを認めたうえでいうと、個人的にはそれほど好きではない。
もちろん嫌いではないし駄作とも思ってないけれど、イビツな『A.I.』のほうが好きだし、
3傑を挙げるとするならば・・・
『激突!』(71)
『ジョーズ』(75)
『宇宙戦争』(2001)
・・・となり、『E.T.』は8番目くらいになってしまうかな。
まぁでも、人気があるのは分かる。
米国の厳しいレーティングは置いておいて、家族全員で楽しめる娯楽作であり、やさしい気持ちにもなれるし。
そういえばウチの父親も、好きな映画の上位にこの作品を挙げていたっけ。
ただ、制作そのものは「けっこうな賭け」だったのではないかと思う。
だってE.T.のクリーチャーデザインは、けっして「かわいい・うつくしい」ものではなかったのだから。
よく見ると、いやよく見なくても気持ち悪い。
このアルバムジャケット(=ロジャー・テイラーの『ファン・イン・スペース』)
を参考にしたという説があって、たしかになんとなく似ているかも。
(そして。じつはデジタル処理により、DVD発売の際に手を加えて「ちょっとだけ」かわいらしくしている。後年、スピルバーグはそのことを後悔し、現在のバージョンでは以前の「気持ち悪い感じ」に戻している・・・はず)
公開当時は「キモかわいい」という感覚もないしね、よくこれだけの支持を獲得出来たと思う。
イマサラ感があるので、ここで詳細なあらすじは記さない。
ヒトコトでいえば異星人とヒトとの交流を、SFXを駆使して描いた作品であると。
スピルバーグが面白いのは、「ヒトではないもの」を「友好的に描いた作品/好戦的に描いた作品」の両方を撮っているところ。
ただし基本はサディズムの人間嫌い―という捉えかたはおそらく当たっていて、サメや恐竜が容赦なくヒトを襲う描写でこそ本領を発揮する。
(『A.I.』のエンディングにいたっては「ヒトをひとりも登場させず」に感動させようとするほど倒錯的なのだった!!)
たぶん自分は、「そっち側の」スピルバーグが好きだから『E.T.』を「それほど…」と思ってしまうのだろう。
脚本を担当したのは、ハリソン・フォードの元夫人メリッサ・マシスン。
世界中で大ヒットを記録したこのSF映画は、翌年の『キネマ旬報』で批評家・読者双方から1位に選出され、米オスカーの作品賞にもノミネートされた。
しかし。
その前哨戦となるゴールデングローブ賞で作品賞に輝いたにもかかわらず、実際のオスカーでは作曲賞や視覚効果賞などの技術部門の受賞に留まった。
『シンドラーのリスト』(93)でオスカーが微笑むまで、同業者から嫌われていた・妬まれていたとされるのは、このあたりからきているのだった・・・。
あすのしりとりは・・・
いー「てぃー」→「てぃー」ちゃー。
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明日のコラムは・・・
『シネマしりとり「薀蓄篇」(286)』