Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

にっぽん女優列伝(279)松下由樹

2021-08-21 00:10:00 | コラム
68年7月9日生まれ・53歳。
名古屋出身。

松下由樹(まつした・ゆき)さんは、映画というよりテレビドラマ(あさくらー!)やCM(フジパン!)の印象が強いです。

実際、自分みたいな映画好きでも「映像作品における代表作」を挙げるとするならば、姉(今井美樹)と石田純一を取りあう名作『想い出にかわるまで』(90、TBS)になりますね。



ダンサーでもあった若いころに比べ「体型が…」みたいな声も聞かれますが、それはまぁいいじゃないですか、こういう体型にならなければ演じられない役柄もありますしね。


※2分20秒くらいに登場、フックン目立ってるし、松下さんのダンスもキレている!!


<経歴>

駒沢学園女子高等学校卒業。
その後、米国にダンス留学する。

映画俳優デビュー作は、富田靖子主演の『アイコ十六歳』(83)。
ヒロインの友人役でした。

87年より歌番組などでバックダンサーを務めるようになり、俳優としての起用も増えていく。

※それからちょっとあとの広告かな?



『この胸のときめきを』(88)、『ザジ ZAZIE』(89)、
中山美穂・織田裕二が主演、バブル期に制作されたホイチョイによる『波の数だけ抱きしめて』(91)、
『ナースコール』(93)、『新サラリーマン専科』(97)、
テレビシリーズの好評を受けて制作、しかし映画好きには楽しみかたさえ分からなかった『ナースのお仕事 ザ・ムービー』(2002)、
『大奥』(2006)、『相棒 ―劇場版― 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン』(2008)、『BABY BABY BABY! ―ベイビィ ベイビィ ベイビィ―』(2009)、『BECK』(2010)、『臨場 ―劇場版―』(2012)、『御手洗薫の愛と死』(2014)、『鏡の中の笑顔たち』(2015)、
最新作は本年(ご時世的に)ひっそりと公開された『お終活』(2021)…ですが、これ意外とよかったです。




コミカルな演技が得意なのだとは思うのですけれど、率直にいって未だ『想い出にかわるまで』の、姉でも容赦しない強キャラの印象が強いです。

あえていま、こういうキャラクターを演じてくれませんかね・・・?


次回のにっぽん女優列伝は、松嶋菜々子さんから。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『真似て食べる。』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

にっぽん女優列伝(278)松坂慶子

2021-08-20 00:10:00 | コラム
52年7月20日生まれ・69歳。
東京出身。

大女優ではありますが、個人的には「あまり…」だった松坂慶子(まつざか・けいこ)さん。

そりゃこの衣装にはドキッとしましたし、


『愛の水中花』も名曲だと思ってます。


けれどもそれはドラマの話ですし、
傑作『蒲田行進曲』(82)にしても、前半にちょこっとしか出てこない高見知佳(書いてて懐かしい(^^;))のほうがよくね? とか思っちゃうのでした。

でした、が! が!! ががが!!!

90年の『死の棘』で、あぁ自分は間違っていたと反省しました。

こりゃすごい、

後述しますが、松坂さんの代表作といっていいでしょうね。

<経歴>

旦那はギタリストの高内春彦。

同級生に落語家・快楽亭ブラック。(なんと!)

中学生のころに「劇団ひまわり」に入団、子役として様々なドラマに出演する。
(とくに、『ウルトラセブン』の第31話が有名)

70年、大映に入社。

実質的な映画俳優デビュー作は、同年の『高校生番長 深夜放送』。
『夜の診察室』(71)で初主演を果たし、『遊び』(71)、『陸軍落語兵』(71)とつづき、このあと大映の看板女優になる可能性もありましたが同社が倒産、72年に松竹に移籍する。

『黒の奔流』(72)、『藍より青く』(73)、『宮本武蔵』(73)、『恋は放課後』(73)、『野良犬』(73)
『狼よ落日を斬れ』の「風雲篇」「激情篇」「怒濤篇」(74)、
『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』(75)、『友情』(75)、『撃たれる前に撃て!』(76)、『恋人岬』(77)、『坊っちゃん』(77)。

78年、大岡昇平の原作を野村芳太郎が映画化した法廷劇『事件』に出演。
松坂さんのすべての作品を観ているわけではないですが、映画キャリアで初めて正当に評価された作品ではないでしょうか。

新藤兼人による脚本も素晴らしく、これは何度観ても飽きません。

芸能人としてもここから絶頂期に入り、翌年、ドラマ『水中花』(TBS)が話題になるのでした。


『雲霧仁左衛門』(78)、『日蓮』(79)、『配達されない三通の手紙』(79)、
『五番町夕霧楼』(80)、『わるいやつら』(80)、『青春の門』(81)、『男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎』(81)、『道頓堀川』(82)、戯曲の映画化としては最高の部類に入るであろう『蒲田行進曲』、

深作欣二、中島貞夫、佐藤純彌が共同監督したことで話題となった『人生劇場』(83)、


『迷走地図』(83)、『里見八犬伝』(83)、『化粧』(84)、『上海バンスキング』(84)、『火宅の人』(86)、『波光きらめく果て』(86)、『キネマの天地』(86)、『自由な女神たち』(87)、『女咲かせます』(87)、『椿姫』(88)、『華の乱』(88)、『ウォータームーン』(89)。

90年―商業性を完全に無視することで知られる小栗康平の大傑作『死の棘』に主演。

岸部一徳扮する旦那の浮気に発狂する妻ミホを熱演し、この年の映画界の話題をかっさらう。

シンと静まった劇場に響くミホの絶叫、衝撃を受けました。
これぞ映画俳優だと思いました。

翌年、結婚。
しかし松坂さんの両親が大反対であったことから、ワイドショーのネタに。
ただ、やっぱり時間が解決するものだなぁと感動するのは、父親が亡くなり、高齢となった母親を(松坂さんにかわり)高内さんが介護したことですね!


そのほかの作品に…
『グッバイ・ママ』(91)、『男はつらいよ 寅次郎の縁談』(93)、『女ざかり』(94)、『新 居酒屋ゆうれい』(96)、『虹をつかむ男 南国奮斗篇』(97)、『卓球温泉』(98)、『カンゾー先生』(98)。
『ピンチランナー』(2000)、『本日またまた休診なり』(2000)、『カタクリ家の幸福』(2002)、『さゞなみ』(2002)、『精霊流し』(2003)、『るにん』(2004)、『埋もれ木』(2005)、『不撓不屈』(2006)、『犬神家の一族』(2006)、『呉清源~極みの棋譜~』(2006)、『監督・ばんざい!』(2007)、『未来予想図 ~ア・イ・シ・テ・ルのサイン~』(2007)、『火垂るの墓』(2008)、『大阪ハムレット』(2009)、『インスタント沼』(2009)、『ホノカアボーイ』(2009)、『釣りバカ日誌20 ファイナル』(2009)。
『武士の家計簿』(2010)、『脇役物語』(2010)、『綱引いちゃった!』(2012)、『僕達急行 A列車で行こう』(2012)、『ベトナムの風に吹かれて』(2015)、『空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎』(2018)、『人魚の眠る家』(2018)、『僕に、会いたかった』(2019)。

最新作は、来年公開予定の『あの庭の扉をあけたとき』。
人気の高いファンタジー小説の映画化です。


原田美枝子や松坂さんのような世代のひとが健在だと、なんだか安心出来ますよね。
もっともっと活躍の場が広がりますように!!

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(279)松下由樹』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

にっぽん女優列伝(277)松たか子

2021-08-19 00:10:00 | コラム
77年6月10日生まれ・44歳。
東京出身。

公式サイト

家柄がたいへんによく、また、好感度もひじょうに高い松たか子(まつ・たかこ)さん。

様々な活動を展開し、どの分野においても高評価を得ているのはすごいです。

映画に関していえば芸歴の割にそれほど多い作品数ではないのですけれど、いわゆる「ハズレ」が少ない。
インパクトの大きいキャラクターが多い。
沢山のオファーがありそうですが、きちんと脚本を読んで出演を決めている感じがします。

個人的には、「空耳スト」としての松さんも好きですね。
空耳アワーを観て楽しむだけでなく、きちんと投稿までするところ、ホンモノです笑



「レリゴー」で歌もヒットしましたが、デビュー曲からセンスがあって、当時は「このひとは歌でいくのかな」とか思ったりもしました。


<経歴>

堀越高等学校卒業。
(同級生に浜崎あゆみ、市川海老蔵)

旦那は音楽プロデューサー佐橋佳幸。


すべては記しませんが…
父は松本白鸚、母は藤間紀子、兄は松本幸四郎…とつづき、とにかく家柄すごすぎてフォンダ一家やコッポラ一家みたいなものです(^^;)

高校在学中に初舞台に挑戦し本格的な芸能活動を開始、
月9ドラマ『ロングバケーション』(96、フジテレビ)が好評を得て映像の世界への露出が増えていきました。

映画俳優デビュー作は、97年の『東京日和』。
アラーキーの私小説を竹中直人が映画化した、愛すべき小品です。

翌年、岩井俊二の中編『四月物語』(98)に主演。

これ素晴らしいです、自分のなかでは未だ岩井監督の最高傑作ですね。
映像は瑞々しく美しいですし、
なんてことない話をまとめあげるのって大変だと思うのですけれど、いとも簡単にやっているようにみせているのですよね、嫉妬したなぁ。

『ナイン・ソウルズ』(2003)、『隠し剣 鬼の爪』(2004)、『THE 有頂天ホテル』(2006)、『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』(2007)、キムタクとは最も息が合うと思わせる『HERO』(2007)、『K-20 怪人二十面相・伝』(2008)、『ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ』(2009)。

2010年、湊かなえのベストセラー小説を中島哲也が映画化した『告白』に主演。

中島哲也の「よいところ」だけが出た快作であり、松さんにとって初めての代表作といえるでしょう。
公開中の『プロミシング・ヤング・ウーマン』にもいえることですが…
凝った演出は外したら目も当てられませんが、当たったら、観客にとって忘れられない映画体験を提供するものとなるのですよね!!




『大鹿村騒動記』(2011)を経て2012年、西川美和による傑作『夢売るふたり』に主演、自慰シーンが話題になりましたが、


何気ない会話のシーンにおけるリアリティにこそ注目してほしい力演で、これが、ふたつめの代表作だと思います。


そのほかの作品に・・・
『小さいおうち』(2014)、『ジヌよさらば~かむろば村へ~』(2015)、『泣き虫しょったんの奇跡』(2018)、『ハード・コア』(2018)、『来る』(2018)、『マスカレード・ホテル』(2019)、『ラストレター』(2020)など。

最新作は、来年公開の『峠 最後のサムライ』。
司馬遼太郎の原作を映画化、役所広司と共演する大作ですね。


…とくにいうことがないほど(!)好調のつづく松さん、
強いていえばオスカー授賞式における歌唱、まぁどの国のひともそうでしたが、短過ぎて納得いかなかったなぁ!!

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(278)松坂慶子』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ぜんぜん歌えないかも!?

2021-08-18 00:10:00 | コラム
副業―というか、いまは残念なことにメインになってるが―の拘束時間は11時間、実働は10時間。

通勤はチャリで片道約1時間。

実働10時間+通勤往復2時間、このあいだ「基本ひとり」であるしマスクをしているわけで、この時間はそこそこ退屈? なので、小さな声で歌を歌っている。

職場は広いし作業音も大きい、隣りの工員ともソーシャルディスタンスを保っているから「それなりの」声を出していても気づかれないのだよね。
(大きなおならだって可能だ!!)

で、なにを歌うのかという話である。

イエローモンキーで覚えている曲すべて、
布袋さん、
当時そこまで好きだったわけでもないのにMy Little Lover、
ラブサイケデリコ、
奥田民生、
中島みゆき、
木綿のハンカチーフ、幸福論、今宵の月のように、終わりなき旅、

アルフィーとくにこの曲、


最新で、ももクロのチャイマックス(これほんとうに元気が出る)


…エトセトラ。

つまり2010年代はももクロのみで、ごく最近のは選曲しない。

というか歌えない。
というかはっきりいえば、よく知らない!!

Perfumeは歌うという感じじゃないし、
オフィシャル髭男dism(トップ画像)とか、少し聴いてよいと思ったよ、思ったけど、とてもじゃないが覚えられない。

映画と格闘技に関しては「なんとか喰らいつこう」とするけれど、これが、おっさんの限界かもしれないな…。

とか思ったり、思わなかったり。


歌番組が少なくなった、あったとしても敢えて観なかったり、CDではなく配信がメインとなってほんとうに興味を持たないとクリックしない、、、という背景もたしかにあるのでしょうけれど。。。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(277)松たか子』
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画スタッフ別10傑(26)宮川一夫

2021-08-17 05:15:26 | コラム
~宮川一夫のキャリア10傑~

天才。
野心家。
異能の監督に愛され信頼され、なおかつその期待に応えなかったことがない。

文句のひとつもいいたくなるが、宮川一夫が居なかったとしたら、黒澤や市川崑、溝口健二の映画の魅力も半減したことを考えると、もう神として崇めるしかないでしょう。



99年に91歳で鬼籍に入る、同級生にはマキノ雅弘。

日本映画のカメラマンといったら、まずはこのひとです。




(1)『おとうと』(60)

幸田文の原作を市川崑が映画化、主演に岸恵子。

いわゆる「銀残し」を発明したとされる作品で、「くすんだカラー映像」は後年の映画に多大な影響を与えた。



(2)『近松物語』(54)

「鬼の溝口」の演出力が冴えわたる傑作。

凛とした香川京子の美しさ、冷徹なキャメラが鮮烈な印象を残す。



(3)『炎上』(58)

三島由紀夫の『金閣寺』を映画化した作品だが、数ある三島映画のなかでも最高作なのではないか。

自分の好みだろうが、市川雷蔵は現代劇のほうが魅力が出ると思うのよね。


(4)『用心棒』(61)

誰もが楽しめる映画―を目標に、黒澤をはじめとする天才たちがアイデアを出し合って出来た快作。

マルチカメラという撮影法を知ったのも、この映画だったかな。


(5)『無法松の一生』(43)

名が通り始めたころに担当した名作。

伊丹万作の名脚本にも注目してほしい。


(6)『羅生門』(50)

黒澤、初期の代表作。

太陽を捉えた場面が有名だが、「あの風」が吹くシーンも素晴らしい。


(7)『ある殺し屋』(67)

日本では珍しいノワール物。

しつこいが…雷蔵さんは現代劇のほうが似合わなくない?



(8)『雨月物語』(53)

幽玄の世界を描いた溝口健二の代表作。
しかし、宮川一夫のキャメラがなかったら実現出来なかったかも―?


(9)『東京オリンピック』(65)

ちなみに河瀨直美監督によるドキュメンタリーは、来春公開だそうです。




(10)『鴛鴦歌合戦』(39)

これ、とんでもなく面白い映画なので、若いひとにも観てほしいな!



…………………………………………

明日のコラムは・・・

『ぜんぜん歌えないかも!?』
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする