Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

令和版・海外俳優列伝(42)エディ・マーフィ

2022-11-20 00:10:00 | コラム
61年4月3日生まれ・61歳。
アメリカ出身。

1位と4位はともかく、それを除くと「意外!」と驚かれる「繰り返し観ている映画ベスト5」は・・・

①『グッドフェローズ』(90)
②『メジャーリーグ』(89)
③『ビバリーヒルズ・コップ2』(87)
④『タクシードライバー』(76)
⑤『奇蹟/ミラクル』(89)

ナンダカンダで「映画、映画!」している映画が好きなんですよ。

何度観たって飽きない、いつだって楽しめるという5本。

『ビバリーヒルズ・コップ2』はトニー・スコットのキレのある演出も素晴らしいけれど、結局はエディ・マーフィの魅力に尽きるというか。


※我流で訳すと・・・
アクセル「おいおい、パトカーだぞ!?」
ローズウッド「いいんだ、いいんだ。知り合いだ。イヤなヤツだ」
アクセル「(爆笑)」



<経歴>

オスカーはノミネートのみですが、グラミー賞のコメディ・アルバム賞を受賞しています。
2016年には、ハリウッド映画賞功労賞も受賞。

ずっと若々しいイメージがありますが、そんな歳(=功労)なのか…。

「話芸」の才能はすでに10代から突出していて、19歳にして『サタデー・ナイト・ライブ』にレギュラー出演するようになる。

映画俳優デビュー作は、82年の『48時間』。
監督ウォルター・ヒル、共演ニック・ノルティというひじょうに男くさいアクションの佳作でした。

共演ダン・エイクロイド、現代版の「王子と乞食」を目指したコメディ『大逆転』(83)、


そして84年、腕はたしかだけど「それ以上に」弁が立つ刑事アクセル・フォーリーの活躍を描く『ビバリーヒルズ・コップ』に主演しスマッシュ・ヒットを飛ばす。

本作はシリーズ化され、前述したパート2も傑作、しかし94年のパート3は監督(ジョン・ランディス)もエディ本人も不調だったのか「なぜかぜんぜん面白くない作品」に仕上がってしまいます。

ともあれ大スターの仲間入りを果たしたエディは、「エディありき」の映画に立てつづけに主演することに。

『ゴールデン・チャイルド』(86)も『星の王子 ニューヨークへ行く』(88)も、



あきらかに「エディあっての企画」でしょう。
話そのものは、どうかなって感じでしたし。

その極めつけが、監督業に挑戦した『ハーレム・ナイト』(89)だったのだと思います。


う~む。
という出来で、はっきりいって中身を覚えていません(^^;)

これがきっかけ、、、とまではいいませんが、
90年の『48時間PART2/帰って来たふたり』はともかくとして、
『ホワイトハウス狂騒曲』(92)から絶不調となり、少なくとも映画に関してはオオハズレがつづく。

再浮上は、96年の『ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合』から。
つづく『ドクター・ドリトル』(98…2001年に続編発表)もそうなのですが、特殊技術と本人の芸が幸福な結婚を果たしています。
やっぱりこういうのってタイミングなのかなぁ、、、と思ったり思わなかったり。

その他の出演作に・・・
声優として『シュレック』(2001)、
『アイ・スパイ』(2002)、オスカー助演賞にノミネートされた『ドリームガールズ』(2006)、
『ペントハウス』(2011)、『ルディ・レイ・ムーア』(2019)、『星の王子 ニューヨークへ行く2』(2021)など。

途絶えそうでいて、踏ん張る映画キャリアってところでしょうか。

がんばれマーフィ!!

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明日のコラムは・・・

『令和版・海外俳優列伝(43)エディ・レッドメイン』
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令和版・海外俳優列伝(41)エイドリアン・ブロディ

2022-11-19 00:10:00 | コラム
73年4月14日生まれ・49歳。
アメリカ出身。

「最高の困り顔」の持ち主、といえばエイドリアン・ブロディ。
強そうな名前なんですけどね、常に「ちょっと困っている」感じがして。

だからというわけでもないのでしょうが、「苦難のひと」を演じたらピカイチなのです。

この役とか!!
※ポランスキーはいろいろ問題の「あった」ひとだけれど、こういうの観せられちゃうと、映画監督としては最高だといわねばならぬでしょう。



<経歴>

本人というより、つるんでいた友人が「超ワル」であったため、両親が強制的に演劇学校(=アメリカン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アーツ)に入学させたのだとか。
結果論からいえば、これが最良の選択となりました。

しかし俳優としては割と遅咲きのほうで、
88年の『Home at Last』で映画俳優デビューを果たすものの、注目を浴びるまでに約10年を要しました。

『ニューヨーク・ストーリー』(89)の第2話、コッポラ監督篇の「ゾイのいない人生」、『わが街 セントルイス』(93)、『ハード・デイズ』(97)。

自分が「このひと、ちょっと気になるな」と初めて思ったのが、テレンス・マリックの『シン・レッド・ライン』(98)でしたかね。

『サマー・オブ・サム』(99)を経た2002年―『戦場のピアニスト』で実在したピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンを演じオスカー主演賞を受賞。
このとき29歳、オスカー史としてはけっこう意外ですが最年少の主演男優賞だそうです。

以降、唐突に売れっ子に。
やっぱり、取るか取らないかでこれだけの差が出てくるってことですよね。

シャマラン・マジックが冴える『ヴィレッジ』(2004)、


ピーター・ジャクソンの割には淡白な創りだったかもしれない『キング・コング』(2005)、


『ダージリン急行』(2007)、『スプライス』(2009)、『プレデターズ』(2010)、
ウディ・アレンの『ミッドナイト・イン・パリ』(2011)ではダリを好演、

俊英ウェス・アンダーソンによる『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014)、


『白い闇の女』(2016)、『クリーン ある殺し屋の献身』(2021)など話題作に多数出演。

近作は、先日自分がワーストに選出した(^^;)『ブロンド』(2022)。
まぁ俳優は悪くありません、というか、みなさん気の毒でした。

頼れるキャラを演じることもありますが、映画ファンとしては、もっともっと困り顔を見てみたいというかね、申し訳ないですけど^^

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明日のコラムは・・・

『令和版・海外俳優列伝(42)エディ・マーフィ』
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分かり易いですか、そんなに(^^;)

2022-11-18 00:10:00 | コラム
入学入社のシーズンでもないのに、自己紹介したりする機会が「ここ最近」多い。

坊主と(マスク着用ではあるものの)アゴヒゲ、そこそこの体格、真っ赤なロードバイク乗り。

という見た目から想像されるアレヤコレヤが、悉く「当たっていて」笑ってしまう。

「格闘技が好き」というと、
「総合とかでしょ?寝技の攻防が好きとか」といい当てられ、

「映画が好き。『タクシードライバー』とか」というと、
「あぁそれっぽい!!」と返される。

なんでよ!?
そんなに分かり易いかね、自分は。

まぁいいんだけど(^^;)

唯一「意外」といわれたのは、喫煙者だということくらいか。

スポーティな私服のうえに、ロードバイカーだからね。

まぁ、ひとつくらい、意外なところはないと!!




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明日のコラムは・・・

『令和版・海外俳優列伝(41)エイドリアン・ブロディ』
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ロス現象の気持ちが、ちょっと分かった~2022回顧⑥~

2022-11-17 00:10:00 | コラム
2022年の回顧、第6弾は「非・映画の映像作品」。

映画以外のもの―テレビドラマはもちろん、ドキュメンタリーや映画の予告編、YouTubeまでが対象です^^


①『量産型リコ ―プラモ女子の人生組み立て記―』(テレビ東京:連続ドラマ)

久しぶりに毎週楽しみにしていたドラマ。
たぶん、2017年の『ツイン・ピークス』新シリーズ以来かな。

最終回を観終えたあとの満足感と喪失感はなかなかのもので、初めて「〇〇ロス」になるひとの気持ちが分かった、、、かも。


②『所英男VS神龍誠・煽りV』(RIZIN)

今年、最も出来のよい格闘技案件の煽りV。
これを観ただけで、所英男が愛される理由が「よ~~~く」分かる。



③『有吉の壁』(日本テレビ:バラエティ)

プールで結婚指輪をなくしてしまったU字工事・益子卓郎、それを全芸人で探し、あいなぷぅが発見した感動の回!!






④『世界サブカルチャー史 欲望の系譜』(NHK:ドキュメンタリー)

BSプレミアムで放送されていた労作が、現在Eテレで放送中。ぜひに!!



⑤『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ:バラエティ)

ダウンタウン愛を芸人たちが漫才で披露する「D-1グランプリ」の回。

とくに、FUJIWARAと「ハリウッドザコシショウ&くっきー」の芸は凄まじかった。


⑥『BLACKHOLE』(配信)

高橋ヨシキ・柳下毅一郎・てらさわホークの映画奇人たちによる映画談義。

最近、こればかり観て・聴いてます。


⑦『シン・ウルトラマン』予告編

本編も悪くなかったけれど、予告編のほうがキレがあった。



⑧『HOMEBASE』(電気グルーヴPV)

音楽の回顧におけるベストワン。
ということで、2部門でランクイン!!


⑨『西堀ウォーカーチャンネル』(YouTube)

西堀とは太田プロの芸人(=マシンガンズ)で、つまりは有吉組の一員。

ここで取り上げた芸人仲間・和賀勇介の1日を追う動画(=土木作業で稼いだ日給1万円のうち、昼飯に半分以上を使ってしまうとか)は一部で好評を博す。



⑩『山田玲司のヤングサンデー』(YouTube)

漫画家として活躍する玲司さんが、漫画はもちろん映画や文学、絵画を饒舌に語り倒す。

おもしろい!!

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明日のコラムは・・・

『分かり易いですか、そんなに(^^;)』
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2022回顧:特別編 ワースト映画を語る

2022-11-16 00:10:00 | コラム
今宵は、年間回顧の特別編としてワースト映画を挙げます。


公開時は酷評が目立ち、時間が経過するうちに擁護の論評も増えてきた『大怪獣のあとしまつ』は、「よくもわるくもなかった」というのが率直な感想。


やりたいことは分かったし「その意義」もあるとは思うが、巧くはなかったかな。

そんなことより、、、である。


映画ファンへの投票を実施したとするならば、
たぶん今年のワースト作品1位には、90%くらいの票が集まるのではないか。

それほど酷かったといわねばならぬ作品が、モンローの伝記「とされている」ネトフリ産の『ブロンド』。

スペイン訛りがあるはずのアナ・デ・アルマスは「大」熱演しているし、
当時のフィルムの質感を再現したスタッフワークも超一流、

しかし3時間をかけて展開されるのは、モンローが受けつづけたとされる「性的搾取」を露悪的な演出で暴くというもの。

監督が確信犯なのはあきらかで、
そういう描写を徹底することで、モンローの日常がどれだけしんどかったを追体験させる狙いがあった、、、のかもしれない。

だがそれならば事実オンリーで描くべきで、この物語には創作が「かなり多く」含まれており、ケネディとの関係性だって脚色にもほどがある!といわれている。

「悲劇のひと」「犠牲者」のレッテルを張り、ではそこに敬意はあるのかといえば、そんな風には思えない。

性的搾取をテーマにしてそこを描くのであれば、「モンローでない」創作上のキャラクターを置くか、
あるいは、
ヴァーホーベンやリンチ、クローネンヴァーグのように「行き切ってしまう」必要があると思う。

創り手が、どれだけの覚悟を有していたのか―そこに尽きる。
そしてこの映画には、その覚悟が足りなかったのではないか。


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明日のコラムは・・・

『ロス現象の気持ちが、ちょっと分かった~2022回顧⑥~』
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