たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

荒海山の色づきはあと10日くらいで見頃かも。

2010年10月03日 | 近所じゃない栃木県の山
◎2010年10月2日(土)

 どうせ車では寝られないのだからと、いつもの前夜発・車泊はやめて、4時起きで出かけた。いい年のオッサンには、深夜はつらいが、早朝出は苦にならない。西那須野インターで下り、塩原を経由して南会津に向かう。途中、日留賀岳方面への看板を見かける。男鹿岳も含め、この山域には縁がない。いずれは、歩いてみたいところだ。まだ紅葉前だし、車も空いているだろうと思っていたが、高速も一般道も意外に車の量は多い。オートキャンプ場の前の砂利道に入り、鉱山跡施設の先にある路肩に車を駐める。しばらく先に行ってみたが、悪路になり、切り返しもままならず、100mほど直進バックした。駐車場という程のものはないが、道路が広くなっているので、邪魔にはならないだろう。車が1台あった。愛知県ナンバー。ここまで来るとは、百名山が終了し、二百、三百名山の域に達した方に違いない。既に出発した後だが、車の中はいやでも目に入る。シートをフラットにしているから、ここにお泊まりだったのだろう。真っ暗で少々不気味だったろうに。シートがそのままということは、日の出と共に起き抜けに歩き出しということだろうか。

(川を渡る)

(あれが荒海山?)

(尾根鞍部)


 7時15分に出発。今日はゴム長にした。いろいろ調べていたら、どうも川を何度か渡るらしい。登山靴でジャンプしてこけているより、水を気にせずに歩きたい。しばらくは林道の延長を歩く。林道清原線の表示板。登山ポストもある。今回は省略。冒険をしない限り、登山道は一本だから、残された車で生死の確認はしていただけるだろう。早速、コンクリートの道を川が流れている。ゴム長で○だった。やがて山道となり、露払いとなる。合羽のズボンを履こうと思ったが、面倒だし、後で乾かす手間もかかるから、これもやめた。ずぶ濡れになるほどの露でもない。川は右手から左手になり、何度か沢を渡る。さほどの水量ではないが、靴では確実に中までかぶる。本流から支流が分かれたところが昭文社版に記された「尾根取付」。7時31分。露払いも終了。やがて支流の沢歩きから離れ、一気に尾根を目指すコースになった。そして、急登。ロープも出て来る。左手奥にちらっと高い山が見えたが、あれがきっと荒海山だろう。しばらくすると、今まで見下ろしていた支流の沢が上がって来る。そして、水も消え、「尾根鞍部」に到着。8時2分。出発から1時間もかからず、ちょっと拍子抜けのような気もするが、今日は、今のところ疲れ知らずの健全な体調だ。車の中で、タバコを5本は吸ったはずなのに、息切れはしない。至って調子は良い。実は、当初、とんでもない夢想をしていた。体調が良く、荒海山をさっさと終えたら、その足で七ヶ岳を歩いてみようかと。しかし、こんな時間にここを歩いている限りはとても無理な話なのだ。2時間遅い。

 ここから尾根通しとなると思いきや、ずっと、西側を、尾根に平行して歩くことになる。したがって、尾根に遮られ、日当たりがよろしくない。薄暗いといった程でもない。ただ、そのためか、道がぬかるんでいる。さほどの急登ではない。昭文社版では判読しづらいので、地形図も持参したが、地形図どおりにアップダウンが結構ある。最初のうちはおとなしかった木の根張りも、上に行くに連れてむきだしになり、これがかなり歩行に手間をかけてくれ、やがてはうっとうしくなる。ゴム長だから、靴よりは柔軟性があるからと安心しきっていたら、帰りに、根に滑って転び、尾てい骨をしたたかに打ち付けた。また、ほんの数か所だけのことだが、好展望地はあるものの、東から北側のみの展望で、大した山も望めない。西側は雑木になっていて、かなりの急斜面。長時間の歩程だとしたら、このルート、いずれはイライラしてくるだろう。今日は、ガスがまだ残っているものの、晴れているから、今のところまだ落ち着いていられる。梅雨時期ならたまったものではないだろう。林の中で、同じ風景がずっと続くのもしゃくにさわる。

(色付きは始まっている)

(正面にようやく山頂)


 高度が上がるに連れて、チラホラと色付きが見られるようになった。あと1週間から10日といったところだろうか。この山も紅葉はきれいだろうな。大岩を通過する。シメジ似のキノコを見つけた。見るからにおいしそうだが、茎というか幹の部分が細いので食用ではないだろう。そういえば、久しぶりにキノコ採りにでも出かけたい。もちろん、キノコに詳しい友達に連れて行ってもらうだけのことだ。次第に空が広がってくる。またロープ。ここは急なところ。登りきると、ヤブ状になった。そして、展望も広がり、ようやく、荒海山の頭部が正面にすっきりとおさまった。左手に避難小屋。ここは南稜小屋というらしい。別に好奇心も宿泊予定もないから、覗きはしなかった。山頂に到着。9時31分。

(そして山頂)


 山頂には、先行のオッサンがいた。愛知県の方。鈴の音が聞こえて、準備もしていたのだろう。いきなり話しかけられた。実はその前に、目はとっさに足下のゴム長にいっていたが。「いやぁ、いい時間に来たね。ここで1時間も待って、ようやくガスが晴れてきた。さっきまで、何も見えなかったよ」。「下から眺めていても、そうかなとは思ったんですけど」。「お陰で、七ヶ岳に行けなくなったよ」。あれっ、同じことを考えている。「昨日は帝釈山に行ったけど、雲がかかって何も見えなかったんだ」。「田代山には行かれました?」。「うん。そっちから入ったから」。……、と続く。やはり、あそこで車の中で寝たんだ。その会話のほとんどがご自分のこと。お話のお付き合いもいいけど、じわじわと、一人になりたい気分にかられた。この山は太郎岳と次郎岳のピークがあり、今いるところは太郎岳。会話を締めくくる意味で、「次郎岳は行かれました?」と聞いたら、「いや、ずっとここだよ」とのこと。「じゃ、次郎岳に行って来ます」と、「中三依→」と標示板に記された方向の東側に足を向けたら、「そっちじゃないよ。反対側だよ」と言われた。「あっ、そうですか、方向感覚がなくなってしまって」と、言い訳しながら反対に向きを変える。頭の中では、すぐ隣に見えるピークは何なの?と疑問は残った。言われるままに、西方向に行ったら、ガスが上がって、先にピークが見えた。しかし、ネットで調べた「5分」にはほど遠く、1時間はかかりそう。ともかく、その場を離れたく踏み込んでみたはいいが、道はなく、いきなりのヤブ。全身スッポリ隠れた。シャクナゲの枝に足をとられ転倒。5分も歩いて、退散した。

(三角点のある方のピーク)

(三角点ピークからの太郎岳。奥は山渓版の次郎岳)

(太郎岳から三角点ピーク=昭文社版次郎岳)

(右端に七ヶ岳)


 何かおかしい。山頂に戻り、昭文社を広げて、「やはり、あっちの東の方ですよ」とオッサンに話したら、「そんなことはない」と、すかさず、山渓のガイドブックのコピーを差し出した。確かに、そこには、「荒海山山頂から南西方向に次郎岳を見る」とコメントが付いた写真どおりの姿をした山がヤブの先にあった。山渓と昭文社と正反対の記載。わけが分からなくなった。今いるピークも「荒海山 太郎山」とは記されているが、「次郎岳」に関しては、何も記載がない。最早、次郎岳はどちらでもいいから、すぐ隣のピークに向かった。ヤブめいた細い道を歩き、確かに5分もかからずにピークに着いた。そこには二等三角点があった。標示板には「荒海山」。「次郎岳」とは記されていない。ということは、山渓版が正しいということだろう。太郎岳ピークに比べてやや狭いが、展望は同じ。七ヶ岳が見える。空は白んでいて、遠望はきかない。ここで、ようやく、しばらく休む。サンドイッチを食べる。この山域、次回は七ヶ岳を歩いてみよう。あのボコボコの山容が気に入った。ただ、会津朝日岳も行きたいしなあ。両方ともなら年内は無理かな。太郎岳の山頂には、まだ、あのオッサンの姿が見える。長い休憩となった。

 しびれを切らすといった感じで太郎岳に戻る。まだオッサンが頑張っている。今度は羽毛のジャケットを着込んでいた。もう1時間半以上も地図とにらめっこしていたのだろう。近隣の山に精通していた。いろいろと説明してくれた。「ガスで、まだ、那須の山も日光も見えないんだよ」。「まだ、しばらくここにいらっしゃるんですか?」。「せっかくここまで来たし、昨日は何も見えなかったから、日光方面のガスが上がるのを待つよ」。ということで、「じゃ、お先に」と下山する。太郎岳の山頂には、オッサンだけではなく、オッサンの荷物も散乱していたから、とうとう、山頂標示板をアップで1枚しか撮れなかった。残念なところ。ところで、「中三依→」の標示だが、これ、野岩鉄道の中三依駅に下るということだったのだろうか。隣の三角点ピークには、この標示がなかったばかりか、その先に道は見えなかったが。

 下りは急だから、慎重になる。晴れ上がり、色付きも、さっきより鮮やかに見える。七ヶ岳がやはり気になってくる。あの山ばかり眺めている。やはり、アップダウンがいやらしく感じる。下山がきつく感じるようでは、やはり、見えない疲労がたまりつつあるということか。同年代が上がって来た。今日は少ないのかなと思っていたが、「後ろから1人、来ますよ」とのこと。その後ろの方は、しばらく経ってから。疲れた感じで、「まだ半分ですよ」と声がかけたら、うんざりした顔をしていた。いずれも単独。尾てい骨を打ちながらも、鞍部に到着。しばらく休む。風もあって、本当に気持ちがいい。陽射しも適当にあって、このままずっとこうしていたい感じ。

(帰着)


 危なっかしく沢伝いに下りる。取り付き付近で、おにぎりを食べているオッサンがいた。11時を過ぎている。これから登るのだろうか。ゴム長も泥んこになってしまった。沢水で洗い流す。ゴム長の便利なところだ。露払いはまだ必要だった。日陰だから致し方ないだろうな。11時50分到着。4時間35分か。まずまずといったところだろう。駐めている車はいずれも新潟県ナンバー。帰りがけに、七ヶ岳の登山口の下見にでも行こうかなと思ったが、かなり暑くなりかけていて、億劫になり、そのまま帰ることにした。帰りの高速から、日光、那須の山は、青空の中にも見えなかった。ガスがかかっているということだ。あのオッサン、まだがんばっているのかなあ。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
« 不動岳は何ともコメントし難... | トップ | 那須の紅葉はきれいだった、... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ぶなじろう)
2010-10-03 20:42:58
精力的に登っていますねぇ。
地図を見ると、荒海太郎山より中三依の駅に向かって長々と尾根が延びていますね。この辺は、興味はあってもなかなか手が出ない所です。
七ヶ岳は昨年から黒森沢経由で周回コースを狙っているのでが、タイミング合わず行けずじまいです。

所で、皇海~三俣~錫~白根~黒岩~帝釈~荒海太郎~男鹿~三倉・・・。繋がっていますねぇ・・・。何故か、感じるものがあるのですが、気のせいでしょうか。
返信する
ぶなじろうさん (たそがれオヤジ)
2010-10-03 21:30:07
こんばんは。
精力的というよりもヒマなんですよ。家にいてやることもないし。
中三依へのルートは興味はありましたが、尾根伝いのルートですか。何だかヤブっぽかったですよ。歩けるようには思えませんでしたけどね。表示があるくらいですから、細い道はありそうな気はしますが。
七ッ岳は、ぶなじろうさん想定コースがやはりいいでしょうね。私もそのつもりではいます。本音のところ、先に行っていただければ、参考になってありがたいのですがね。
繋がりの件、県境ルートということでしょうか。果てしないものがありますね。実は、今回も、三俣山に行くかで迷いました。大平山を経由しない日帰りのルートを計画しているのですが、どうも、未知の世界に入るような怖さがあって、立ちすくんでいます。どんどん日が短くなるし、今年は無理かなと思ったりもしているんですよ。
返信する

コメントを投稿

近所じゃない栃木県の山」カテゴリの最新記事