![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/ae/fc63e48794975420caad198ed5d69647.jpg)
◎2017年11月21日(火)
武生神社先駐車地(8:08)……林道から取り付く(8:33)……中武生山(8:50~8:56)……444m標高点(9:28)……鞍部・破線路合流(10:54)……340m烏帽子岩(11:06~11:16)……竜神川(11:29)……上山ハイキングコース合流(12:04)……明山(12:50~13:11)……亀ヶ淵(13:45)……破線路合流(14:23)……駐車地(14:48)
昨年の11月18日に篭岩山、明山周辺を探索して紅葉の盛りに遭遇した。何とも素晴らしいモミジ群をだった。今年も行ってみたかったが、駐車地まで、あの民家の軒下が並んだりの狭い道を延々と車で行くのは何ともおぞましく、軽自動車で行ったら3時間半超えの走りはつらい。もう行くことはないだろうと諦めていた。
それでいて、あの時に明山側から北に見えた三角形のピークがどうしても忘れられず、そちらならどうにかなるかとネットで調べると、途中から林道になるとはいえ、車がすれ違える余裕のある道幅のようで、だったら、行ってみようかと、すっかりその気になってしまった。
この三角形ピークだが、一年前のブログ記事に瀑泉さんからいただいたコメントによれば、「中武生山」(中たきゅう山)という554.8mの三角点峰で、中武生山~烏帽子岩への稜線歩きは変化に富み、さらに明山方面に向かうあたりも紅葉がきれいでお薦めと付記されていた。だったら、そのコースを歩いてみることにしよう。一応、他人様の武生神社起点の周回記事を参考に、地図にコースマーカーを入れた。
ただ、いくつか不安があった。その他人様のGPS軌跡の亀ヶ淵周辺の歩き、破線路、実線路以外の線無し部分が尾根通しとか沢伝いになっていないこと。その辺は踏み跡でもしっかりあるのか。これは現地対応で行くしかない。そして、日にち的には去年の18日より3日遅い程度だし、紅葉は問題ないと思っていたが、19日に篭岩周辺を歩かれたぶなじろうさんやみー猫さんの記事を拝見すると、紅葉はまだ早いような気配だ。それは、ここ数日の冷え込みで一気に加速していることを願うしかない。
林道入口を素通りしてしまい、先でUターンして林道に入ったが、やはりすれ違いの問題はまったくなく、しっかりと舗装もされている。それどころか、上に行くに連れ、これ一般道じゃないのかといったほどの道幅になり、センターラインまである。これが林道とは不思議だ。去年のあの町道だったか市道は何だったのか。
(武生神社の鳥居)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/1b/b2c309056c52df91b40c10b0f0f4cdf4.jpg)
地理を知らずに、車の置き場所は神社とばかりに鳥居をくぐって武生神社に入り込んだが、車を置けそうな場所はあったものの、全体が薄暗くて何となく不気味。林道の路肩に止めた方が無難かと林道に戻り、鳥居の前の路肩に車を移動したが、ここは傾斜があって、車止めになるような石もない。準備をして不安な気持ちで歩き出したが、すぐ先に平らな、まさに駐車場といった広いところがあり、車に戻って、そちらに改めて移動する。出発からややこしいことをした。
この武生神社、その時は調べもしないで出向いたが、坂上田村麻呂が本殿を奉献し、南北朝の時代には北朝側が砦を築いて拠点にしたという由緒のある神社らしい。それを知っていたら、帰ってから寄ったのにと惜しまれる。それにしても、南北朝の争いが常陸の国にまで飛び火していたとは知らなかった。地図を見ると、この神社のある一帯が武生山のようだが、中武生山までは距離がある。どういう関連で「中武生山」としたのかは郷土史家の世界だろう。改めて出発。
(展望台が随所にある)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/11/079ebbc5ef1f1415851f14dc8ab7e56a.jpg)
(左に見えるのが中武生山だろう)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/8b/518e35e89dfbed34dddd2e461ff8da61.jpg)
(右に上がっていく階段)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/31/573b7125bc26862029fa7c228f7b14dc.jpg)
(林道沿いの紅葉)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/47/8a51c3d8c071450ddb4aeefe4a6e3655.jpg)
幅広の舗装林道(林道武生線)を長々と歩く。これでは退屈と、旧林道らしきところに入ってみたりしたが、結局は新林道に出てしまう。展望台らしきものがあれば登って景色を眺める。視界に入るエリア全体の紅葉は陽があたっているのでいい感じだ。ただ、周辺の樹々の色はあまりよろしくない。展望台からは中武生山らしきピークも間近に見えている。
林道右手に登る階段があった。尾根伝いに林道に並行して行けそうな気がしたが、フィニッシュで崖にでもなっていたら戻ることにもなる。まして擁壁にもなっている。ここは自重し、林道の周囲の紅葉を楽しみながら林道をひたすらに歩いた。いうまでもなく、まだ舗装道で、せいぜい、センターラインが消えたくらいのもの。
(ここから登る)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/85/af332b1c65d79a449dc6abbac26bb4b3.jpg)
(道は斜めになっていて歩きづらい)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/67/4687b2e89fcce774270825ea2bab5196.jpg)
人が住んでいるとも思えない民家(もしくは集会所か?)の脇を通ると、ネット記事の写真で知っていた擁壁が左に現れた。ガードレールも途切れている。登山口はここからのようだ。標識の類はなく、見落としそうな赤テープがあるだけ。入り込むと、踏み跡が続いていた。
踏み跡は、落ち葉に覆われ、明瞭というほどのものではないが見落とすことはない。ただ、土が乾いていて、その上の落ち葉歩きだから結構滑る。まして、尾根に直登かと思っていたら、トラバース気味に斜めにゆるりと上っていて歩きづらい。
(尾根に乗って)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/79/42cdb94737465542411dd2a93285710e.jpg)
(紅葉を見たりしながら)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/73/890a5a35a118a9242ce8dad4a34d3e06.jpg)
(行くと)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/c7/ec33df0f40b5fad2976ea531233ab785.jpg)
(中武生山山頂。左に落ち葉に埋まった三角点)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/82/98cb506e138e8937f7bfb76f00d2a1d1.jpg)
尾根が近づき「中武生山→」の手書きテープを見ると、じきに尾根に乗った。穏やかな尾根だ。左斜面の紅葉はきれいだが、まだ半端。緑のままも多く、全体の色が淡い。期待はこれからだろう。
あっけなく中武生山の山頂に着いた。三角点があるだけの素っ気ないピーク。山名板もない。広さは5畳一間くらいか。展望無し。この山はやはり遠くから眺める山なんだなぁと思ったりしている。地味尾根、地味沢を好んで歩いても山頂は360度に越したことはない。
まだ先は長いが、一応の儀式としてまず一服。この程度ですでに汗をかいた。出発時の冷え込みは相当なものだったが、それに合わせて、上下はヒートテック、厚いシャツ、トレーナー、フリースといった着こなしだから汗もかく。トレーナーは脱いだ。下のヒートテックも脱ごうかと思ったが、これはまだ先でいいか。まだ蒸れた感じもないし。
(いい感じ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/2e/87c98d1e347e2fc1c3822698947a8dfc.jpg)
(540級ピーク)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/9e/8d2b8ecf54912d477b81d76c135620bc.jpg)
(男体山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/3f/e0e4499e93e5762586707fb23e4e1bd4.jpg)
南西の540m級ピークに向かって下る。去年対岸から眺めたこの中武生山、角度によって三角形の単独峰に見えたり、双耳峰に見えたりしていたが、後者の場合は、その540mピークが片耳だろう。右に奥久慈男体山が見える。あの山には電波塔でもあるのか。それらしき人工物がかすかに見えている。
倒木を越えて540m級ピークに出た。赤ペンキの色が落ちかけた標石があるだけのピーク。ここは中武生山よりも15mほど低い。この標石だが、この先でも随分と見かけた。
さて、ここまでは踏み跡頼りに来られたが、短区間ながらも、歩かれているルートのわりには踏み跡が不明瞭なところもあったり、さらにテープ類がまったく見られない。ここからは南東に下る尾根に乗るから用心してコンパスを出して合わせる。ここは特に紛らわしい分岐尾根もなく、直進はササヤブになっていて、踏み跡も左寄りに付いている。不安なのは、尾根先でやや南寄りになり、等高線が広くなっているところだ。その鞍部から尾根を乗り換えるような形になる。踏み跡はしっかりしているだろうか。
(光の加減で黒く見えるのか)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/64/90636920a4d02a55e327942c1aa3afd9.jpg)
(この辺はあと一週間か)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/df/ddc907bd6a9de0688ad1cd68f87d8205.jpg)
(いつしかスズタケヤブに入り込んでいた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/a5/201e5aeb7414ab724884cb5f6e2380cd.jpg)
黒ずんだり緑の混じった変な具合の紅葉を見ながら下って行くと、やはりやらかした。微妙な南分岐を気づかずに通り過ぎると、スズタケのヤブに入り込んでいた。周囲を見ても踏み跡らしきものはない。ミスに気付いて戻ろうとしたが、余計な歩きになりかねないなと、コンパスに合わせてトラバースを試みる。スズタケをかき分けて行くと、444m標高点に通じる尾根が見えてきて、何とか乗り移った。
(444mとばかりに思い込み、写真を撮ったりしている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/6e/37984e0eba3cd62fef6cdcc2935cd68f.jpg)
(しっかりした踏み跡優先で行く)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/55/0b63b8b967ee355c2c3088a5fd19265c.jpg)
それでいて、尾根に乗ると、すぐの小ピークを根拠もなく444m標高点と思い込み、コンパスをセットし直す。ここからは南下と、南に向かいかけたが、明瞭な踏み跡が南西方向に向いていて、いずれは南向きになるのだろうと、これを優先して辿る。早々に、かなりいい加減な歩きになりつつある。
(444mの岩峰)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/fc/7b493d11fd5659c8ea021249c94e8d3a.jpg)
(振り返って。あれは中武生山先の540m級ピーク)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/3c/cad37793201925eca66e30cdcbabc2e6.jpg)
(444mから1)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/a6/cca687c91ea6be6cd655a9cdb0b22f01.jpg)
(444mから2)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/0b/46a2fb28df6cd7b2ae4c4a3e09a60217.jpg)
(この辺は賑やか)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/08/49676eab6fcf07e6ad412ab0533823da.jpg)
前方に岩峰が見えてきた。GPSを取り出し、ここでようやく、あれが444mピークだと知る。振り返れば、先ほどの540m級ピーク。あそこから迂回しながらここに来たことになる。
正面の岩峰、あれどうやって越えるんだいと思いながら行くと、巻くことなく正面からあっさりと登れた。ピークにあるのは標石と樹に巻いた黄色テープ。ようやく設定ルートを歩いていることに安心し、頭もリセットさせたが、この先も紛らわしそうな尾根がやたらとあるので、無事に南にある東西をつなぐ破線路に出られるのか次第に不安になってきた。それでいて、踏み跡はあるしなといった人頼りの安心感があった。
(ここを下ろうとしていた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/b3/7d232748039c8def496783a7143693b6.jpg)
(下から。左右いずれからでもあっさり巻けた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/61/9ff27d9910349f3ade00ad17e8e8eccd.jpg)
そんなことを思っている直後にまたやらかした。ここで南西から南に進路変更するから、改めてコンパスをセットし直しするのが筋なのに、さっきセットしたからと、そのまま南西尾根に引き込まれて下っていた。というのも、何も考えずに踏み跡もあるしこちらだろうなと南の方に向かったら岩があり、こちらじゃないなと南西に下っただけのことで、すぐに胸高のササヤブの世界になり、あちこちに踏み跡を求めたがあるわけはない。ふと見上げて右手を見やると、穏やかな尾根が南に続いている。444mに戻り、首を傾げながら妨げられた岩を見ると、しっかりと巻いている踏み跡があった。先入観を持つと、見えるものも見えなくなる好例だ。
だが、こんなミスがこれで終わるわけはなく。その後も続く。
ヤレヤレと思ってほっとしていると、後方から女性の声が聞こえてきた。少なくとも2人以上のグループだ。これはヤバイ。平日にこんなところを歩いているのは自分だけだと安心しきっていた。姿を見られないうちにさっと行かないと。
左手に植林が現れ、雑木との間を下るようになる。この先の小ピークでまたややこしい歩きになるはずだ。南東に下り、すぐに南、さらに南西に方向転換だ。その間に別尾根があって、どうも怪しい気配になっていそうだ。慎重に行かないことには。そろそろ踏み跡もかなり薄くなっていることだし。
(3度目のミス。植林の中をしばらく下っていた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/dd/6e4736d1af6162e8613b7966fdaf0009.jpg)
立て続けの3回目をやらかす。小ピークに登ると、これまでになかったピンクのヒラヒラテープが目についた。先にも見えている。踏み跡もある。ようやくほっとした気分で、コンパスも見ずに尾根を下って行ったが、大分下ったところで植林の中の下りになり、こんなに下るのはおかしいとコンパスを見れば別方向を指し、GPSを見れば、やはりやらかしていた。南ではなく南東の尾根を60~70mほど下っていて、このままでは、地図の上では水線のある沢にすぐに出てしまう。大汗かいて戻った。
(この辺の赤味は良かった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/55/70a7dd095aee2086e6421fa3005ccaed.jpg)
かなり時間をロスし、正規ルートに再び乗った時には、これで後続者も先に行ってくれたろうとほっとした気分も出た。もう尾根分岐はじっくりと確認して歩くことにしよう。これが上りなら高いところに行けばいいだけのことだが、下り基調だから始末が悪い。すべての尾根が下っている。ややこしくなって間違えもする。何で少なくとも尾根分岐にテープやら標識もないのだろう。そういえば中武生山の山名板もなかった。自分のミスを棚に上げ、つい常陸太田市の観光行政に声を荒げたくなる。それにしても、ここを歩く人は器用だねぇ。こんなミスを繰り返すのは自分だけだろう。
先に行くと、ちょっとばかり展望の良いところに出た。もうそろそろコンパスも南固定でいいだろう。後ろにはもうだれもいないはずだしと、休憩に入るべく、石に腰かけてタバコを取り出して口に咥える。と、後方から追手の声が聞こえた。何をモタモタして歩いてんだよ。せっかく、わざわざ先行を譲ってやったのに。タバコを箱に戻し、腰を上げた。
ここで、自分は休んで先行してもらうという手があったが、その気になるのも姿が見えていたらの話で、声だけのうちはどうしても先に行っていたいという思いになるもの。まして先行してもらうと、今度はこちらが追い越したり、追い返されたりでわずらわしい関係にもなる。
(また岩峰)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/c8/e5728f91e4f8a2f937c8c877242de1af.jpg)
西側の山肌の紅葉を眺めながら歩く。良い気分だ。それもつかの間。また小さな岩峰が出てきた。これは簡単に登れそうだしと直登したが、今度は下るのがきつい。何とか切り抜けて先に降りたが、しっかりと岩峰巻きの踏み跡が下から合流した。大分、気持ちの余裕がなくなってきているようだ。これも追手のせいか?
(370m級ピークから)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/b5/f2104f19057dd84499f8b5ee9db89d1b.jpg)
(ここからの眺めは良い)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/05/f1ad89882bc5d2784753d5cbed5f93d6.jpg)
すぐに登りになって370m級のピーク。岩場にはなっているが、展望良好。振り返ると、中武生山(実際は540m級ピークだろう)が良く見える。周囲の展望もなかなかのものだ。耳をすますと追手の声は聞こえない。どうも自分よりも歩きは遅いようだ。開き直って、ここで一服休憩。実際は、さっきからこちらの姿と状況は丸見えになっている状態かもしれない。ましてチャリンチャリンしながら歩いている。
さて、370mを惜しみながら下る。なだらかな尾根は、今年の紅葉巡りのよろしくない経過の自分にとっては満足な色づきだ。ただ、ツツジ系なのか葉が小さいのが難点。その種のピンクのツツジの花も見かけた。
そして、本日最後のミス。二度あることは三度あるどころか、三度の後は四度目だった。ここもまた小ピークを若干南西に下るべきところをつい南東に入り込んでしまった。地図を見て、次の要注意スポットと思っていたところだ。ここはすぐに引き返した。しかし、今日は散々だ。
(青空バックの黄色もきれいだった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/bd/04fac3d720f19cc3e496628cdcb40f8a.jpg)
(そして明山。左に烏帽子岩)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/bd/16bc3a025e0afcbf83259d74815651a1.jpg)
明山が見えてきた。あの象のような周囲を睥睨している姿は特徴的ですぐわかるし、左で小象のようにかしこまっているのは340m峰の烏帽子岩だろう。予定では、烏帽子岩に登り返すことは考えていなかった。何せ風が強くて冷たい。岩峰らしいし、風も吹きさらしだろう。そのまま破線路を辿って明山に行くつもりでいる。
破線路に出るまでの難関はまだ2か所残っている。いずれも尾根分岐だ。尾根が屈曲しているから曲者だ。このやや南西方面に向かっている尾根の先350m級ピークの分岐、そして次の280級ピークの分岐だ。ともに左寄りに下ると、早々に竜神川に出てしまう可能性がある。これまでも慎重に歩いたつもりでいてあっさりとだまされている。
(下るに連れ、次第に少なくなってきた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/56/7b73f91cd667224169ad1db76296baeb.jpg)
(烏帽子岩)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/d7/a1eb16ec2cd534c58ca14b6fb849fc7d.jpg)
薄い踏み跡を目を皿にして探しながら下ると、2か所ともに無事に通過。GPS確認でもOK。ただ、気分的に破線路が近づくと懐疑的になった。というのも、全体の景色が薄暗くなったからだ。それでいて正面には烏帽子岩らしき岩峰が見えている。
(烏帽子岩との鞍部。薄暗くて寒い)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/93/7251f0cf8fba39af9134f90af5ccc0f0.jpg)
(地図上の西側破線路)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/e6/b978d3718cfdfe4acb6eba441d137e73.jpg)
ヤブめいて急なもろいところを下ると鞍部に出た。薄暗くて陰気な峠だ。この左右が破線路か。随分と不明瞭な道らしからぬ踏み跡が続いている。参考にした他人様のGPS軌跡で地図上の破線路と実際の踏み跡とは離れていることは知ってはいた。鞍部の位置はずれても、一応は、ここまで来れば安心だ。登り返さずともに東に踏み跡をたどれば武生神社に無事に戻れる。この辺の地理に詳しい方なら、何をそんなに脅えずともと思うだろうが、奥久慈はまだ2回目の初心者マーク。ビクビクしても仕方がない。しかし、ここまで自分には難路だったわ。
今思うと何ともお笑いになるが、ここで何を考えたかというと、愚かなことに逃亡者さながらに追手のことを深刻なレベルで考えていた。よほどに料簡が狭くなっていたのだろう。これも、ここまでのルートミス4回が背景にあることは確かだ。
このまま明山に向かえば下って登りにもなるが、下りきった竜神川からだと明山への単純標高差は260mはある。いずれは追い越されるだろうから、A.ここで待機して追手にあっさりと追い越してもらう。 B.先行してもらうためには、ここは時間稼ぎで烏帽子岩に登るべきだろう。 C.万一、相手が烏帽子岩に登ってきたら、烏帽子岩で昼食でもしながら長居して、先に行ってもらう。 D.Cの腹案で、烏帽子岩に登ってきたら、相手も当然休憩もするだろうから、一服だけしてさっさと下る。 E.なすがまま。
5ブランを想定し、烏帽子岩への登りがどんなものかは知らないが、ここはC、Dプランで烏帽子岩に登ることにする。こうなると心療内科通院の世界だろうが、こんなマニアックルートで、相手が複数、こちらは単独といったシチュエーションになると、文章化すれば笑えても、だれしもが思うことだろう。用足しするにしても、いくら緊急事態とはいっても、他にハイカーがいれば、いきなりヤブの中に入り込むわけにもいくまい。かかる時間を勘案し、他と安全圏の距離を置いてからするものだろう。だが、結果は5パターン以外の予想外のものだった。むしろEに近かったか。
(烏帽子岩山頂)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/d0/6b9979e894066d3b0f38b34fe9a47f87.jpg)
(ここからは双耳峰に見える)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/e4/5664de9359bca23f901ff9cc7c5863c3.jpg)
(明山はヤブに隠れている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/be/655598c8edbe48652aa01c8bc9e52af7.jpg)
ともあれ、あまり気が乗らないままに烏帽子岩に登る。日陰と風ですこぶる寒いし、上は風がうなっている気配がする。見た目通りに急斜面の登りになったが、途中から巻き道になった。結果として10分少々で山頂に出てしまった。これでは時間つぶしにもならない。もうEプランに変更し、おにぎりを食べて一服つけた。やはりここは風が強い。展望は良いが、木立が邪魔になる。明山はすぐそこに見えている。できるなら、ここから直接行きたいものだが、ここから西に下る尾根がどんなものなのか、どうも岩峰という意識があって、確認はしなかった。
(慎重に下る)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/f0/b2be66c135a6e4edff13813dec1d479b.jpg)
滑らないように慎重に下って行くと、鞍部の峠で休んでいるらしき人の声が聞こえた。結果はアチャー。袋のネズミだった。オバチャン2名。烏帽子岩から下って来たことに驚いている気配はなく、おそらくずっとこちらの行動は上から目線で筒抜けの状態だったのだろう。言い訳がましく「中武生山から下って来たんですが、尾根分岐で散々間違えましたよ」と言うと、「あらっ、こちら初めて? 私たち、ここよく歩いているから迷いはしなかったけど。以前ね、テープがいっぱいあったのに、だれかが全部取っちゃったのよ」。すぐに瀑泉さんのことが浮かんだ。しかし、尾根分岐のテープまで掃除することはあり得まい。まして、瀑泉さんがこの辺を歩かれたのは7年前のこと。その記事には「目印の赤テープは信頼できるものなので追っていけば尾根を乗り違えるとこはありません」とある。そんな瀑泉さんが裏腹な行動に出るはずもない。自分が見たテープは444mの巻き付けと外し忘れの尾根上の2か所くらいのものだった。あとはだまされた60m下りの作業用テープのみ。今度改めて来たとて、絶対に同じところで繰り返しのミスをするだろう。
余計なことだが、テープがゴチャゴチャ付いていて景観を損ねるから外す。然りと思う。ただ、下から登って来れば、尾根分岐には目が行き届かないからすべてが外す対象になってしまう。だが、上から下って行けば、紛らわしい分岐も出てくる。外し方にも良識のあるやり方というものがあるのではないのか。足尾の山で外し回っている立場の人間の見識だ。
オバチャンたちはまだ休んでいる気配なので、いずれ抜かれるだろうが先行することにする。一応「この踏み跡を下れば明山のハイキングコースに出られますよね」と念押ししてから下る。
何だ、あのオバチャンたちだったら、極度に緊張することもなかったかと思いながら下る。それにしても、あんな薄暗く寒いところでよく休憩できるものだ。
(荒れた沢型を下り)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/2e/44a83bf18af7f16ecf604daccced3264.jpg)
(竜神川に出る。後の祭りだが、この辺の紅葉が良かったようだ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/7c/8e0c81d67fe6e200d1f9399130769a3f.jpg)
ここは倒木が多くて踏み跡も薄く、歩きづらい。ほどなく竜神川に出た。ここの紅葉、みー猫さんブログの速報版に写真が載っていたが、さして紅葉は進んでいず、むしろきれいなモミジを見ることはなかった。
川の水は少なく、あっさりと対岸に渉り、破線路の続きに入る。ここの破線路、やはり地図上の破線路とは大分違っていて、無理に辿ろうとすれば迷うかもしれない。実際に踏み跡があるかどうかも怪しいところだ。
(ようやくきれいになってきた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/df/ae183ee1f696fdcfb67b25676f864c0d.jpg)
(烏帽子岩)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/0a/2cb8d413b001c0ee7df968c82119600f.jpg)
(緑混じりがちょっと残念)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/3d/f7e79ab0e61a22b57bb45643f26f8218.jpg)
ここに来て、ようやく紅葉が始まったといった感じがする。中武生山からの下りでも紅葉は続いていたが、まだ6分程度のもので、赤とてオレンジっぽく、鮮やかさに欠けていた。こことてこれからだろうが、色づきの比較は良くなっている。振り返ると烏帽子岩が見えている。見る限りは西尾根伝いに下って来られる感じはする。岩場が見えていないだけかもしれない。
(植林に入り)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/eb/c1f621dbfc580ffe881cde843dbe55b7.jpg)
(上山ハイキングコースに出る)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/57/762275159908b3ba6338622e3352c605.jpg)
(やはりちょっとフライングか)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/e9/5c8bec00496aec9cf812c7f5d9a5faa9.jpg)
(色濃くないからな)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/39/84d755650564bc844be5e80a86767a51.jpg)
上に行くと緑が多くなり、植林の中に入った。紅葉は樹間遠くに離れた。傾斜がきついわけではないが、ちょっと息切れがし出したのでストックを出す。そして、間もなく上山ハイキングコースに出た。標識が置かれ、来た方向には「至竜神川→」とある。この先、明山までは昨年歩いている。紅葉はこのコースの手前がハイライトだったし、ぶなじろうさんのブログを見ているから、その2日後の今日では、この先の期待は薄いかもしれない。
植林を抜けて行くと、やはり…か。まだまだ。せいぜい今度の週末以降だろう。中には焼けてしまっているのもある。それでも色はあるので、周囲を見ずに黙々と歩いているよりはまだ気分も良い。
(明山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/b6/b35769a284bb0ca3719d49351561f7ca.jpg)
(その1)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/e1/55ded50dc8a11814758880bb58c12b05.jpg)
(その2)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/84/526cfe0f588df4a008a23c4d994000af.jpg)
(その3)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/6b/df24be0a9dea2194bbc18085a906fa85.jpg)
明山が正面に見えてくると、次第に紅葉が賑やかになった。アンテナのある町道分岐周辺が本日のハイライトだったが、昨年の派手さはなく、むしろ地味な紅葉に落ち着いている。しかし、これだけでも楽しめれば来て良かったようだ。ということは、ちょっと一枚岩の方まで引き返せば良かったか。もうあのオバチャンたちのことを気にするまでもないことだし。そういえば、あれから話し声がまったく聞こえなくなったが、明山に向かったわけではなかったのだろうか。竜神川周辺の探索だったのかなぁ。声が聞こえてこないのがむしろ気になってくる。
(この先はもうないだろう)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/4a/5788d2f04c1230096ec47e16f8024d01.jpg)
(一応、まだあったのを)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/9e/bc17e9b1bdb4512b76eb915821b937c8.jpg)
(しつこく)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/76/53b3e04b827eab5b345f87082f6a87e5.jpg)
紅葉の短いハイライトスポットは抜けた。赤いモミジも徐々に少なくなった。明山の色具合は結構深かったのに周辺の紅葉は淡い。
(三葉峠)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/72/47b55a996f8b16c8617fc479b46e9dd9.jpg)
亀ヶ淵・竜神峡分岐のある三葉峠にさしかかる。帰路はここを下ることになるが、看板を見ると、「増水時は通行できないかも」なんて記されている。何沢というのか知らないが、さっき渉った沢の水量からして問題はないだろう。
オジサンが下って来てこんにちは。ヘルメットをかぶっているが、これは用心のためだろう。案外、岩登りで来たのかなぁ。今日の歩きで、出会ったのはオバチャン組とこのオジサンだけ。この時期だから、平日とはいえ紅葉の時期だし、結構入山しているのかと思っていた。
(登って)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/f0/2bc58f5c03596dbc0c4c71147efca47c.jpg)
(明山山頂)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/9a/0f5e7adf1a71f3d2c9ec9e425a966a59.jpg)
直登コースを登る。ロープには手を出すまいと思ったが、ストックを収納せず、そのままダラリと提げていたからついロープ頼りになってしまった。模範登りをするなら、ストック収納が常道だ。
明山山頂でしばらく休む。ポットを持ってきていたからニュウメンスープを飲んだが、このスープ、賞味期限から3か月経過している。そのせいかまずかった。
(山頂から1)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/6c/f3b7735e839b1187729ebcd4d276475c.jpg)
(山頂から2)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/3f/028cd11aef5f5aad7ff1f383556cb641.jpg)
(山頂から3。歩いた林道が見えている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/ba/2ebbce021b126d2ba6b8ac2ee2817ac2.jpg)
(山頂から4。中央下の小高いのが烏帽子岩だろう)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/e3/86411fc1965cf627c61c399f1812cf1b.jpg)
だれもいないのでのんびりとした。風は相変わらずに冷たい。周囲の景色を楽しむ。竜神大吊橋は今日あたりは混雑だろう。富士山はぼんやり雲で見えない。ここから見る中武生山は双耳峰だ。歩いて来たルートを目で辿る。ここから見える顕著な分岐尾根はやはり三度目のミスポイントで60m下ってしまった尾根だ。あとは、目で追う限りは問題なく下れるようなのだが…。
(下る)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/58/627c4c362c3a5534d3e2a58173a51372.jpg)
セルフを撮って下る。帰宅してから昨年の明山から撮った写真と見比べたが、やはり、全体的に昨年よりも紅葉の色具合は淡かった。
反対側から下り、三葉峠に出る。ここから亀ヶ淵まではどんな具合なのか。しっかりした踏み跡でもあるのか。地図上には破線もない。不安な下りでもある。
(亀ヶ淵へ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/a1/d48189d3da3c0e2ea250f3fd78204431.jpg)
(期待はしていなかったが、色づきがあった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/6a/dacf9ce259f7ec9d14b529f6938c7662.jpg)
大分歩かれている感じの踏み跡が続いているが、整備されているのは標識だけで、2、3か所で倒木が道をふさぎ、跨いだりくぐったりした。落ち葉が堆積して不明瞭なところもあるが、全体としては迷わずに歩けるし、テープも見かける。
(雰囲気は良い)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/0b/4a8c379b13d09fab080f5bbecda59218.jpg)
ここは山陰になっているせいか、これからの紅葉が控えてはいるが、スポットと呼べるほどの場所ではなさそうだ。亀ヶ淵に出るまでに5枚の標識を見かけた。いずれも新しく、ここ数年の間に設置されたのだろう。
(スズタケの間を下り)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/a3/828b14751eb0fd9af998733f56cadc44.jpg)
(亀ヶ淵に着いた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/b8/de7142842248afb3a2fcde585a86df7d.jpg)
人の声がし、車が見えて亀ヶ淵に着いた。手すり付きの階段を下ると、左に小滝が見える。ちょうど川を渉ったあたりの河原の広場に男女5人の観光組がいた。その真ん前を通ることになり、ちょっとためらったが、この先、どこをどう行くのかも知らず、このまま下るしかない。その際、対岸側に北に分岐する道があった。もしかすると、あれかもと思いながら亀ヶ渕橋を渡り、看板がありげなところに行ってみた。看板を見るとやはりあの道だった。その進行方向には武生神社とある。
あの若いうるさい連中から離れたく、この辺の探索もせぬままに分岐道に入り込んだ。騒ぎ声はしばらく聞こえていた。
(小滝を眺め)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/4c/4d6974adaa9208d796ae23fd606e7abc.jpg)
(沢の景色は左に離れて行った)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/c2/58913aa307b7439f800a07ed9d2052f7.jpg)
(山道歩き)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/82/69d88525107ea391c8eb0b96a81942e6.jpg)
ここから林道までは登り一辺倒になる。標高差250mはある。この期に至っての登りはちょっとうんざりする。ここもまた地図には破線のない明瞭な道で、「水府村」が設置した標識が続いている。村は2004年に常陸太田市に編入合併されたようだ。
最初のうちは変化に富んだ沢の景色を眺められたから良かったが、そのうちに沢が左に離れ出すと、ただの山道になった。植林ではなく、周囲は針広の混合樹林だ。この登りがジワリと急で、結構、身体に応える。休み休みの歩きになる。
(中武生山を見て)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/2b/faa08155b071339e5d452f3b51146f19.jpg)
(破線路に合流した)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/85/215aeec44f30ba74e42bacf7ccf07ae3.jpg)
武生神社1kmの標識が出てきて、左に中武生山や烏帽子岩らしきピークが見えてくる。この先に向かっているような尾根があるが、あれが破線路尾根だろう。
尾根上に出た。ここが破線路との合流らしい。石のベンチがあったので腰かけて休み、菓子パンをほおばる。尾根の西側を見ると、心細いような踏み跡になっている。一服し、もう一頑張りだ。そろそろ行こうかと腰を上げると、その西側から声がかかった。「ようやく追いつきましたね」。オバチャン組だ。どこを歩いていたのか。やはり、竜神川周辺を探索していたらしい。そして「きれいな紅葉を楽しんできましたよ」とおっしゃる。この辺に精通されている方々だ。よほどにきれいだったのだろう。川を渉った時にはさほどに感じなかったが、やはり、少しはうろつくべきだったようだ。
(先に行っていただく)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/ea/782245712372e75eb0e0c8d442b5fa25.jpg)
「お先にどうぞ」と言われたが、こちらはかなりくたびれていたので、先で追い越されるに決まっている。「いや、私、もう少し休んでいきますから」と、腰かけ直し、吸いたくもない2本目のタバコをゆっくりとふかした。何ということはない。そろそろ距離も離れたからいいだろうと歩きかけると、100mほど先のベンチで休憩していた。気恥ずかしく「お先に」と先行することになってしまった。
(道をふさいだ倒木)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/89/91adecd75b2d1e2c4cfd121da0500ea8.jpg)
(あちこちにあるベンチ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/5b/be73c320d9aed6badaf7bd057d316940.jpg)
不思議な道だ。石のベンチがあちこちに置かれている。南側の展望はないが、北側の景色とてたいしたものではない。そしてしっかりした道。今は亀ヶ淵からの道がメインになっていて、破線路通しのハイカーは少ないようだが、この具合では、石のベンチも古いし、破線路沿いに竜神川まで続いているのかもしれない、
(林道直下の分岐標識)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/47/c5539086a2f9e71cb428239bf084c476.jpg)
(右手は竹が続いている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/49/9850e8aeacc945f16758fba66d2c55e2.jpg)
(林道に出た)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/b6/e6e6bace2231074aa0b26a00d09bbee4.jpg)
緩い傾斜が続き、もう林道らしきものが上に見えてくると、分岐の標識が現れた。左は「武生林道0.3km」、右は「武生神社0.6km 展望台0.3km」。展望台とは、林道沿いに神社手前にあったアレだろう。林道までは同じ距離だろうと、右を選択。
細くなった道を行くと、また近年設置の標識。もうガードレールは見えている。右に細い竹林が出てきて、道の真ん中に新しいクマ糞。やはり、こんなところにもいるんだと思っていると、ガサリと音がした。竹林の斜面を覗き込むと、それらしき動く黒いモノは見えなかった。
林道に出た。脇に看板が置かれている。亀ヶ淵まで1.5kmとある。ドライブで来て展望台に登っているらしい人が2人。郵便屋さんがバイクで林道奥に走って行った。こんなところにも郵便を受ける人が住んでいるのか。
(駐車地)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/dd/6c7450a319e98a4d9ee9d1fc2ed40579.jpg)
ここで武生神社のことを知っていれば、そのまま神社に足を向けたが、この時点で歴史的な情報は知らず、朝の薄暗いイメージしかなかったので立ち寄ることがなかったのが悔いる。もう来ることはまずないだろう。
車に戻って帰り支度をしていると、オバチャン2人組が戻って来た。林道0.3kmの方を選んだようだ。こちらよりも上に止めた車に向かって行った。他にも車が1台あったが、自分と同じように尾根ミスしながら歩いているのだろうか。
来る際に竜神峡のもみじ祭り開催中の幟を見ていたので、帰りに寄ってみるつもりでいたが、それなりの紅葉を見たことだしとやめにした。まして、そちら方面に往来する車も多かったし、もういいかといった気分だった。
自宅まではかなりの距離だ。平日の高速代は高い。往路は通しだったが、帰路は上三川インターで出て新4号線を使って50号線に出た。
しかし、今日は散々に迷って、気分的にも疲れたし、最後の登りもつらかった。瀑泉さんのおっしゃる「変化に富んでいる」は、自分には「変化に富み過ぎ」だった。紅葉のタイミングは悪かったが、明山手前で、素晴らしいほどではないがきれいな紅葉に接しただけでもマイナス面はいくらかカバーされた。奥久慈も男体山はおろか月居山にも行ったことはない。瀑泉さんのコメントには白木山というのもあった。次はそれらの山の中からということになるだろうが、自宅からの距離がどうもねぇ。
(本日の軌跡)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/40/206a74e1ede566ac20be9bec8197e8f8.jpg)
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
武生神社先駐車地(8:08)……林道から取り付く(8:33)……中武生山(8:50~8:56)……444m標高点(9:28)……鞍部・破線路合流(10:54)……340m烏帽子岩(11:06~11:16)……竜神川(11:29)……上山ハイキングコース合流(12:04)……明山(12:50~13:11)……亀ヶ淵(13:45)……破線路合流(14:23)……駐車地(14:48)
昨年の11月18日に篭岩山、明山周辺を探索して紅葉の盛りに遭遇した。何とも素晴らしいモミジ群をだった。今年も行ってみたかったが、駐車地まで、あの民家の軒下が並んだりの狭い道を延々と車で行くのは何ともおぞましく、軽自動車で行ったら3時間半超えの走りはつらい。もう行くことはないだろうと諦めていた。
それでいて、あの時に明山側から北に見えた三角形のピークがどうしても忘れられず、そちらならどうにかなるかとネットで調べると、途中から林道になるとはいえ、車がすれ違える余裕のある道幅のようで、だったら、行ってみようかと、すっかりその気になってしまった。
この三角形ピークだが、一年前のブログ記事に瀑泉さんからいただいたコメントによれば、「中武生山」(中たきゅう山)という554.8mの三角点峰で、中武生山~烏帽子岩への稜線歩きは変化に富み、さらに明山方面に向かうあたりも紅葉がきれいでお薦めと付記されていた。だったら、そのコースを歩いてみることにしよう。一応、他人様の武生神社起点の周回記事を参考に、地図にコースマーカーを入れた。
ただ、いくつか不安があった。その他人様のGPS軌跡の亀ヶ淵周辺の歩き、破線路、実線路以外の線無し部分が尾根通しとか沢伝いになっていないこと。その辺は踏み跡でもしっかりあるのか。これは現地対応で行くしかない。そして、日にち的には去年の18日より3日遅い程度だし、紅葉は問題ないと思っていたが、19日に篭岩周辺を歩かれたぶなじろうさんやみー猫さんの記事を拝見すると、紅葉はまだ早いような気配だ。それは、ここ数日の冷え込みで一気に加速していることを願うしかない。
林道入口を素通りしてしまい、先でUターンして林道に入ったが、やはりすれ違いの問題はまったくなく、しっかりと舗装もされている。それどころか、上に行くに連れ、これ一般道じゃないのかといったほどの道幅になり、センターラインまである。これが林道とは不思議だ。去年のあの町道だったか市道は何だったのか。
(武生神社の鳥居)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/1b/b2c309056c52df91b40c10b0f0f4cdf4.jpg)
地理を知らずに、車の置き場所は神社とばかりに鳥居をくぐって武生神社に入り込んだが、車を置けそうな場所はあったものの、全体が薄暗くて何となく不気味。林道の路肩に止めた方が無難かと林道に戻り、鳥居の前の路肩に車を移動したが、ここは傾斜があって、車止めになるような石もない。準備をして不安な気持ちで歩き出したが、すぐ先に平らな、まさに駐車場といった広いところがあり、車に戻って、そちらに改めて移動する。出発からややこしいことをした。
この武生神社、その時は調べもしないで出向いたが、坂上田村麻呂が本殿を奉献し、南北朝の時代には北朝側が砦を築いて拠点にしたという由緒のある神社らしい。それを知っていたら、帰ってから寄ったのにと惜しまれる。それにしても、南北朝の争いが常陸の国にまで飛び火していたとは知らなかった。地図を見ると、この神社のある一帯が武生山のようだが、中武生山までは距離がある。どういう関連で「中武生山」としたのかは郷土史家の世界だろう。改めて出発。
(展望台が随所にある)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/11/079ebbc5ef1f1415851f14dc8ab7e56a.jpg)
(左に見えるのが中武生山だろう)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/8b/518e35e89dfbed34dddd2e461ff8da61.jpg)
(右に上がっていく階段)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/31/573b7125bc26862029fa7c228f7b14dc.jpg)
(林道沿いの紅葉)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/47/8a51c3d8c071450ddb4aeefe4a6e3655.jpg)
幅広の舗装林道(林道武生線)を長々と歩く。これでは退屈と、旧林道らしきところに入ってみたりしたが、結局は新林道に出てしまう。展望台らしきものがあれば登って景色を眺める。視界に入るエリア全体の紅葉は陽があたっているのでいい感じだ。ただ、周辺の樹々の色はあまりよろしくない。展望台からは中武生山らしきピークも間近に見えている。
林道右手に登る階段があった。尾根伝いに林道に並行して行けそうな気がしたが、フィニッシュで崖にでもなっていたら戻ることにもなる。まして擁壁にもなっている。ここは自重し、林道の周囲の紅葉を楽しみながら林道をひたすらに歩いた。いうまでもなく、まだ舗装道で、せいぜい、センターラインが消えたくらいのもの。
(ここから登る)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/85/af332b1c65d79a449dc6abbac26bb4b3.jpg)
(道は斜めになっていて歩きづらい)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/67/4687b2e89fcce774270825ea2bab5196.jpg)
人が住んでいるとも思えない民家(もしくは集会所か?)の脇を通ると、ネット記事の写真で知っていた擁壁が左に現れた。ガードレールも途切れている。登山口はここからのようだ。標識の類はなく、見落としそうな赤テープがあるだけ。入り込むと、踏み跡が続いていた。
踏み跡は、落ち葉に覆われ、明瞭というほどのものではないが見落とすことはない。ただ、土が乾いていて、その上の落ち葉歩きだから結構滑る。まして、尾根に直登かと思っていたら、トラバース気味に斜めにゆるりと上っていて歩きづらい。
(尾根に乗って)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/79/42cdb94737465542411dd2a93285710e.jpg)
(紅葉を見たりしながら)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/73/890a5a35a118a9242ce8dad4a34d3e06.jpg)
(行くと)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/c7/ec33df0f40b5fad2976ea531233ab785.jpg)
(中武生山山頂。左に落ち葉に埋まった三角点)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/82/98cb506e138e8937f7bfb76f00d2a1d1.jpg)
尾根が近づき「中武生山→」の手書きテープを見ると、じきに尾根に乗った。穏やかな尾根だ。左斜面の紅葉はきれいだが、まだ半端。緑のままも多く、全体の色が淡い。期待はこれからだろう。
あっけなく中武生山の山頂に着いた。三角点があるだけの素っ気ないピーク。山名板もない。広さは5畳一間くらいか。展望無し。この山はやはり遠くから眺める山なんだなぁと思ったりしている。地味尾根、地味沢を好んで歩いても山頂は360度に越したことはない。
まだ先は長いが、一応の儀式としてまず一服。この程度ですでに汗をかいた。出発時の冷え込みは相当なものだったが、それに合わせて、上下はヒートテック、厚いシャツ、トレーナー、フリースといった着こなしだから汗もかく。トレーナーは脱いだ。下のヒートテックも脱ごうかと思ったが、これはまだ先でいいか。まだ蒸れた感じもないし。
(いい感じ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/2e/87c98d1e347e2fc1c3822698947a8dfc.jpg)
(540級ピーク)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/9e/8d2b8ecf54912d477b81d76c135620bc.jpg)
(男体山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/3f/e0e4499e93e5762586707fb23e4e1bd4.jpg)
南西の540m級ピークに向かって下る。去年対岸から眺めたこの中武生山、角度によって三角形の単独峰に見えたり、双耳峰に見えたりしていたが、後者の場合は、その540mピークが片耳だろう。右に奥久慈男体山が見える。あの山には電波塔でもあるのか。それらしき人工物がかすかに見えている。
倒木を越えて540m級ピークに出た。赤ペンキの色が落ちかけた標石があるだけのピーク。ここは中武生山よりも15mほど低い。この標石だが、この先でも随分と見かけた。
さて、ここまでは踏み跡頼りに来られたが、短区間ながらも、歩かれているルートのわりには踏み跡が不明瞭なところもあったり、さらにテープ類がまったく見られない。ここからは南東に下る尾根に乗るから用心してコンパスを出して合わせる。ここは特に紛らわしい分岐尾根もなく、直進はササヤブになっていて、踏み跡も左寄りに付いている。不安なのは、尾根先でやや南寄りになり、等高線が広くなっているところだ。その鞍部から尾根を乗り換えるような形になる。踏み跡はしっかりしているだろうか。
(光の加減で黒く見えるのか)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/64/90636920a4d02a55e327942c1aa3afd9.jpg)
(この辺はあと一週間か)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/df/ddc907bd6a9de0688ad1cd68f87d8205.jpg)
(いつしかスズタケヤブに入り込んでいた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/a5/201e5aeb7414ab724884cb5f6e2380cd.jpg)
黒ずんだり緑の混じった変な具合の紅葉を見ながら下って行くと、やはりやらかした。微妙な南分岐を気づかずに通り過ぎると、スズタケのヤブに入り込んでいた。周囲を見ても踏み跡らしきものはない。ミスに気付いて戻ろうとしたが、余計な歩きになりかねないなと、コンパスに合わせてトラバースを試みる。スズタケをかき分けて行くと、444m標高点に通じる尾根が見えてきて、何とか乗り移った。
(444mとばかりに思い込み、写真を撮ったりしている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/6e/37984e0eba3cd62fef6cdcc2935cd68f.jpg)
(しっかりした踏み跡優先で行く)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/55/0b63b8b967ee355c2c3088a5fd19265c.jpg)
それでいて、尾根に乗ると、すぐの小ピークを根拠もなく444m標高点と思い込み、コンパスをセットし直す。ここからは南下と、南に向かいかけたが、明瞭な踏み跡が南西方向に向いていて、いずれは南向きになるのだろうと、これを優先して辿る。早々に、かなりいい加減な歩きになりつつある。
(444mの岩峰)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/fc/7b493d11fd5659c8ea021249c94e8d3a.jpg)
(振り返って。あれは中武生山先の540m級ピーク)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/3c/cad37793201925eca66e30cdcbabc2e6.jpg)
(444mから1)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/a6/cca687c91ea6be6cd655a9cdb0b22f01.jpg)
(444mから2)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/0b/46a2fb28df6cd7b2ae4c4a3e09a60217.jpg)
(この辺は賑やか)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/08/49676eab6fcf07e6ad412ab0533823da.jpg)
前方に岩峰が見えてきた。GPSを取り出し、ここでようやく、あれが444mピークだと知る。振り返れば、先ほどの540m級ピーク。あそこから迂回しながらここに来たことになる。
正面の岩峰、あれどうやって越えるんだいと思いながら行くと、巻くことなく正面からあっさりと登れた。ピークにあるのは標石と樹に巻いた黄色テープ。ようやく設定ルートを歩いていることに安心し、頭もリセットさせたが、この先も紛らわしそうな尾根がやたらとあるので、無事に南にある東西をつなぐ破線路に出られるのか次第に不安になってきた。それでいて、踏み跡はあるしなといった人頼りの安心感があった。
(ここを下ろうとしていた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/b3/7d232748039c8def496783a7143693b6.jpg)
(下から。左右いずれからでもあっさり巻けた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/61/9ff27d9910349f3ade00ad17e8e8eccd.jpg)
そんなことを思っている直後にまたやらかした。ここで南西から南に進路変更するから、改めてコンパスをセットし直しするのが筋なのに、さっきセットしたからと、そのまま南西尾根に引き込まれて下っていた。というのも、何も考えずに踏み跡もあるしこちらだろうなと南の方に向かったら岩があり、こちらじゃないなと南西に下っただけのことで、すぐに胸高のササヤブの世界になり、あちこちに踏み跡を求めたがあるわけはない。ふと見上げて右手を見やると、穏やかな尾根が南に続いている。444mに戻り、首を傾げながら妨げられた岩を見ると、しっかりと巻いている踏み跡があった。先入観を持つと、見えるものも見えなくなる好例だ。
だが、こんなミスがこれで終わるわけはなく。その後も続く。
ヤレヤレと思ってほっとしていると、後方から女性の声が聞こえてきた。少なくとも2人以上のグループだ。これはヤバイ。平日にこんなところを歩いているのは自分だけだと安心しきっていた。姿を見られないうちにさっと行かないと。
左手に植林が現れ、雑木との間を下るようになる。この先の小ピークでまたややこしい歩きになるはずだ。南東に下り、すぐに南、さらに南西に方向転換だ。その間に別尾根があって、どうも怪しい気配になっていそうだ。慎重に行かないことには。そろそろ踏み跡もかなり薄くなっていることだし。
(3度目のミス。植林の中をしばらく下っていた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/dd/6e4736d1af6162e8613b7966fdaf0009.jpg)
立て続けの3回目をやらかす。小ピークに登ると、これまでになかったピンクのヒラヒラテープが目についた。先にも見えている。踏み跡もある。ようやくほっとした気分で、コンパスも見ずに尾根を下って行ったが、大分下ったところで植林の中の下りになり、こんなに下るのはおかしいとコンパスを見れば別方向を指し、GPSを見れば、やはりやらかしていた。南ではなく南東の尾根を60~70mほど下っていて、このままでは、地図の上では水線のある沢にすぐに出てしまう。大汗かいて戻った。
(この辺の赤味は良かった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/55/70a7dd095aee2086e6421fa3005ccaed.jpg)
かなり時間をロスし、正規ルートに再び乗った時には、これで後続者も先に行ってくれたろうとほっとした気分も出た。もう尾根分岐はじっくりと確認して歩くことにしよう。これが上りなら高いところに行けばいいだけのことだが、下り基調だから始末が悪い。すべての尾根が下っている。ややこしくなって間違えもする。何で少なくとも尾根分岐にテープやら標識もないのだろう。そういえば中武生山の山名板もなかった。自分のミスを棚に上げ、つい常陸太田市の観光行政に声を荒げたくなる。それにしても、ここを歩く人は器用だねぇ。こんなミスを繰り返すのは自分だけだろう。
先に行くと、ちょっとばかり展望の良いところに出た。もうそろそろコンパスも南固定でいいだろう。後ろにはもうだれもいないはずだしと、休憩に入るべく、石に腰かけてタバコを取り出して口に咥える。と、後方から追手の声が聞こえた。何をモタモタして歩いてんだよ。せっかく、わざわざ先行を譲ってやったのに。タバコを箱に戻し、腰を上げた。
ここで、自分は休んで先行してもらうという手があったが、その気になるのも姿が見えていたらの話で、声だけのうちはどうしても先に行っていたいという思いになるもの。まして先行してもらうと、今度はこちらが追い越したり、追い返されたりでわずらわしい関係にもなる。
(また岩峰)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/c8/e5728f91e4f8a2f937c8c877242de1af.jpg)
西側の山肌の紅葉を眺めながら歩く。良い気分だ。それもつかの間。また小さな岩峰が出てきた。これは簡単に登れそうだしと直登したが、今度は下るのがきつい。何とか切り抜けて先に降りたが、しっかりと岩峰巻きの踏み跡が下から合流した。大分、気持ちの余裕がなくなってきているようだ。これも追手のせいか?
(370m級ピークから)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/b5/f2104f19057dd84499f8b5ee9db89d1b.jpg)
(ここからの眺めは良い)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/05/f1ad89882bc5d2784753d5cbed5f93d6.jpg)
すぐに登りになって370m級のピーク。岩場にはなっているが、展望良好。振り返ると、中武生山(実際は540m級ピークだろう)が良く見える。周囲の展望もなかなかのものだ。耳をすますと追手の声は聞こえない。どうも自分よりも歩きは遅いようだ。開き直って、ここで一服休憩。実際は、さっきからこちらの姿と状況は丸見えになっている状態かもしれない。ましてチャリンチャリンしながら歩いている。
さて、370mを惜しみながら下る。なだらかな尾根は、今年の紅葉巡りのよろしくない経過の自分にとっては満足な色づきだ。ただ、ツツジ系なのか葉が小さいのが難点。その種のピンクのツツジの花も見かけた。
そして、本日最後のミス。二度あることは三度あるどころか、三度の後は四度目だった。ここもまた小ピークを若干南西に下るべきところをつい南東に入り込んでしまった。地図を見て、次の要注意スポットと思っていたところだ。ここはすぐに引き返した。しかし、今日は散々だ。
(青空バックの黄色もきれいだった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/bd/04fac3d720f19cc3e496628cdcb40f8a.jpg)
(そして明山。左に烏帽子岩)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/bd/16bc3a025e0afcbf83259d74815651a1.jpg)
明山が見えてきた。あの象のような周囲を睥睨している姿は特徴的ですぐわかるし、左で小象のようにかしこまっているのは340m峰の烏帽子岩だろう。予定では、烏帽子岩に登り返すことは考えていなかった。何せ風が強くて冷たい。岩峰らしいし、風も吹きさらしだろう。そのまま破線路を辿って明山に行くつもりでいる。
破線路に出るまでの難関はまだ2か所残っている。いずれも尾根分岐だ。尾根が屈曲しているから曲者だ。このやや南西方面に向かっている尾根の先350m級ピークの分岐、そして次の280級ピークの分岐だ。ともに左寄りに下ると、早々に竜神川に出てしまう可能性がある。これまでも慎重に歩いたつもりでいてあっさりとだまされている。
(下るに連れ、次第に少なくなってきた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/56/7b73f91cd667224169ad1db76296baeb.jpg)
(烏帽子岩)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/d7/a1eb16ec2cd534c58ca14b6fb849fc7d.jpg)
薄い踏み跡を目を皿にして探しながら下ると、2か所ともに無事に通過。GPS確認でもOK。ただ、気分的に破線路が近づくと懐疑的になった。というのも、全体の景色が薄暗くなったからだ。それでいて正面には烏帽子岩らしき岩峰が見えている。
(烏帽子岩との鞍部。薄暗くて寒い)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/93/7251f0cf8fba39af9134f90af5ccc0f0.jpg)
(地図上の西側破線路)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/e6/b978d3718cfdfe4acb6eba441d137e73.jpg)
ヤブめいて急なもろいところを下ると鞍部に出た。薄暗くて陰気な峠だ。この左右が破線路か。随分と不明瞭な道らしからぬ踏み跡が続いている。参考にした他人様のGPS軌跡で地図上の破線路と実際の踏み跡とは離れていることは知ってはいた。鞍部の位置はずれても、一応は、ここまで来れば安心だ。登り返さずともに東に踏み跡をたどれば武生神社に無事に戻れる。この辺の地理に詳しい方なら、何をそんなに脅えずともと思うだろうが、奥久慈はまだ2回目の初心者マーク。ビクビクしても仕方がない。しかし、ここまで自分には難路だったわ。
今思うと何ともお笑いになるが、ここで何を考えたかというと、愚かなことに逃亡者さながらに追手のことを深刻なレベルで考えていた。よほどに料簡が狭くなっていたのだろう。これも、ここまでのルートミス4回が背景にあることは確かだ。
このまま明山に向かえば下って登りにもなるが、下りきった竜神川からだと明山への単純標高差は260mはある。いずれは追い越されるだろうから、A.ここで待機して追手にあっさりと追い越してもらう。 B.先行してもらうためには、ここは時間稼ぎで烏帽子岩に登るべきだろう。 C.万一、相手が烏帽子岩に登ってきたら、烏帽子岩で昼食でもしながら長居して、先に行ってもらう。 D.Cの腹案で、烏帽子岩に登ってきたら、相手も当然休憩もするだろうから、一服だけしてさっさと下る。 E.なすがまま。
5ブランを想定し、烏帽子岩への登りがどんなものかは知らないが、ここはC、Dプランで烏帽子岩に登ることにする。こうなると心療内科通院の世界だろうが、こんなマニアックルートで、相手が複数、こちらは単独といったシチュエーションになると、文章化すれば笑えても、だれしもが思うことだろう。用足しするにしても、いくら緊急事態とはいっても、他にハイカーがいれば、いきなりヤブの中に入り込むわけにもいくまい。かかる時間を勘案し、他と安全圏の距離を置いてからするものだろう。だが、結果は5パターン以外の予想外のものだった。むしろEに近かったか。
(烏帽子岩山頂)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/d0/6b9979e894066d3b0f38b34fe9a47f87.jpg)
(ここからは双耳峰に見える)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/e4/5664de9359bca23f901ff9cc7c5863c3.jpg)
(明山はヤブに隠れている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/be/655598c8edbe48652aa01c8bc9e52af7.jpg)
ともあれ、あまり気が乗らないままに烏帽子岩に登る。日陰と風ですこぶる寒いし、上は風がうなっている気配がする。見た目通りに急斜面の登りになったが、途中から巻き道になった。結果として10分少々で山頂に出てしまった。これでは時間つぶしにもならない。もうEプランに変更し、おにぎりを食べて一服つけた。やはりここは風が強い。展望は良いが、木立が邪魔になる。明山はすぐそこに見えている。できるなら、ここから直接行きたいものだが、ここから西に下る尾根がどんなものなのか、どうも岩峰という意識があって、確認はしなかった。
(慎重に下る)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/f0/b2be66c135a6e4edff13813dec1d479b.jpg)
滑らないように慎重に下って行くと、鞍部の峠で休んでいるらしき人の声が聞こえた。結果はアチャー。袋のネズミだった。オバチャン2名。烏帽子岩から下って来たことに驚いている気配はなく、おそらくずっとこちらの行動は上から目線で筒抜けの状態だったのだろう。言い訳がましく「中武生山から下って来たんですが、尾根分岐で散々間違えましたよ」と言うと、「あらっ、こちら初めて? 私たち、ここよく歩いているから迷いはしなかったけど。以前ね、テープがいっぱいあったのに、だれかが全部取っちゃったのよ」。すぐに瀑泉さんのことが浮かんだ。しかし、尾根分岐のテープまで掃除することはあり得まい。まして、瀑泉さんがこの辺を歩かれたのは7年前のこと。その記事には「目印の赤テープは信頼できるものなので追っていけば尾根を乗り違えるとこはありません」とある。そんな瀑泉さんが裏腹な行動に出るはずもない。自分が見たテープは444mの巻き付けと外し忘れの尾根上の2か所くらいのものだった。あとはだまされた60m下りの作業用テープのみ。今度改めて来たとて、絶対に同じところで繰り返しのミスをするだろう。
余計なことだが、テープがゴチャゴチャ付いていて景観を損ねるから外す。然りと思う。ただ、下から登って来れば、尾根分岐には目が行き届かないからすべてが外す対象になってしまう。だが、上から下って行けば、紛らわしい分岐も出てくる。外し方にも良識のあるやり方というものがあるのではないのか。足尾の山で外し回っている立場の人間の見識だ。
オバチャンたちはまだ休んでいる気配なので、いずれ抜かれるだろうが先行することにする。一応「この踏み跡を下れば明山のハイキングコースに出られますよね」と念押ししてから下る。
何だ、あのオバチャンたちだったら、極度に緊張することもなかったかと思いながら下る。それにしても、あんな薄暗く寒いところでよく休憩できるものだ。
(荒れた沢型を下り)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/2e/44a83bf18af7f16ecf604daccced3264.jpg)
(竜神川に出る。後の祭りだが、この辺の紅葉が良かったようだ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/7c/8e0c81d67fe6e200d1f9399130769a3f.jpg)
ここは倒木が多くて踏み跡も薄く、歩きづらい。ほどなく竜神川に出た。ここの紅葉、みー猫さんブログの速報版に写真が載っていたが、さして紅葉は進んでいず、むしろきれいなモミジを見ることはなかった。
川の水は少なく、あっさりと対岸に渉り、破線路の続きに入る。ここの破線路、やはり地図上の破線路とは大分違っていて、無理に辿ろうとすれば迷うかもしれない。実際に踏み跡があるかどうかも怪しいところだ。
(ようやくきれいになってきた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/df/ae183ee1f696fdcfb67b25676f864c0d.jpg)
(烏帽子岩)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/0a/2cb8d413b001c0ee7df968c82119600f.jpg)
(緑混じりがちょっと残念)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/3d/f7e79ab0e61a22b57bb45643f26f8218.jpg)
ここに来て、ようやく紅葉が始まったといった感じがする。中武生山からの下りでも紅葉は続いていたが、まだ6分程度のもので、赤とてオレンジっぽく、鮮やかさに欠けていた。こことてこれからだろうが、色づきの比較は良くなっている。振り返ると烏帽子岩が見えている。見る限りは西尾根伝いに下って来られる感じはする。岩場が見えていないだけかもしれない。
(植林に入り)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/eb/c1f621dbfc580ffe881cde843dbe55b7.jpg)
(上山ハイキングコースに出る)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/57/762275159908b3ba6338622e3352c605.jpg)
(やはりちょっとフライングか)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/e9/5c8bec00496aec9cf812c7f5d9a5faa9.jpg)
(色濃くないからな)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/39/84d755650564bc844be5e80a86767a51.jpg)
上に行くと緑が多くなり、植林の中に入った。紅葉は樹間遠くに離れた。傾斜がきついわけではないが、ちょっと息切れがし出したのでストックを出す。そして、間もなく上山ハイキングコースに出た。標識が置かれ、来た方向には「至竜神川→」とある。この先、明山までは昨年歩いている。紅葉はこのコースの手前がハイライトだったし、ぶなじろうさんのブログを見ているから、その2日後の今日では、この先の期待は薄いかもしれない。
植林を抜けて行くと、やはり…か。まだまだ。せいぜい今度の週末以降だろう。中には焼けてしまっているのもある。それでも色はあるので、周囲を見ずに黙々と歩いているよりはまだ気分も良い。
(明山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/b6/b35769a284bb0ca3719d49351561f7ca.jpg)
(その1)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/e1/55ded50dc8a11814758880bb58c12b05.jpg)
(その2)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/84/526cfe0f588df4a008a23c4d994000af.jpg)
(その3)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/6b/df24be0a9dea2194bbc18085a906fa85.jpg)
明山が正面に見えてくると、次第に紅葉が賑やかになった。アンテナのある町道分岐周辺が本日のハイライトだったが、昨年の派手さはなく、むしろ地味な紅葉に落ち着いている。しかし、これだけでも楽しめれば来て良かったようだ。ということは、ちょっと一枚岩の方まで引き返せば良かったか。もうあのオバチャンたちのことを気にするまでもないことだし。そういえば、あれから話し声がまったく聞こえなくなったが、明山に向かったわけではなかったのだろうか。竜神川周辺の探索だったのかなぁ。声が聞こえてこないのがむしろ気になってくる。
(この先はもうないだろう)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/4a/5788d2f04c1230096ec47e16f8024d01.jpg)
(一応、まだあったのを)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/9e/bc17e9b1bdb4512b76eb915821b937c8.jpg)
(しつこく)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/76/53b3e04b827eab5b345f87082f6a87e5.jpg)
紅葉の短いハイライトスポットは抜けた。赤いモミジも徐々に少なくなった。明山の色具合は結構深かったのに周辺の紅葉は淡い。
(三葉峠)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/72/47b55a996f8b16c8617fc479b46e9dd9.jpg)
亀ヶ淵・竜神峡分岐のある三葉峠にさしかかる。帰路はここを下ることになるが、看板を見ると、「増水時は通行できないかも」なんて記されている。何沢というのか知らないが、さっき渉った沢の水量からして問題はないだろう。
オジサンが下って来てこんにちは。ヘルメットをかぶっているが、これは用心のためだろう。案外、岩登りで来たのかなぁ。今日の歩きで、出会ったのはオバチャン組とこのオジサンだけ。この時期だから、平日とはいえ紅葉の時期だし、結構入山しているのかと思っていた。
(登って)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/f0/2bc58f5c03596dbc0c4c71147efca47c.jpg)
(明山山頂)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/9a/0f5e7adf1a71f3d2c9ec9e425a966a59.jpg)
直登コースを登る。ロープには手を出すまいと思ったが、ストックを収納せず、そのままダラリと提げていたからついロープ頼りになってしまった。模範登りをするなら、ストック収納が常道だ。
明山山頂でしばらく休む。ポットを持ってきていたからニュウメンスープを飲んだが、このスープ、賞味期限から3か月経過している。そのせいかまずかった。
(山頂から1)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/6c/f3b7735e839b1187729ebcd4d276475c.jpg)
(山頂から2)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/3f/028cd11aef5f5aad7ff1f383556cb641.jpg)
(山頂から3。歩いた林道が見えている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/ba/2ebbce021b126d2ba6b8ac2ee2817ac2.jpg)
(山頂から4。中央下の小高いのが烏帽子岩だろう)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/e3/86411fc1965cf627c61c399f1812cf1b.jpg)
だれもいないのでのんびりとした。風は相変わらずに冷たい。周囲の景色を楽しむ。竜神大吊橋は今日あたりは混雑だろう。富士山はぼんやり雲で見えない。ここから見る中武生山は双耳峰だ。歩いて来たルートを目で辿る。ここから見える顕著な分岐尾根はやはり三度目のミスポイントで60m下ってしまった尾根だ。あとは、目で追う限りは問題なく下れるようなのだが…。
(下る)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/58/627c4c362c3a5534d3e2a58173a51372.jpg)
セルフを撮って下る。帰宅してから昨年の明山から撮った写真と見比べたが、やはり、全体的に昨年よりも紅葉の色具合は淡かった。
反対側から下り、三葉峠に出る。ここから亀ヶ淵まではどんな具合なのか。しっかりした踏み跡でもあるのか。地図上には破線もない。不安な下りでもある。
(亀ヶ淵へ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/a1/d48189d3da3c0e2ea250f3fd78204431.jpg)
(期待はしていなかったが、色づきがあった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/6a/dacf9ce259f7ec9d14b529f6938c7662.jpg)
大分歩かれている感じの踏み跡が続いているが、整備されているのは標識だけで、2、3か所で倒木が道をふさぎ、跨いだりくぐったりした。落ち葉が堆積して不明瞭なところもあるが、全体としては迷わずに歩けるし、テープも見かける。
(雰囲気は良い)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/0b/4a8c379b13d09fab080f5bbecda59218.jpg)
ここは山陰になっているせいか、これからの紅葉が控えてはいるが、スポットと呼べるほどの場所ではなさそうだ。亀ヶ淵に出るまでに5枚の標識を見かけた。いずれも新しく、ここ数年の間に設置されたのだろう。
(スズタケの間を下り)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/a3/828b14751eb0fd9af998733f56cadc44.jpg)
(亀ヶ淵に着いた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/b8/de7142842248afb3a2fcde585a86df7d.jpg)
人の声がし、車が見えて亀ヶ淵に着いた。手すり付きの階段を下ると、左に小滝が見える。ちょうど川を渉ったあたりの河原の広場に男女5人の観光組がいた。その真ん前を通ることになり、ちょっとためらったが、この先、どこをどう行くのかも知らず、このまま下るしかない。その際、対岸側に北に分岐する道があった。もしかすると、あれかもと思いながら亀ヶ渕橋を渡り、看板がありげなところに行ってみた。看板を見るとやはりあの道だった。その進行方向には武生神社とある。
あの若いうるさい連中から離れたく、この辺の探索もせぬままに分岐道に入り込んだ。騒ぎ声はしばらく聞こえていた。
(小滝を眺め)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/4c/4d6974adaa9208d796ae23fd606e7abc.jpg)
(沢の景色は左に離れて行った)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/c2/58913aa307b7439f800a07ed9d2052f7.jpg)
(山道歩き)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/82/69d88525107ea391c8eb0b96a81942e6.jpg)
ここから林道までは登り一辺倒になる。標高差250mはある。この期に至っての登りはちょっとうんざりする。ここもまた地図には破線のない明瞭な道で、「水府村」が設置した標識が続いている。村は2004年に常陸太田市に編入合併されたようだ。
最初のうちは変化に富んだ沢の景色を眺められたから良かったが、そのうちに沢が左に離れ出すと、ただの山道になった。植林ではなく、周囲は針広の混合樹林だ。この登りがジワリと急で、結構、身体に応える。休み休みの歩きになる。
(中武生山を見て)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/2b/faa08155b071339e5d452f3b51146f19.jpg)
(破線路に合流した)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/85/215aeec44f30ba74e42bacf7ccf07ae3.jpg)
武生神社1kmの標識が出てきて、左に中武生山や烏帽子岩らしきピークが見えてくる。この先に向かっているような尾根があるが、あれが破線路尾根だろう。
尾根上に出た。ここが破線路との合流らしい。石のベンチがあったので腰かけて休み、菓子パンをほおばる。尾根の西側を見ると、心細いような踏み跡になっている。一服し、もう一頑張りだ。そろそろ行こうかと腰を上げると、その西側から声がかかった。「ようやく追いつきましたね」。オバチャン組だ。どこを歩いていたのか。やはり、竜神川周辺を探索していたらしい。そして「きれいな紅葉を楽しんできましたよ」とおっしゃる。この辺に精通されている方々だ。よほどにきれいだったのだろう。川を渉った時にはさほどに感じなかったが、やはり、少しはうろつくべきだったようだ。
(先に行っていただく)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/ea/782245712372e75eb0e0c8d442b5fa25.jpg)
「お先にどうぞ」と言われたが、こちらはかなりくたびれていたので、先で追い越されるに決まっている。「いや、私、もう少し休んでいきますから」と、腰かけ直し、吸いたくもない2本目のタバコをゆっくりとふかした。何ということはない。そろそろ距離も離れたからいいだろうと歩きかけると、100mほど先のベンチで休憩していた。気恥ずかしく「お先に」と先行することになってしまった。
(道をふさいだ倒木)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/89/91adecd75b2d1e2c4cfd121da0500ea8.jpg)
(あちこちにあるベンチ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/5b/be73c320d9aed6badaf7bd057d316940.jpg)
不思議な道だ。石のベンチがあちこちに置かれている。南側の展望はないが、北側の景色とてたいしたものではない。そしてしっかりした道。今は亀ヶ淵からの道がメインになっていて、破線路通しのハイカーは少ないようだが、この具合では、石のベンチも古いし、破線路沿いに竜神川まで続いているのかもしれない、
(林道直下の分岐標識)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/47/c5539086a2f9e71cb428239bf084c476.jpg)
(右手は竹が続いている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/49/9850e8aeacc945f16758fba66d2c55e2.jpg)
(林道に出た)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/b6/e6e6bace2231074aa0b26a00d09bbee4.jpg)
緩い傾斜が続き、もう林道らしきものが上に見えてくると、分岐の標識が現れた。左は「武生林道0.3km」、右は「武生神社0.6km 展望台0.3km」。展望台とは、林道沿いに神社手前にあったアレだろう。林道までは同じ距離だろうと、右を選択。
細くなった道を行くと、また近年設置の標識。もうガードレールは見えている。右に細い竹林が出てきて、道の真ん中に新しいクマ糞。やはり、こんなところにもいるんだと思っていると、ガサリと音がした。竹林の斜面を覗き込むと、それらしき動く黒いモノは見えなかった。
林道に出た。脇に看板が置かれている。亀ヶ淵まで1.5kmとある。ドライブで来て展望台に登っているらしい人が2人。郵便屋さんがバイクで林道奥に走って行った。こんなところにも郵便を受ける人が住んでいるのか。
(駐車地)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/dd/6c7450a319e98a4d9ee9d1fc2ed40579.jpg)
ここで武生神社のことを知っていれば、そのまま神社に足を向けたが、この時点で歴史的な情報は知らず、朝の薄暗いイメージしかなかったので立ち寄ることがなかったのが悔いる。もう来ることはまずないだろう。
車に戻って帰り支度をしていると、オバチャン2人組が戻って来た。林道0.3kmの方を選んだようだ。こちらよりも上に止めた車に向かって行った。他にも車が1台あったが、自分と同じように尾根ミスしながら歩いているのだろうか。
来る際に竜神峡のもみじ祭り開催中の幟を見ていたので、帰りに寄ってみるつもりでいたが、それなりの紅葉を見たことだしとやめにした。まして、そちら方面に往来する車も多かったし、もういいかといった気分だった。
自宅まではかなりの距離だ。平日の高速代は高い。往路は通しだったが、帰路は上三川インターで出て新4号線を使って50号線に出た。
しかし、今日は散々に迷って、気分的にも疲れたし、最後の登りもつらかった。瀑泉さんのおっしゃる「変化に富んでいる」は、自分には「変化に富み過ぎ」だった。紅葉のタイミングは悪かったが、明山手前で、素晴らしいほどではないがきれいな紅葉に接しただけでもマイナス面はいくらかカバーされた。奥久慈も男体山はおろか月居山にも行ったことはない。瀑泉さんのコメントには白木山というのもあった。次はそれらの山の中からということになるだろうが、自宅からの距離がどうもねぇ。
(本日の軌跡)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/40/206a74e1ede566ac20be9bec8197e8f8.jpg)
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
中武生山からの下り,テープが外されてましたか。当時はGPSを持ってなかったから,コンパス頼りに歩きましたが,確かに細かい分岐が幾つもありましたネ。その分テープもあったから迷わなかったケド。
ちなみに,安蘇や足尾でテープを見かけないなら自分でしょうが,奥久慈までは手は出しませんヨ。近くても自分の山との認識はありませんからネ(笑)。
お会いになったオバチャンも,随分とマニアックなようで。茨城の山屋さんでシモンさんという方がいて,そのシモンさんが好きだから,中武生山をシモン山なんて呼んでたりしたんですが,昔は,極一部の人しか歩いて無かったんですケドね。
ちなみに,白木山や高崎山は,展望が無いから面白く無いですヨ。それより,国体コースと鷹取岩(奥久慈岩稜)の崖プチはお勧めです。それと,自分もまだ歩いていませんが,「おかめ岩」(此方は,ぼとくさんが好きだからぼとく山なんて言われています。)も有りますヨ。此方はどうせなら,先にお願いしますヨ(笑)。
中武生山からの下りメイズを堪能されたようですね(笑)・・間違っても、戻れるということでご容赦ください。中武生の付近の紅葉は写真から見る限り、良い状態と思いましたです。一方で竜神川の付近ですが、期待ほどでは無かったですか・・・会社の人に行ってみてと週末行かれたらしいのですが、直近で京都のお寺で見てきたのに見劣りと言ってましたが、やはり管理状態に無い自然の紅葉ですからね。目の濃い方には・・・・おばちゃんに、お勧め聞いてみたいです。明山への直登は岩場の登りは可能だけど下りはロープが要るとかも過去に聞いたことがあります。ヘルメットのお方はそうではないでしょうか。それと、すぐ近くの常陸太田市下高倉で熊さんの目撃情報があったらしいので、恒常的な生息域ではないものの、南下してきているようですね。
おかげさまで、瀑泉さんのコメントで楽しい歩きをさせていただきましたよ。奥久慈は未知のエリアですからね。
白木山以外に高崎山というのもありですか。展望に恵まれないのもまた考えものですねぇ。さりとて、お薦めの国体コースやら鷹取岩というのは例の細い道を行かないといけないんでしょ。そちらはちょっと保留にして、別ルートから入るプランを捻出してみますよ。
シモン山ねぇ。シモンさんという方は聞いたことがありますね。記事を拝見した記憶も。そのシモン山ですが、以前は物好きな方の山でしたか。一部を除いて踏み跡ははっきりしていましたけど、やはり、今は歩く方も多いということでしょうか。あのオバチャンたちもマニアックですか。私、そんなところを歩いたわけですね。
おかめ岩(ぼとく山)、今、調べましたよ。ざっと地図を見る限りはせまっ苦しい道を行かずに済みそうですね。ただ、これだけだと、どうしても運転時間の方がはるかに長くなりそうですから、コースプランを考えるか他の山も登る想定にしないともったいないことになりそうです。
いずれにせよ、今度奥久慈に行く際には、水戸に友人が住んでいますから、ついでに立ち寄りでもしないと距離も感覚も長くなりそうですよ。
明山の紅葉はまぁあんなところだろうというのが瀑泉さんのお見立てですね。となると、手前の一枚岩あたりに戻っていた方がよかったかなと思っていますわ。
足尾はともかく、安蘇のマニアックルート、テープがないのでは細心の注意が必要ですね(笑)。中武生山下りの二の舞にならないようにしないと。
おっしゃるように中武生山の下りは堪能しましたよ。まして途中から追手が現れたりしましたからね。正直のところ、もっとゆっくり、慎重に、景色を楽しみながら下りたかったですよ(笑)。
一年前の記事コメントで、中武生山下りの尾根の紅葉はたいしたことがないように瀑泉さんが記されていましたが、私には、それなりに賑やかで、気持ちの良い歩きを楽しめました。ただ、破線路にぶつかる手前から色は消えましたけどね。
竜神川近辺の紅葉、川に出た際にはきれいな感じは皆無でしたが、オバチャンたちはどこをどう楽しんできれいだったのか。私もあの辺のことを少しでも知っていれば、スポットを聞けたのですが、ただ漠然と聞き流してしまいましたから、ちょっと残念な思いをしています。
その会社の方、山の紅葉が見劣りとは何ともといった感じがいたします。公園化されたところの紅葉も確かに素晴らしいですが、山の紅葉もまた一味違った自然の味わいですけどね。
明山というと、すぐに脇から見える岩壁を想定してしまいますが、地図にはそれらしき崖マークがあるだけで、南西側あたりは緩やかな尾根になっていますね。その辺から登って来たということもありですかね。
私も、2週続けて行って来ました.先週(25日)は私も明山でした.やはり、紅葉は過去の記録などに比べてイマイチだった気がします.頂上で話をした地元のハイカーさんも、今年はこれで枯れていくのではないかと言っていました.
私は上山ハイキングコースを歩き、篭岩の上部を期待して行ったのですが、昨年に比べ余りよいとはいえませんでした.最も昨年は29日だったので早かったといえるかも知れませんが.
武生山の方からも面白そうですが、今年の紅葉はもう良いので来年の宿題にとっておきます(笑)
写真からは、断続的とはいえ、かなりの紅葉のように見えます。
道迷いは、私の場合、こちらでは同じコースを歩いても毎度の事なので、たそがれさんをして・・・・、であれば、勝手ながらチョット安心したかな、と。
精通者の方々はご自分なりの紅葉スポットが所所にあるらしく、とても同じようにはいきませんです。「明山に他県の人々がやってくるとは!」ともおっしゃっておりました。自分などはネット情報で、なんとか歩いている感じです。
2週続けて奥久慈ですか。好きですねぇというのもなんですが、それだけ紅葉がきれいなエリアなのでしょうね。ご自宅から2時間程度で行けるのなら、私とて足しげく通いたいものです。
ブログを拝見いたしましたが、生瀬富士という手もあったのですね。名前だけは知っていましたが、『山と高原地図』に奥久慈を扱っているものがなく、茨城の山はどうも地理感覚がピンとこないのですよ。
そうですか。地元のハイカーさんも、今年はこれで終わりとおっしゃっていましたか。私も、そんな気はいたしましたが、これからといった感じのもあれば、すでに枯れているのもある。素人には判断が難しい紅葉具合でしたね。
武生山方面は、瀑泉さんはたいして…とのことでしたので期待はしていなかったのですが、林道沿いを含めて、色づきは良かったですよ。ただ、モミジは少ないですね。モミジは期待せず、紅葉の賑やかな中を歩くつもりなら結構楽しめますね。
ぶなじろうさんが敢えてモノクロに加工して掲載した写真の色が、実際はどの程度のものだったか気にはなっていたのですが、やはり、2日の間に紅葉も少しは進行していたようですね。
ただ、前回の経験からすれば、スポットは一枚岩周辺からでしたので、そちらには行っていませんでしたから、実際はどの程度のものだったのか。
他県と言えば、確かに、私もオバチャンにどちらから?と聞かれましたよ。群馬と答えたら、驚いておりました。ことに中武生山ルートは地元の方しか歩かないルートといったところなのではないでいかね。
ルートミスも、すぐに気づけば、後になってそれなりに楽しいものですが、散々下ってから気づくのではただの苦痛ですね。おそらく、次回に歩けば、同じことをやりますね。
ちょくちょくミスされたようですが私も最近コンパス確認怠ってのミス→引き返しをちょいちょいしているので苦笑いしました。コンパス確認しろよといつも思うのですが歩きやすそうな尾根があるとついそちらが正解だと迷わず行ってしまいますね。少し下ってから違和感に気づくのですが。
静かな山での先行者、追手は気になりますね。本当に人が多いとこだとどうでもよくなるのですが。まして姿が見えているなら距離感もつかめるのですが音だけだと正確な位置がわからずなんとなくモヤモヤします。風に乗って笑い声だけ聞こえてくると気味悪くもなって。
オバチャン組が堪能したスポットが気になりますね。この季節に竜神川で沢ジャブもないだろうから沢沿いの何所かなんでしょうが。今年は奥久慈行かなかったし来年はその辺りも適当にぶらついて紅葉探すのもありかなあと考えてます。ハンターもいないようですし(笑)。
植林の山だと思っていましたか。植林は、どんどん下って、破線路近くになってから出てきましたけど、煩わしいほどのことではありませんでしたね。帰路も、亀ヶ淵から破線路区間に少しはありましたけど、ずっと通しで明るい中の歩きになりました。ただ、紅葉といった観点からでは、中武生山の尾根筋は、確かに色は良く、賑やかではあったのですが、モミジは少ないところですから、紅葉目当てで行くには、物足りないでしょう。
オバチャンたちの竜神川上流はやはりきれいなのでしょうね、地元の方が堪能したと言えるくらいのところのようですから。
ふみふみぃさんがコンパス確認せずに間違ってしまうのは仕方がないとしても、私の場合は、その都度にコンパスをセットしてこのザマです。言い訳がましいですが、微妙なところもあって、こうなると、勘頼りになってしまい、間違えてしまう。さらに、その部分だけは踏み跡がどうもあやふや。気づいただけでも良かったわけですけどね。
オバチャンたち、こんなところを平日によく歩くものだと思いましたが、実際のところ、距離はかなりあったと思いますよ。地声も大きかったですからね。これが、反対側から聞こえていれば、さしてあせることもないのですが、みんな、同じような感じになるのでしょうね。