先週友人ふたりと久しぶりに国立で会いました。ながながとおしゃべりして、帰りがけに友人が寄って行くというので、私も紀ノ國屋で買い物をしました。
ビーツとビーツの缶詰。
私はサラダによく使います。ひさしぶりにボルシチの作り方をおさらししようと、以前知り合いのロシア人に書いてもらったレシピを探しました。どこからかというとですね、ずっと前家族や友人に原稿を書いてもらって、1000号まで出した手作り新聞のどこかにあるはず。
やっと見つけました。ついでに自分で書いたビーツの記事。
考えると、もうだれも目にすることもないでしょうから、このブログで紹介させていただくことにしました。春しらべやらロシアやら、
これからは犬ブログ返上~。
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ビーツ
ロシアの人びとにとって、ビーツはとても身近かな野菜です。ですから、なぞなぞもたくさんあります。
まっ赤な長ぐつ 地面のなかで光ってる
赤い小さな長ぐつ 地面のなかに置いてある
上は緑で下は赤 地面のなかで育つもの
外の皮はまっ赤とはいえませんが、切ると赤紫の汁が滲み出てきます。ちょうどヨウシュヤマゴボウの実の汁にそっくりの鮮やかな色です。
ビーツは古代ローマ人も食べていて、ロシアにはビザンチンから10世紀に入ってきました。ビーツがロシアで広まった理由はその薬効にもあったようで、肺炎、肋膜炎、皮膚病治療に、利尿剤、下剤としても用いられました。今でも高血圧、動脈硬化症、便秘に効果のある、ミネラル豊富なおすすめ野菜とされています。
ビーツといったらボルシチ。ボルシチはロシア料理の代表のように思われていますが、本来はウクライナの料理です。昔、ウクライナではロシア娘の花嫁を「あの娘はきれいだけど、ボルシチが作れない」と言ったとか。今はロシアのどの家庭でも作ります。地方によってすこしずつ違いますが、日本の味噌汁のように、その家庭ごとに違うボルシチがあるそうです。肉ベースのブイヨンでビーツのほか、タマネギ、生キャベツまたは発酵キャベツ、ニンジンが基本的なところでしょうか。お皿に赤紫色に煮上がったボルシチを盛って、白いスメタナ(サワークリーム)を浮かべ、緑のディルやプレーンパセリの薬味をのせて食卓に出します。
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*ロシアではボルシチに限らず、ディル、プレーンパセリ、コリアンダーを薬味としてよく使います。
最近ではディルは近くのスーパーでも売っているようになりました。
この記事の発行日付は1994年、およそ20年前でした。
当時はなんでもインターネットで調べれば、出てくるという時代ではありませんでした。
今ではボルシチのレシピはいくらでもネットに出ていますね。