父

リウマチが悪化しても、
断固として病院に行かなかった父が、
背骨の圧迫骨折を契機に
ようやく通院した。

意外にすばやく支援も受けられれ、
週に２回デイサービスに行くことになり、
足を痛めている母親も、
これで一息つけるとほっとした矢先。

やってくれました。

強制されるのは嫌だとダダをこねて、
帰されてしまった。
曰く、痛くて座ってられない。
リハビリもせずに寝てしまったらしい。
・・
帰って来てふらふらと散歩に行く。

私はあなたが嫌いです。

病院を嫌がり、悪化したのは、
自己責任としか言いようがない。

その結果、
あなたに介護が必要な状態が生じたとき、
誰に負担がかかってくるのか。

高齢の母にいつまで頼る気なのか。

私は、一人者だから、
仕事をしなければ食べていけない。
自分が年金をもらえる年になるまでは、
働き続けなければならない。

仕事をしていたあなたが、
家庭のことを何ひとつやらなかったように、
仕事をしている私は、
あなたの介護などできない。

あなたは、
すぐに、ほうっておいてくれればいい、
何もしてくれなくていい、
と、捨て台詞を言う。

そして、その口も乾かないうちに、
何もしてくれない、と愚痴を言う。

・・・

自分の中に、
あなたに似たところをみつけると、
ぞっとする。

・・・

それでも、
相手は、体の不自由な高齢者なのだから、
労われと言われるのだろうか。

・・・

小学校の頃、
同居していた母方の祖父が、
亡くなったとき、
あなたが言った言葉を今も覚えている。

「寝たきりになる前に死んでくれて良かったです」

あなたが寝たきりになる日が来たら、
どうするのだろう。