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「末摘花(すえつむはな)」と書かれた紅花(べにばな)が茶会会場にいけられて・・・
(つづき)
いよいよ本席です。
寄付から畳が敷かれた外露地を通って本席(四畳半台目、道具展示のみ)へ入りました。
外露地のガラス戸の向こうに鈍翁遺愛の蹲踞と灯籠がありました。
床には大燈国師御筆「徹翁(てっとう)」号が掛けられており、遂に目の前で拝見することが出来ました。
どのように表現したらよいやら・・・なんと「徹翁」号の力強く気迫みなぎっていることか、筆勢を追っていくと書いている大燈国師(宗峰妙超)のお姿が迫ってくるような錯覚に捉われ、そんな思いをさせる墨跡に出合えて本望でした。
少しでも長くこの書の前に座っていたい・・・・。
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香煎席にも「末摘花」がいっぱい!
点前座へまわると、徳禅寺と鋳込みのある鉄ヤツレ風炉にたちまち心を奪われました。
ヤツレ振りが素晴らしいこの風炉に最初用意した釜を掛けてみたところ、どうにも合わないので浜松地紋の芦屋釜を掛けたら何とか落ち着いた・・・と、先の呈茶席で徳禅寺和尚さまのお話がありました。
「風炉と釜」の醸し出す味わいを感じてほしい・・・とも。
鉄ヤツレ風炉の存在感が大きすぎて、浜松地紋の釜も役不足の気がしたのは私だけでしょうか。
台目の点前座にはひっそりと目立たぬ風情の風炉と釜がお似合いでは・・・とも感じましたが、鉄ヤツレ風炉を拝見させて頂いただけでも感謝です。
(解説によると、ヤツレ風炉は、徳禅寺先住大亀和尚が執心された、湯木貞一翁(吉兆創始者)所持の風炉だとか)
水指は南蛮、鈍翁銘「四海」とあり、四つの海をはるばる渡って日本へ来たのでしょうか。
茶碗が素敵でした。青井戸かと思いましたが柿蔕(かきのへた)、鈍翁銘「青根岸」だそうです。
内側の青味を帯びた景色が何とも魅力的で、思わず引き込まれてしまいそう・・・。
点前座の隅に置かれた異様(個性的?)な形の竹の蓋置、庸軒作で朱の在判があり、久しぶりに庸軒の茶道具に嬉しい出合いです。
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素晴らしい設えや茶道具を次々とたくさん拝見して、すでに一部記憶から抜け落ちていますので、本席の会記を記念に記します。
本席
床 大燈国師筆 徹翁号
花入 胡銅 龍耳 澤庵和尚箱
花 沙羅の木(しゃらのき)(? う~ん・・・思い出せません)
釜 浜松地紋芦屋釜(?)
(会記には、尻張 龍宝山茶堂 大徳寺常什トアリ 古浄味造)
風炉 鉄ヤツレ 徳禅寺トアリ
敷瓦 織部
水指 南蛮 鈍翁銘 四海 同箱
茶入 唐 大海
盆 唐物 斑竹縁菱花盆
袋 王紋モール裂
茶碗 柿蔕 鈍翁銘 青根岸
帛紗 徹翁金襴
茶杓 宗甫作共筒 歌銘 権十郎箱 宗慶外箱
歌は、
紫のひともとゆへにむさし野の
草はみなから哀れとそ見る (古今集)
蓋置 竹 庸軒在判
建水 砂張
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