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はじめて拝見した「献上かざり」
(つづき)
懐石担当はなんと!Mさまのご主人でした。
茶事前の電話で「いろいろ試作しているのですが、四つ椀は初めてで・・・」
あれはMさまではなくご主人のことだったのね。
お二人で試作やらデスカッションを繰り返し、ご主人の懐石デビューでした。
煮物椀・・ざっくりした海老真蒸が食感、味とも素晴らしく、松茸、三度豆に
輪切り柚子のシンプルさ、盛付の美しさに学ぶべきことばかりです。
進鉢・・巨峰と菊花の胡麻和えが絶品でした。が、食材がすぐにわかりませんでした。
巨峰(ぶどう)と胡麻の絶妙なハーモニーで、箸が止まらない美味しさです。
サプライズもあり、是非つくってみたい一品でした。
八寸・・一塩の生鱈子と渋皮煮
ご主人との共作(?)の懐石がほほえましく、うらやましく、きっと回を重ねるほどに
いろいろな懐石料理が生み出され、お二人の息の合ったコラボが楽しみです。
舌鼓を打ちながら、すべて美味しく平らげました。
さらにお菓子が続きます。
朱赤に花、鳥、蝶の蒔絵が描かれた縁高が運び出され、亥の子餅を頂きました。
どうしたら亥の子餅に見えるか、ご亭主苦心の手づくりです。
そして、中立となりました。
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見事な大輪の菊(三本仕立て)
美しい響きの銅鑼に導かれて後座の席入をすると、
床の上座には飾り紐を真行草に結んだ壺が飾られ、
中央には三本の菊が奉書に包まれ、赤白の水引が結ばれていました。
初めて見る、珍しい菊花の飾り方です。
茶花の菊は野紺菊、嵯峨菊など数種に限られると伺っているので、
あとでお尋ねするのが楽しみでした。
菊花は「献上かざり」といい、明治天皇誕生をお祝いする飾り方で、
11月3日は「文化の日」ですが、昔(昭和23年まで)は「明治節」といい、
明治天皇の誕生日でした。
最初の写真のような「献上かざり」をして祝ったそうですが、本来は黄色の菊で、
2日までは小菊にします。
詳しく知りたくてネットなどで調べましたが、よくわかりません・・・。
でも、「献上かざり」の風習を後世に伝えていきたい・・と思いました。
素晴らしいご趣向で私たちに教えてくださったMさまに感謝です。
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高松市・玉藻城の菊花展
濃茶点前がはじまりました。
はじめて拝見する棚は淡々斎好の尚歌棚。
ステキな備前の水指が映える桐木地の一重棚で、天板と地板の前後に切り込みがあり、
継色紙風になっています。柱は、短冊をかたどった桐の板と白竹が一組になり、
勝手付と客付に立てられ、簡素の中に風流な趣きがありました。
それに・・・Mさまのお点前が一番のごちそうでした。
足の運びにため息をつき、丁寧で優雅な袱紗捌きや所作に魅せられながら、
濃茶の時間を心ゆくまで愉しみました。
萌黄地に雲文金襴の仕覆が脱がされると鹿の子斑の瀬戸の茶入が現われました。
飴色の窠蓋(すぶた)が開けられ、緑の濃茶が黒の茶碗へなだれ落ちる様子、
茶が入ると茶香があたりに漂い、もう濃茶が待ち遠しい思いです。
丁寧に練られた濃茶が出され、トルコブルーのエキゾチックな古帛紗が添えられました。
一口頂き、「まろやかで美味しゅうございます」
濃茶は「松花の昔」小山園詰、甘くまろやかな濃茶をたっぷり堪能しました。
茶碗は那智黒釉、紀州焼の寒川栖豊作、黒々と重厚で重そうですが、
手に取ると意外に軽く、茶の緑が美しく映えて濃茶にぴったりです。
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野紺菊・・・鷹峯・常照寺にて
続き薄になったのですが、裏流ではなく表流で、私(正客)から薄茶を頂戴しました。
続き薄で何回も茶事をしているのに、美味しそうな干菓子(木守と栗)に気を取られ、
恥ずかしいですが、全く動じないご亭主、YさまとNさまがなんと頼もしかったこと!
個性の異なる3つの茶碗で二服ずつ薄茶を賞味し、ご亭主にもご自服してもらい、
愉しくのんびり過ごさせて頂いた、貴重なひと時でした。
帰りはご亭主と水屋で奮闘してくださったご主人に見送られ、車へ乗り込みました。
床のお軸の如く、素晴らしい「好日!」でした。
そして、横浜へ帰っても決してこの茶事を忘れることはないでしょう。
いつまでも「千里同風」でありますように・・・。
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炉開きの茶事-1 壺荘と献上かざり へ戻る
(つづき)
懐石担当はなんと!Mさまのご主人でした。
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茶事前の電話で「いろいろ試作しているのですが、四つ椀は初めてで・・・」
あれはMさまではなくご主人のことだったのね。
お二人で試作やらデスカッションを繰り返し、ご主人の懐石デビューでした。
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煮物椀・・ざっくりした海老真蒸が食感、味とも素晴らしく、松茸、三度豆に
輪切り柚子のシンプルさ、盛付の美しさに学ぶべきことばかりです。
進鉢・・巨峰と菊花の胡麻和えが絶品でした。が、食材がすぐにわかりませんでした。
巨峰(ぶどう)と胡麻の絶妙なハーモニーで、箸が止まらない美味しさです。
サプライズもあり、是非つくってみたい一品でした。
八寸・・一塩の生鱈子と渋皮煮
ご主人との共作(?)の懐石がほほえましく、うらやましく、きっと回を重ねるほどに
いろいろな懐石料理が生み出され、お二人の息の合ったコラボが楽しみです。
舌鼓を打ちながら、すべて美味しく平らげました。
さらにお菓子が続きます。
朱赤に花、鳥、蝶の蒔絵が描かれた縁高が運び出され、亥の子餅を頂きました。
どうしたら亥の子餅に見えるか、ご亭主苦心の手づくりです。
そして、中立となりました。
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見事な大輪の菊(三本仕立て)
美しい響きの銅鑼に導かれて後座の席入をすると、
床の上座には飾り紐を真行草に結んだ壺が飾られ、
中央には三本の菊が奉書に包まれ、赤白の水引が結ばれていました。
初めて見る、珍しい菊花の飾り方です。
茶花の菊は野紺菊、嵯峨菊など数種に限られると伺っているので、
あとでお尋ねするのが楽しみでした。
菊花は「献上かざり」といい、明治天皇誕生をお祝いする飾り方で、
11月3日は「文化の日」ですが、昔(昭和23年まで)は「明治節」といい、
明治天皇の誕生日でした。
最初の写真のような「献上かざり」をして祝ったそうですが、本来は黄色の菊で、
2日までは小菊にします。
詳しく知りたくてネットなどで調べましたが、よくわかりません・・・。
でも、「献上かざり」の風習を後世に伝えていきたい・・と思いました。
素晴らしいご趣向で私たちに教えてくださったMさまに感謝です。
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高松市・玉藻城の菊花展
濃茶点前がはじまりました。
はじめて拝見する棚は淡々斎好の尚歌棚。
ステキな備前の水指が映える桐木地の一重棚で、天板と地板の前後に切り込みがあり、
継色紙風になっています。柱は、短冊をかたどった桐の板と白竹が一組になり、
勝手付と客付に立てられ、簡素の中に風流な趣きがありました。
それに・・・Mさまのお点前が一番のごちそうでした。
足の運びにため息をつき、丁寧で優雅な袱紗捌きや所作に魅せられながら、
濃茶の時間を心ゆくまで愉しみました。
萌黄地に雲文金襴の仕覆が脱がされると鹿の子斑の瀬戸の茶入が現われました。
飴色の窠蓋(すぶた)が開けられ、緑の濃茶が黒の茶碗へなだれ落ちる様子、
茶が入ると茶香があたりに漂い、もう濃茶が待ち遠しい思いです。
丁寧に練られた濃茶が出され、トルコブルーのエキゾチックな古帛紗が添えられました。
一口頂き、「まろやかで美味しゅうございます」
濃茶は「松花の昔」小山園詰、甘くまろやかな濃茶をたっぷり堪能しました。
茶碗は那智黒釉、紀州焼の寒川栖豊作、黒々と重厚で重そうですが、
手に取ると意外に軽く、茶の緑が美しく映えて濃茶にぴったりです。
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野紺菊・・・鷹峯・常照寺にて
続き薄になったのですが、裏流ではなく表流で、私(正客)から薄茶を頂戴しました。
続き薄で何回も茶事をしているのに、美味しそうな干菓子(木守と栗)に気を取られ、
恥ずかしいですが、全く動じないご亭主、YさまとNさまがなんと頼もしかったこと!
個性の異なる3つの茶碗で二服ずつ薄茶を賞味し、ご亭主にもご自服してもらい、
愉しくのんびり過ごさせて頂いた、貴重なひと時でした。
帰りはご亭主と水屋で奮闘してくださったご主人に見送られ、車へ乗り込みました。
床のお軸の如く、素晴らしい「好日!」でした。
そして、横浜へ帰っても決してこの茶事を忘れることはないでしょう。
いつまでも「千里同風」でありますように・・・。
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