ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

「第4回東海ニューテクノフォーラム」では装着型パワーアシストも発表されました

2011年08月02日 | イノベーション
 8月1日に名古屋市のJSTイノベーションプラザ東海の館内で開催された「第4回東海ニューテクノフォーラム」を拝聴した話の続きです。大学などの研究成果を企業の方々に紹介し、共同研究を呼びかける発表会です。

 今回のメインテーマは「健康長寿(医工連携・食品)」です。前半の11件の発表の最後は、豊田工業大学が研究開発中の「装着型パワーアシストシステム」でした。



 このパワーアシストシステムを“身に付ける”と、人間の動いたり、持ち上げたりする能力が数倍向上する装置です。人の身体の筋硬度や足裏の圧力、関節の角度と角速度、上体の姿勢の角度などをセンサーで測定し、多数のセンサー情報を統合して制御することで、身体の動きをサポートするシステムだそうです。



 この分野では、筑波大学大学院の山海嘉之教授が開発したHAL(Hybrid Assistive Limb)が有名です。大学発ベンチャー企業のCYBERDYNE(サイバーダイン)を2004年6月に創業し福祉用などでの実用化を進めています。

 開発中の豊田工大のパワーアシストシステムと筑波大のHALの違いは、HALが筋電流を測るセンサーを利用してるのに対して、豊田工大のパワーアシストシステムは窒化アルミ製の薄膜圧電センサーを利用している点だそうです。窒化アルミ製の薄膜圧電センサーは産業技術総合研究所が開発したものだそうです。また、「装着すると適応制御とデータベース制御を用いて、装着した人の動作特性を学習する機能を持っている」点が違いだそうです。

 豊田工大のパワーアシストシステムは開発途上なので、医療分野や福祉分野向けに実用化するための共同開発相手となる企業を探しているそうです。



 豊田工大のパワーアシストシステムに似たシステムは東京理科大学や神奈川大学、東京農工大学などが開発中です。さまざまなシステムが登場し、お互いに切磋琢磨することで、優れたシステムが製品化されれば、社会貢献になります。製品化までには、さまざまな紆余曲折があると思います。今後の開発に期待したいと思います。