ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

長野県佐久市のモモの産地である平根に行った時に伺った話です

2011年08月16日 | 日記
 長野県佐久市の北東側に広がる平根地区は“桃源郷”と呼ばれる果物のモモの産地です。佐久市観光協会のWebサイトによると「長野県で最も古くからモモが栽培された地域」なのだそうです。

 佐久市の平根地区で栽培されているモモの特徴は、山梨県のモモの一大産地である笛吹市一宮町エリアなどが集荷を終える7月末ころから、平根地区では出荷が始まり、遅摘みのモモとして商品価値があることです。



 今は「あかつき」という種類のモモが出荷されていました。グレードはすべて「秀」です。光センサーを利用した糖度で選果したものです。

 その平根地区の上平根にあるJA佐久浅間平根選果所は、午前9時過ぎぐらいから一般向けにもモモを販売します。先週の12日金曜日の午前には、お盆前のためか、選果所の小売り販売店の前に行列ができました。



 その行列に並んだ時に近くの住民の方から伺った話は、予想以上に切実な食料問題に直結してるように思いました。今回、行列ができた理由はモモの実の出荷が昨年の暑さの影響で遅れたのが直接的な原因でとのことでした。行列に並んでいる方が「前日の11日午前はモモの出荷量が少なく、行列の途中で小売り分は売り切れた」と周囲に伝えます。これを聞いて「行列はしかたがない」と思いました。

 平根地区も農業に携わる方の高年齢化が進み、モモの果樹園の面倒を見る方が減り始めたのだそうです。今年5月5日の本ブログでご紹介したモモの花が咲きそろってる果樹園は以前よりも山側になっていました。その時は気がつかなかったのですが、平野部分ではモモの栽培を止めている果樹園が増えていたようです。

 このモモの果樹園に似た情況は、実は稲をつくる水田でも全国で始まっていると聞いています。最近は、田圃を手がける農業従事者の高年齢化が進み、あるシミュレーションでは、数年で米不足に陥るという予測もあります。米余りを問題視してきましたが、農業従事者の高年齢化によって、お米を出荷しない方が急激に増え、米不足に陥ると警告しています。“瑞穂の国”らしい田圃の美しさも、稲の作り手があって初めて実現する風景です。

 最近の新聞報道によると「農林水産省は8月11日に、2010年度の食料自給率(カロリーベース)が前年度より1ポイント下がり、39%になったと発表した。下落は2年連続で、40%割れは06年度以来4年ぶり」とのことです。今後の農業の担い手をどう確保するのか、正確なデータに基づく今後の推定の解説などを読んでみたくなりました。