ヒトリシズカのつぶやき特論

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米国で開催された2012CES家電展示会では、スマートテレビが展示されました

2012年01月14日 | イノベーション
 2012年1月10日から13日まで、米国ネバダ州ラスベガス市で、家電展示会「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー」(2012 International CES)が開催されていました。

 今回の家電展示会では、「スマートテレビ」と呼ばれるWebサイトなどを見ることができるテレビが注目を集めました。実際に使えそうなスマートテレビが登場したようです。

 インターネット接続機能を備えた「スマート・テレビ」は、単にWebサイトを見ることができるパソコン代わりのテレビではありません。テレビとスマートフォン、「iPad」などのタブレット型携帯情報機器などを一体でつなぐ、情報端末系の中核情報機器になる可能性が高いからです。今回開催されたCESでは各社のスマート・テレビを支える技術などが公表されています(どんな技術が今後の主流になるかはまだ読み切れません)。

 日本のパナソニックは、同社のスマートテレビ向けに専用のWebブラウザーと、その操作に対応したタッチパッド付きリモコン「VIERA Touch Pad Controller」を展示しました。



 パナソニックのスマートテレビのキーとなる技術は「HTML5」というWeb標準の仕様(ブラウザーなど)です。このHTML5は、米国のグーグル(Google)社やマイクロソフト(Microsoft)社、アップル(Apple)社などの大手IT企業の“思惑”が一致したデファクトスタンダードとみられています。パナソニックはHTML5を基に独自開発したWeb標準のブラウザーを、自社のスマートテレビに搭載する計画です。

 ソニーや韓国LG電子などの電機メーカーは、グーグルや米インテル(Intel)社、ソニーなどが共同開発したソフトウエア・プラットフォーム「Google TV」を搭載したスマートテレビに向けた開発動向を公開しました。ソニーは「Google TV」向けの新型リモコンを展示しました。

 LG電子は1月9日に、ソフトウエア・プラットフォーム「Google TV」に対応した液晶テレビを、CESの開幕前日に開催した報道機関向けのイベントの中で公開しました。



 こうした一連の動きは、テレビで何を見るのかというコンテンツ内容に関係しています。日本は地上波デジタル放送の番組を提供するテレビ局の企業が多く、従来のようなテレビ番組が多く放送されています。これに対して、ケーブルテレビ放送を提供するケーブルテレビ会社が多い米国では、インターネットに適した番組が多く提供されているようです。これまでのようなテレビ局がテレビ番組を提供する仕組みも次第に変容しつつあります。新しいコンテンツ・プロバイダーが多様に登場しつつあるようです。

 同時に、スマートテレビとパソコン、スマートフォン、タブレット型情報機器などを連動して利用する利用法も仕組みができつつあります。スマートテレビの操作方法が現行のテレビに対して、かなり複雑になるからです。

 このため、今回の家電展示会では、サムソン電子はスマートテレビを操作する手法として、人間の手などの動きを入力手法とするゼスチャー入力や音声入力の技術を披露しました。同じように、韓国のLG電子もスマートテレビの操作手法としてゼスチャー入力のデモンストレーションを披露しました。

 こうしたスマートテレビの発展の背後にいるグーグルやマイクロソフト、アップルなどの米国の大手IT(情報技術)企業が目指している事業戦略を知りたいものです。