2012年1月15日午後に早稲田大学小野記念講堂で開催された「FUKISHIMA PROJECT」国際シンポジウムでは、「風評被害を考える」という講演内容が興味深いものでした。
同シンポジウムは、東日本大震災をきっかけに起こった東京電力の福島第一原子力発電所の事故原因は何かなどを主に議論するものでした。
五番目に講演されたアーサー・D・リトル・ジャパンのアソシエイト・ディレクターの川口盛之助さんは、2011年3月11日以降にWebサイトなどで飛び交ったデマ、特に外国語で書かれたデマを事実上、放置したために、信じられないほど大きい風評被害が生じていると分析しました。以下は、講演内容のほんのさわりです(トピックスが多く、つまみ食い的な感想です)。
英語やフランス語、ドイツ語、イタリア語などのさまざまな外国語で書かれた新聞やWebサイトなどの電子メディアでは、例えば「東京は津波で壊滅的な損傷を受けた」という架空記事が、その国のまともな新聞記事として伝えられたそうです。一方、ツイッターでは「米国に3日後に福島原発から出た放射能物質が飛来し、多くの人が死ぬ」などの流言飛語が米国のある州で伝えられたそうです(日本でも同様でしたが)。
日本人は英語もあまり得意ではない人が多いので、「外国のメディアなどがどんな内容の報道がされているかを知ることがほとんど無かった」といいます。親日派のごく少数の外国人の方々が、そのトンデモ情報に対する“火消し”作業に務めてくれたそうですが、多勢に無勢という感じだったそうです。
この結果、例えば英国の寿司店には、お客が来なくなったそうです。この寿司店のオーナーは「当店は、お米もネタもすべて日本産ではありません」と、明記する表示を掲げたのですが、放射能の疑いがあるとお客が来なくなったそうです。中国でも一時、日本製食品が売れなくなりました。
福島原発の事故以降、日本への外国人旅行者はまだ40%ぐらいまでしか復元していないそうです(最近は、円高の影響もあるようです)。
こうした風評被害をもたらす外国語によるトンデモ情報に対して「その当該外国語によって正しい情報を提供する火消し作業を粘り強く続けないと、日本製品は放射能を帯びているという誤った情報を払拭できない」といいます。
「日本人の外国に対してお人好しな気質が、今回は裏目に出た」と分析します。
インターネットによる情報のグローバル化は、グローバルな情報伝達をデザインし、最適化するという課題を日本人に突きつけています。
各外国語によって書かれた新聞やWebサイトを“可視化し、そのトンデモ情報を訂正する共通の場を設けようと訴えます。”
日本人が協力し合って、結果的にマルチリンガルを会得するという難問にどう立ち向かうのか、考えさせられます。
同シンポジウムは、東日本大震災をきっかけに起こった東京電力の福島第一原子力発電所の事故原因は何かなどを主に議論するものでした。
五番目に講演されたアーサー・D・リトル・ジャパンのアソシエイト・ディレクターの川口盛之助さんは、2011年3月11日以降にWebサイトなどで飛び交ったデマ、特に外国語で書かれたデマを事実上、放置したために、信じられないほど大きい風評被害が生じていると分析しました。以下は、講演内容のほんのさわりです(トピックスが多く、つまみ食い的な感想です)。
英語やフランス語、ドイツ語、イタリア語などのさまざまな外国語で書かれた新聞やWebサイトなどの電子メディアでは、例えば「東京は津波で壊滅的な損傷を受けた」という架空記事が、その国のまともな新聞記事として伝えられたそうです。一方、ツイッターでは「米国に3日後に福島原発から出た放射能物質が飛来し、多くの人が死ぬ」などの流言飛語が米国のある州で伝えられたそうです(日本でも同様でしたが)。
日本人は英語もあまり得意ではない人が多いので、「外国のメディアなどがどんな内容の報道がされているかを知ることがほとんど無かった」といいます。親日派のごく少数の外国人の方々が、そのトンデモ情報に対する“火消し”作業に務めてくれたそうですが、多勢に無勢という感じだったそうです。
この結果、例えば英国の寿司店には、お客が来なくなったそうです。この寿司店のオーナーは「当店は、お米もネタもすべて日本産ではありません」と、明記する表示を掲げたのですが、放射能の疑いがあるとお客が来なくなったそうです。中国でも一時、日本製食品が売れなくなりました。
福島原発の事故以降、日本への外国人旅行者はまだ40%ぐらいまでしか復元していないそうです(最近は、円高の影響もあるようです)。
こうした風評被害をもたらす外国語によるトンデモ情報に対して「その当該外国語によって正しい情報を提供する火消し作業を粘り強く続けないと、日本製品は放射能を帯びているという誤った情報を払拭できない」といいます。
「日本人の外国に対してお人好しな気質が、今回は裏目に出た」と分析します。
インターネットによる情報のグローバル化は、グローバルな情報伝達をデザインし、最適化するという課題を日本人に突きつけています。
各外国語によって書かれた新聞やWebサイトを“可視化し、そのトンデモ情報を訂正する共通の場を設けようと訴えます。”
日本人が協力し合って、結果的にマルチリンガルを会得するという難問にどう立ち向かうのか、考えさせられます。