ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

国際知的財産活用フォーラムでグローバル市場対応策などを拝聴しました

2012年01月24日 | イノベーション
 2012年1月23日に東京都港区台場のホテル日航東京で開催された「国際知的財産活用フォーラム2012」を拝聴しました。午後に4件のパネルディシカッションが並行して開催され、その内の2件を拝聴しました。

 このシンポジウムは、特許庁傘下の独立行政法人工業所有権情報・研修館(略称はINPIT)が毎年開催しているものです(昨年度の平成23年1月までは「国際特許流通セミナー」という名称のシンポジウムでした)。



 午後後半に開催されたパネルディシカッション「日本産業の将来を創る産学連携と知財マネジメント」が興味深いものでした。



 日本の企業は海外諸国の市場を目指したグローバル市場対応を進めています。その中で、中堅・中小企業はアジアなどの市場に進出していますが、知的財産について対応できる人材を社内に抱えていない企業も多く、模倣品や特許などの当該諸国での権利化などで苦労しているそうです。

 日本企業が今後も競争力を持つ製品やサービスを事業化していくためには、将来の要素技術のタネになる大学や公的研究機関の研究開発成果を特許などの知的財産にする権利化の際に、グローバル対応が重要になるとの議論でした。特に、大学などの研究開発成果を基に起業した大学発ベンチャー企業では、海外市場対策としてグローバルな知的財産戦略が不可欠とのことでした。

 工業所有権情報・研修館は“知的財産プロデューサー”という特許などの権利化と活用の専門家を大学や公的研究機関に派遣しています。昨年度からは、中堅・中小企業がアジアなどのグローバル市場に進出する際に、模倣品対策や意匠権保護などの知的財産戦略を支援する“海外知的財産プロデューサー”という専門家を抱え、企業などからの相談に対応しています。
 
 日本国内市場からグローバル市場対応に力の入れ方を切り替えている企業が増えている現在、その各企業が外国各国の市場で苦労しないように、「海外知的財産プロデューサー支援を活用してほしい」と、工業所有権情報・研修館理事長の三木俊克さんは説明されていました。

 中堅・中小企業などが、アジアなどの海外市場で事業化を進めることにますます力点を入れていることを改めて感じました。