ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

NECが社員を5000人削減するリストラを実施すると発表しました

2012年01月29日 | 日記
 1月26日に、大手電機メーカーのNEC(日本電気)はグループ会社を併せた従業員約11万人の約4%に当たる5000人を削減すると発表しました。

 携帯電話機やサーバーなどの事業不振を解消し、クラウドなどのIT(情報技術)サービスなどの4事業に集中するリストラクチャリングを実施するそうです。



 日本の電気メーカー大手は携帯電話機の事業展開で、日本独自の仕様の携帯電話機からスマートフォン(高性能携帯電話機)への製品切り替えに出遅れ、事業収益を減らしました。例えば、NTTドコモのスマートフォンの製品への品ぞろえを先導したのは、韓国のサムソン電子などの外国製でした。

 NECは携帯電話機事業の収益改善を目指し、既にカシオ計算機と日立製作所と事業を統合するなどの合理化策を実施しています。今後は外国企業に携帯電話機のデザインを外注するなどの合理化策を打ち出すそうです。JDM(joint design manufacturer)と呼ばれる外注企業を活用するようです。

 この結果、携帯電話機の製造子会社であるNEC埼玉(埼玉県神川町)は人員削減の対象になるとのうわさが広まり、地元経済への影響が懸念されています。

 NECは2009年に既に合計約2万人の大規模な人材削減を実施しています。この時の大規模リストラを受けて、伝統あるパソコン事業では中国のレノボと合弁事業を始めるなどの手を打ちました。

 NECの子会社のNECトーキン(東京都千代田区)が手がける電子部品事業も事業見直しの対象になっています。昨年2011年10月に、タンタルコンデンサーなどを生産するタイのバンコック市近くの工場が大規模洪水で浸水し、現在も操業を停止しているそうです。このため、タイ国内に新工場をつくり、事業を再開する計画です。

 NECは現時点の事業規模で事業収益を確保できる体制をつくるリストラを強力に実施する計画です。このリストラの成否は日本の製造業のあり方を示す指標になりそうです。