新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

ANNの世論調査ですが内閣の支持率が急落

2020-12-21 09:13:33 | コラム
朝日系の調査だから:

支持率を30%台に落としたことに特段の驚きはない。だが、菅内閣が直面しいている状況は決して芳しくはないと思う。私は100日ルールとかがあると聞いているので、未だに菅内閣を真っ正面から批判したり揚げ足を取ることはしないようにしてきた。だが、発足前に非常に高かった官房長官を7年8ヶ月もの間勤められたことに対する期待度は兎も角、菅義偉という方の決断力には少しばかりの疑問は呈してきた。しかし、安倍前首相の突然の辞任で「誰が引き受けても困難な時期に総理に就任された」という悪条件を背負っておられたのだと見ていた。

とは言っても、新型コロナウイルスの感染の広がりの状況がこれほどまでに悪化しては、「Go to トラベル」の停止だけではなく、色々な面で内閣総理大臣が決断を迫られる事案が急増してきた。しかも、その混乱しかかっている状況の最中に「8人での会食」という事実を、野党とマスコミの連合軍に菅内閣を貶める絶好の材料として採り上げられてしまった。テレビの報道などを見ている限りでは、夜の巷に彷徨う大学生どもに「総理大臣の言行不一致がある以上、我々も勝手にさせて貰う」などと言わせてしまった。

その「Go to トラベル」の一時停止にせよ何にせよ、私には菅首相の慎重さは即ち既に指摘してあった「決断力に疑念あり」という問題が出てきているように思えてならない。私が懸念していることは、その慎重さと決定までに時間がかかっていたことは「我が国独得の、決断に至までの逡巡」があるように思えてならない。回りくどいことを言わずにズバリと言えば「二進法的な決断をせずに、落とし所を探るとか、妥協点を見出そう」としていく、我が国独自の思考体系に決断の遅さという歯痒さを感じさせているのだと思う。

アメリカやヨーロッパ(と言うよりも、白人たちとすべきか)の思考体系では常に「イエスかノーか」か「やるか、やらないのか」というように二進法的に判断していく傾向が普通である。具体例を挙げれば、UKのジョンソン首相は変異型のウイルスによる感染の拡大を止めきれる手段がないと知るや否や、多弁を弄することなく「クリスマスを楽しめなくなって悪いが」の一言で、ロックダウンを発動してしまった。将に二進法的思考であり「重大な決断をアッサリとしたのは偉い」と賞賛する必要はない。彼らには「やるか、やらないか」の二択しかないのだから。

私はことここに至ればと言うか、東京都のみならず地方でもウイルスの感染が始まって以来最悪の感染者が発生する事態が生じている以上、知事会に苦言を呈される前に、例えば臨時に国会を開いても特措法の改正を審議するとか、外食や外飲み業界への補償ばかりに気を遣っていないで、大変な苦労を強いられている大・中・小の病院、医師や看護師さんに救いの具体的な手を差し伸べる予算を早急に立てるか、資金の提供を決断されたら如何かと思って見ている。最早、ロールシャッハテストの簡単な図柄だけを見出している時期は過ぎたのだ。

朝日系は菅内閣の支持率が下がってさぞかし良い気分だろうが、ここで菅内閣を攻撃して何のプラスがあるのかと言いたい。あの菅直人首相が3.11の危機にどれほど適確に対応できたかをもう一度思い出して欲しい。野田元首相が辞任して第二次安倍内閣が誕生し、我が国全般がどれほど好転したかを考えて見ろと言ってやりたい。現在は菅内閣を貶めるようなことに時間を費やしている場合ではないのは明白だ。私が菅首相に望みたいことは「慎重であるとか手堅いことを前面に押し出している場合ではなく、決断力こそが求められている時期である」との点である。



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