新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

印刷媒体向けの紙の需要の低迷を嘆く

2020-03-14 11:52:01 | コラム
ICT化の進展と普及を恨んでも遅いか:

先日は19年度の新聞用紙の生産量が242万2,000トンと前年対比△6.6%だったことを採り上げた。そこに追い打ちかけるような19年度の紙・板垣の輸入統計も発表された。その中で悲しいほど目立ったのが、新聞用紙の輸入量だった。嘗てはミルクカートン原紙、中質コート紙(日本語版NEWSWEEKの本文のような紙)と共に、私が「輸入紙の3大品種」と呼んでいた新聞用紙の輸入量は何と1,586トンで、対前年比△65.0%を記録していた。この背景には日本製紙とウエアーハウザーの合弁企業だったノーパック社が新聞用紙の輸出を停止したことも挙げられるが。


そこで、新聞そのものの発行部数を見てみよう。日本新聞協会の発表では、19年の日刊新聞の発行部数は3,780万部と、対前年比△5.3%となっていた。この部数は97年の最高記録と較べれば△28.6%という大幅な減少だった。私は以前に「この間の新聞用紙の生産量が△29%であり、アメリカの60%と対比すれば未だ穏やかなものである。だが、何れはアメリカの後を追っていくことになるのでは」と述べたが、29%のマイナス成長の幅は符合していた。

新聞用紙の需要の減少は顕著だが、同じ印刷媒体向けの紙である印刷・情報用紙は、前年対比△4.0%と未だ未だ穏やかな状態に止まっている。私はこの分野の需要が何時まで持ち堪えられるのかと、ICT化の影響の凄まじさを今更ながら恐怖であると看做していると同時に、恨みたい思いにとらわれている今日この頃である。



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