ドナルド・トランプ大統領に思う事:
鴨川の流れと賽の目は:
昨夜(で良いと思うが)に、トランプ新大統領の就任演説を何度も少なくともBSの3局で、有識者/専門家の解説を交えて聞いていて思い当たったことが、この白河法皇の有名な(のだと信じている)お言葉だった。
トランプ大統領は何でも「アメリカファースト」であり「自分ファースト」を支えていくだろう政策や方針を思い付いたら、即座にそれを発表して新政策に盛り込んで、何者にも遮られることなく実践していけるものだと確信しておられるので、迷いがないと感じた。
アメリカ合衆国の大統領は全知全能と言うよりも「思い立ったあらゆる政策、方針、作戦、実行の方法、演出等々は全て意の赴く儘にして宜しいとの権限を与えられている」と、誰にも諮問することなく確信しておられるのだと思わせられた。だが「ハドソン川の流れだけは逆流できないのが残念だ」とはお考えかなど思った次第。
あの就任演説で力強く、自信に満ち満ちて発表された新政策はそういう視点に立てば、「アレッ」と思わせられる新規の問題提起はなかったと思う。「そればかりはご無理でしょう」とか「Executive orderに署名されても議会は予算をつけないでしょう」と思わせる点も多々あったが、忠誠を誓った閣僚も側近も考え直させる立場にはいなかったのだろうと思って聞いていた。
既に述べてあったように「国内外に色々と正と負の影響を与えそうな多くの政策が、何時までに何処でどのように実現されていくのか、白河法皇が諦められた賽の目ですら思うように出して行かれるのか」に注目していくしかないと思っている。
だが、私はそれでも「関税」と「External Revenue Service」だけはどうしても理解できないし、未だに貿易というか輸出入という仕事の実態や専門語等々の実務を理解しておられないようだと見ている。我が国の報道機関も「おかしい」と受け止めていないとおかしいのだ。就任演説でも「アメリカ向けに輸出してくる国からは税金を取るのでERSを設立する」と言う意味に取れる事を言っておられたと聞いた。
その中でもtariffを動詞の形で使っておられた。色々と調べてみると「希には関税を輸出してくる国にかけるという事もある」との解説もあった。トランプ大統領に演説を聴く限りでは「メキシコとカナダから関税を取る」と確信しておられるようにしか聞こえなかった。
問題だと思う点は、非常に素直に「他国からの輸入が減れば、国内の需要な国産品に向くのでjob(雇用という意味ではない)が増えるので、支持者の労働階層の雇用が安定する」と確信しておられる点だ。解りやすく言えば「憎きメキシコと、日本から入ってくる乗用車を関税で閉め出せば、デトロイト産の自動車が売れるのだ」と信じて疑っておられないのだ。
私流に言えば「国内の労働力の質に問題山積だったので、国内の製造業が衰退し、GAFAMが栄えた事情は無視されたのか、ご存じなかったのかの何れか、あるいは両方だと思う。アメリカの消費者が一斉にトヨタやドイツ車から国産車に乗り換えるのだろうか。LAのFashion districtの中国産のTシャツを安価で売っている繊維問屋の、膨大な数のヒスパニックの売り子たちはどうするのだろうか。
同じことを繰り返して言うが、どのように展開していくかを見守っていく事しか出来ないと思う。石破さんはあの演説を聴かれても「充分に討論が出来るだけの体制が整うまでは、トランプ会談の予約を確定しないお積もり」のようだ。
ここまで纏められるようになるまで、昨夜は無い知恵を絞って考えるので忙しかったのだ。
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