新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

三菱自動車の没落

2016-05-14 08:23:10 | コラム
日産自動車が三菱自動車を支配下に:

電撃的に決まったこの日産による三菱を支配下に置く合意というか決定は、マスコミでも大きな話題として採り上げられた。「大三菱の会社があのような燃費のごまかしをするとは何たることか」との論調が蔓延った。三菱自動車に対する手厳しい批判よりも、ごまかしの手口報道に終始していた気がする。私はそこにはマスコミの宿命である全三菱というスポンサー様に対する遠慮がなかったのかと問いかけたい気もするのはひが目か。

今回の三菱自動車の不祥事は冷たく突き放して経済界か産業界かは別にして言えば、ある特定業界の下位にある会社が以前にも不祥事を起こして同じグループの幹事である三社(?)に救済された過去を背負って、何とかして製品を拡売しようと企図してデータを捏造しただけの単純な不正に過ぎなかったのだではないか。もしもそれが市井の一独立系企業が犯した不正だったならば、これほど問題視されたかと言うこと。

それが栄光に輝く三菱ブランドだっただけに事は重大であり、その責任が問われたのだと思っている。マスコミ論調も世論も「三菱ともあろう会社が不正をするとはあり得ない」とでも言いたいようだった気がするのは誤りだろうか。勿論、人命に関わる事故が生じることがある自動車のことだから、かかるデータの捏造が許される訳がない。それを敢えて犯した三菱自動車が何らかの形で罰せられざるを得ないとは考えていたが、嘗てはトヨタと競い合っていた日産が乗り出したとは業界の事情など全く知らなかっただけにやや新鮮な驚きだった。

私はこの捏造事件?が発生して間もなく、三菱自動車が従業員に給与の減額を打診したとの報道を見て、実は「この会社はこの程度の人物が幹部だったのか。それでは仕方がなかったな事件だったな」と悪い意味で納得していた。寧ろ不思議だったことは「そんなことよりも社長以下幹部役員の責任は不問なのか。先ず役員報酬の減額とはないのか」との批判をほとんど聞かなかったことだ。


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