新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

日韓首脳会談の問題点を探る

2023-03-16 07:21:39 | コラム
会談が成功すれば良いと思う:

今朝4時の我が家の室内の気温は20度+と、昨日の暖かさの余韻が残っておらず、昨日の夕方でも21度に過ぎなかった。これは「未だ朝夕は冷え込んでくる状態を脱し切れていない」ということ。その冷え込みが残っている我が国に、韓国の尹錫悦大統領が本日にやってこられて、岸田総理と初の公式首脳会談を開催されるのだそうだ。尹大統領の対日関係改善に向けての姿勢は認識しているので、会談が成功(「上手くいく」という程度の意味だが)すれば良いと願っている。

尹大統領は前任者の進歩派の代表者だった文在寅大統領とは異なって「関係改善」の方向を目指しておられるので、今回も旧朝鮮半島労務者問題の解決策を提示されるなどの好意的(なのだろう)な政策を打ち出されている。だが、今回の韓国側が設立する財団が原告団に支払う(昨夜のPrime Newsでは時事通信の室谷氏は「肩代わりという表現は誤り」と真っ向から否定されたが)との解決策を岸田政権が諒とされたという話は寡聞にして未だ知らない。

気がかりなことは「尹大統領は自身が提示した解決策を『日本政府が承認した』という前提で首脳会談に臨む意向か」という点だ。この解決案は我が国が了承するかしないかの問題ではなくて、65年の条約がある以上、韓国内部の案件であって我が国とは無関係のことではないのか。故に「こうするのだからまた謝罪せよ」だの「ホワイト国に戻せ」という話は全く別次元の案件であろう。勿論、GSOMIAの再確認や現下の不安定な国際情勢では両首脳が安全保障を語り合うのは当然だろう。

既に、日経新聞の元論説委員・鈴置高史氏が「韓国の罠にはまるな」と警告されたことは取り上げてあった。後4年しか残されていない尹政権からまたまた進歩派政権に交代すれば、今回の解決案が反古にされないという保証もないという気がしてならないのだ。15年の「不可逆的解決案」の外相としての当事者だった岸田総理はあの苦い経験をお忘れではなく、断固とした姿勢で会談に臨まれるものと信じている。

他にもこの会談には重要な点がある。それは「韓国側の解決案は既にバイデン大統領の下にも上がっており、大統領が宜しいとされていた点」である。我が国がひっくり返すことはできない立場に立たされているのではないか。一部にはチャンとした見通しでこの会談に触れているメデイアもあるが、すき焼きで会食の後に、二次会にオムライスを食べに行かれるというような、問題を矮小化した報道姿勢は好ましくないと思う。



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