新国立劇場で『イロアセル』を見た。インターネットが世界を支配し、個人がSNSで世界に発信し始めた。その結果、個人の言動は丸裸になり、逆に誰もが本音を言えなくなってしまった。そんな現代社会を戯画化した演劇である。考えさせられる。
作・演出
倉持 裕
出演
伊藤正之 東風万智子 高木 稟 永岡 佑 永田 凜
西ノ園達大 箱田暁史 福原稚菜 山崎清介 山下容莉枝
誰もが本音を言えなくなった世界で、政治家と巨大企業が自分の思うままに社会を作り始める。近年、忖度という言葉が流行したが、我々の言動は忖度によって制限されていく。これはここしばらくの日本の状況である。息苦しい世の中で人々のストレスはたまっていく。
そしてそのストレスのマグマが爆発する。狂乱が生まれ、暴走が始まる。その暴走の後がどうなるのか。人々は平和になったのか。見る限りそうは見えない。やはり言論はどこか抑圧されている。その原因はなんなのか。
後半、ついていけなくなったところがあったので、もう一度みてみたい。
フルオーディションによる上演だという。そのためか超有名な役者は出ていない。しかし役者はみんな魅力的だった。こういう質のいい演劇を提供してくれる新国立劇場に拍手を送りたい。
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