世界の街角

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シリーズ⑨:サンカローク陶器博物館:その6

2016-11-04 08:33:00 | 博物館・タイ
<続き>

●シーサッチャナーライ:バン・パヤン陶と焼成具

今回は、当該博物館展示のバン・パヤン陶磁を紹介する。建築用材や屋根飾り、守護神やナーガ、マカラなどを焼成したと云われている。
展示内容は、まさにイントロ通りで、中央に上半分が不明な陶像が展示してある。夜叉であろうか?何かの守護神である。
写真のケンディーや蓋つきの比較的大きな盒子も焼成されたようである。見た目、鉄絵の発色もよく、欠損もない優品である。
バン・パヤン陶磁として展示されていたものは以上で、人物肖形も焼成されていた。

バン・パヤンの展示物が少なかったので、シーサッチャナーライとスコータイ窯の焼成具を紹介する展示があったので、それについて紹介する。
所謂トチンと焼成台(筒や棒状焼成具)である。トチンは5点の突起が付くので、焼成された盤や鉢には、5点目跡がつくことになる。これでは外観上劣ると考えたのであろう。そこで焼台が登場することになる。特にシーサッチャナーライの青磁盤や鉢の高台底に焼台の跡が残っている。


焼成効率を上げようとすると、どーしても溶着や、焼台からの落下が発生する。匣(さや)を使えばよさそうだが、シーサッチャナーライとスコータイに、その形跡はない。余談であるが、パヤオでは匣を使った焼成も行われていた。




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