世界の街角

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シリーズ⑨:サンカローク陶器博物館:その8

2016-11-07 08:51:12 | 博物館・タイ
<再開>

●ランナーからの交易陶磁:サンカンペーン陶磁(1)

ランナー各地からの交易陶磁をテーマとしてサンカンペーン、カロン、ワンヌア、パヤオ、パーン陶磁が展示されていた。順次紹介する。
サンカンペーン陶磁に興味をお持ちの方は、是非御覧願いたい。サンカンペーンの概要が分かる展示であった。今回と次回に分けて紹介したい。

(輪花縁鎬文盤)

(輪花縁無文盤)
サンカンペーンで輪花縁は多くはないものの、ときどき見かけることができる。その刻み幅は狭いものから広いものまで、バラエティー豊かである。
(無文盤)

(印花双魚文盤)
口縁とカベットの一部に釉剥げが認められる。いずれにしてもサンカンペーンでよくみる盤である。
(印花日輪文ないしは印花ピクン花文盤)
サンカンペーンでは、この手の印花文様を多々目にすることができる。他の北タイ諸窯では、この手の鉄絵文は多いが、印花文はほとんど見かけない。

(鎬文盤)
この鎬は白化粧土で覆った後に刷毛を用いて、所謂打ち刷毛目の手法で、文様を作り出したもので、サンカンペーンでは比較的多く用いられた手法である。当該手法は、スコータイやシーサッチャナーライ、更には他の北タイ諸窯では見かけないことから、サンカンペーンのオリジナリティーか、どこかに淵源があるのか?
(鎬文盤)
この盤もカベットに鎬文様が施されている。箆で鎬状に掻き落としたものか、上に掲載した盤のように打ち刷毛目の手法なのか、見分けにくいが上端と下端の端が揃っていることから、打ち刷毛目の手法と思われる。




                                   <続く>