リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

MISIAのリズム感

2011-11-09 13:30:12 | オヤジの日記
MISIAは、テレビの音楽番組に出ない。

人並み外れた歌唱力を誇るMISIAだが、テレビに出ないのは、生ではその歌唱力が発揮できないからではないか、と勝手に思っていた。

しかし、「星空のライブ(アコースティック)」を聴いて、その疑問は払拭された。

抜群のリズム感。
乱れない音程。
決して細まることも掠れることもない伸びのある声。
そして、言葉を活かす明瞭な発音。

さらに、MISIAは、音域が広い。
声量もある。

どれもが、上級のプロフェッショナルの技術を感じさせるものだった。


歌唱力というのを人がどのように捉えているかは知らないが、私はリズム感と抑揚だと思っている。

MISIAは、けっして音程を外さないが、それはプロフェッショナルとしては、当然のこと。
(できない歌手が多いことに呆れるが)

だが、多くの人は、音域の広さよりも声量で歌唱力を判断しているように、私には思える。

前半は、モタモタした感じで歌っても、最後に胸を張り、声を張り上げて音を伸ばせば、その人は歌唱力があると判断する人が意外と多いようだ。

口を大きく開けて、張り上げっぱなしにするだけで、上手いという評価が得られるのだから、「声量だけがある歌手」は楽である。
リズム感や抑揚が無くても、張り上げるパートのある歌を歌い続ければ、いつまでも上手いと言われる。

最近流行りのK-POPでは、歌担(うたたん=メインボーカル)と言われる人の中には、この張り上げ歌唱をする人が多い。
同じ音階で、音を必要以上に長く引っ張るのである。
不思議なことに、それがファンから上手いと評価されている。

その同じ音階で音を長く引っ張る手法はは、プロの表現手法として如何なものか、と私が疑問を投げかけると、私の周りの人たちは「それがなぜいけない?」と反論するのである。

それに対して、私はオペラ歌手とMISIAを引き合いに出して、反論に応える。

オペラ歌手もMISIAも、ともに声量があるが、無闇に音を伸ばすことはしない。
ここぞという時だけ、音を伸ばす。

そして、伸ばした音に抑揚を付ける。
決して伸ばしっぱなしにしたりはしない。

曲の前半は抑え気味に、その曲のテーマを表現し、最後に昂った思いを表現する手法として、抑揚を付けて声を張り上げる。
抑揚をつけることで、曲に表情を付けるのである。
そして、伸ばしっぱなしにしないで、声がフェイドアウトする前に、スパッと切るのだ。

本当に声量のある人は、この声を切るのが上手い。
ダラダラと伸ばしはしない。

そして、これは、ごまかしが効かない手法であるとも言える。
リズム感、確かな音程、声量がなければ、必ず破綻する。

声量だけがご自慢の歌手は、大抵リズム感がない。
K-POPの歌担がそうだし、和田アキ子、布施明など日本のベテラン歌手のほとんどが、プロとしてのリズム感を持っていない。
先天的に持っていないのか、声量があることを奢り高ぶっていて、それを必要としていないのかわからないが、とにかく、ない。


その点、MISIAは、真の意味でのプロフェッショナルである。

アカペラで歌うMISIAの「everything」を聴いてみたら、それがわかる。

それを聴けば、バラードにこそリズム感が必要なのだということが、如実にわかると思う。

これが、本当のバラードだ。



私は、MISIAは、まだまだ過小評価されていると思っている。