リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

天性の声

2011-11-26 09:03:29 | オヤジの日記
歌手が演技をする。

俳優が、歌を歌う。

どちらも才能を必要とするが、歌手が演技をする方が、クォリティが高いような気がする。
どちらも何かを表現する職業ではあるが、歌手が蓄積した歌としての表現力は、そのまま演技に生かせる。
しかし、俳優が蓄積した演技力は、歌にそのまま活かせないことが多い。

俳優にも歌の上手な人はいるが、それは上手に聞こえるだけで、音域は狭いし、リズム感のない人がほとんどだ。
俳優には、囁きかけるように歌う人が多い。
それは、表現方法として間違ってはいないが、ただ彼らは、その歌唱方法しかできないから、そうしているだけだろう、と私は思っている。

その歌唱方法を周りが上手いと評価するから、彼らは歌手として、それ以上進歩しない。
囁き歌唱でいいと思っているから、ボイストレーニングなどもしていないように思える。

だから、俳優たちの歌は、一曲聴けば充分という気がする。


今井美樹は、モデル、俳優として世に出てきた。

そして、その後、歌手デビューをした。
テレビの深夜放送で、2枚目のシングル「野性の風」のPVを見たときは驚いた。

声の表情が豊かで、そのうえ透明感があった。
さらに、声がミドルテンポのリズムに完璧に乗っていたから、曲全体が、流れるように滑らかだった。

今井美樹は、女優が片手間に、歌を歌うというレベルの人ではない。

天性の澄んだ伸びやかな声とリズム感。

その際立った才能は、正当に評価されるべきだと思うが、「Piece of my wish」「Pride」や多くのアルバムなどがヒットしても、その才能ほどは、今井美樹が高い評価を受けているとは思えない。

最初からミュージシャンではなかったからだろうか。

あるいは、日本人の好むジャンルではないからか。
もしくは、思い入れ過剰に歌うバラードか、某人気集団のように下世話な音楽の方が、リスナーは感情移入しやすいからか。

ヒットしている歌しか興味がない私の友人は、「全然、心に響いてこないな」という、あからさまに否定的な感想を述べた。

それは、正直すぎて、笑ってしまうほど単純な感想だった。

歌謡曲好きの人の心には、響かない歌。

確かに、今井美樹が作り出す音楽は、いわゆる流行歌とは一線を画しているように思える。

しかし、だからこそ、今井美樹の音楽は聴けば聴くほど、その音楽世界が独特のものだと思えるのだ。

ヒット曲しか聞かない私の友人は、こうも言った。

「あれは、女どもが聴く音楽だよな」

つまり、カラオケで自分が歌える歌だけが「いい歌」だと思っている男どもには、今井美樹の音楽は、わからないということだ。


となると、今井美樹が好きな俺って・・・・・。