スタジオジブリ作品で一番好きな作品が「風の谷のナウシカ」、2番目が「もののけ姫」で、3位以降は順番を決められないのですが「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」「魔女の宅急便」あたりです。
さて、ナウシカですが、数ヶ月前までは原作が存在していることを知りませんでした。原作の存在を知った以上、読まねばならんだろうということで全7巻揃えたわけです。私の他にも、原作の存在を知らない人は多いのではないでしょうか。もしくはこの作品は映画を元にして製作された漫画だと思っている人もいるかもしれません。はっきり言ってぜんぜん違います。原作を読むと、映画が高く評価され、原作が一般にあまり知られていない現状がむしろ不思議に思えます。原作の「風の谷のナウシカ」こそ世間から高評価を受けるべき作品です。
原作は映画とはずいぶん設定が違います(というか、映画が原作と設定が違うが正しい)。そして映画のストーリーは、原作の第2巻の途中までの物語です。
原作を読んでしまうと映画はもう見れないかもしれません。映画ではなんでこうしちゃったのかなー、と思う部分が多く、また原作の世界観の半分も描写できていないのではないでしょうか。それくらい原作の方が凄すぎます。そして宮崎駿自身も、当初はナウシカを映画化することは考えていなかったらしく、「どうせならアニメではできないような作品を」と考えて描き始めたらしいです。
実は原作が完結したのは1994年なので、映画「風の谷のナウシカ」が公開されてから10年も後のことなんですね。全7巻なのに連載開始から完結まで、何度も中断をはさんだ為に14年もかかったとか。当然その間にナウシカ含め、何本もの長編アニメーションを世に送り出しつつの作業だったわけです。
原作は内容が濃すぎて、自分の中で消化するのに時間がかかりました(特に最終巻は……、名言連発です)。それでも、ここに描いたことは宮崎駿氏の思想のごく一部なのだろうと思います。改めて"世界の宮崎"の偉大さが分かりましたね。
1000年くらい後の人たちがこの作品を読んだらどう思うか、感想を聞いてみたいものです。